鼻 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 鼻を短くしたのにもかかわらず、ほかの人からしたらそれが違和感に感じられたのは人間は残酷であると思った。

  • コンプレックスってのは「他人に嘲笑われたくない」ってとこから解消を目指すものだと思いがちなのだけど、実は一番の敵は自分なんだよな。内供にとっては嫌な感情を持ち続けてきた時間の方が長い。それがいきなりプラスに転じるのは天地がひっくり返るような衝撃を生むわけで。その衝撃に耐えられる準備をしているか。俺だったら自分の感情と折り合いをつけられないかも。漠然と「鼻が短くなったらどんなに良いだろう」と考えた内供にとって、短い鼻の心地よさは逆に他人の視線を意識することになり、窮屈さを生む結果となってしまった。

    他人の視線なんて関係ないのだ。内供が急な変化にどう気持ちを整理して、落とし前をつけるか、それだけなのだ。

    【読了時間:11分 / 1日】

  • 己の中にあるコンプレックスを、外から無理矢理打ち消してしまうのではなく、自分で認め、許す事が大切。
    そう語りかけてくるように感じました。

    無理矢理その事実を打ち消すことは、自分の中では、それを克服したわけではないため、克服もせずに覆い隠すことにより、満ちていたのも束の間、かえってその部分が浮き彫りとなり、日々その事が目につき、不安を増長させ、必要以上に敏感となる。

    こんなことなら、以前のじぶんがよかったと、自分で自分を許し、慈しむ事ができたその時初めて、ありのままの自分を認めて、許してあげることの大切さを教わった気がする。

    過去の自分、本来の自分を許してあげられることにより、生まれ変わったような清々しい気持ちとなれる。

  • コンプレックスを克服できるかどうかは自分の気持ち次第。コンプレックス自体が解消されても、他人の目を気にし続ける自分自身がいる限りは変わらない。
    そして他人側。
    その人がその不幸を、どうにかして切りぬける事が出来ると、今度はこっちで何となく物足りないような心もちがする。そうしていつの間にか、消極的ではあるが、ある敵意をその人に対して抱くような事になる。
    そう書かれてる。面白くないという嫉妬のような感情。どちらの立場も少し解る。他人のことを気にしないでいられたら良いが、他人と関わる以上は仕方ないのかなあ。

  • 芥川の代償的な作品のうちの一つとしてあげられるのが、この『鼻』である。
    おおまかな内容としては、全治内供という僧が持つ巨大な鼻についての話である。僧は自分の巨大な鼻が嫌で小さくしたいと悩むものの、実際に小さくなれば物足りなくなってしまう。これは、多くの人が持つコンプレックスについて描かれているのではないかと思う。コンプレックスであるかもしれないが、それも自分自身の個性の一つであるため、恥じる必要はなく、堂々と生きていこうという芥川からのメッセージなのではないかと私は思う。
    また、この作品は、『今昔物語』の「池尾禅珍内供鼻語」および『宇治拾遺物語』の「鼻長き僧の事」を題材としていて、芥川により面白おかしく書かれている。時間のある方は是非、読み比べてみてほしい。

  • 鼻の長い内供が、笑われることを気にし一度鼻をみじかくするものの、笑われてしまいまた長い鼻に戻す、、、。
    本作品の最後「――こうなれば、もう誰も哂わらうものはないにちがいない。内供は心の中でこう自分に囁ささやいた。長い鼻をあけ方の秋風にぶらつかせながら。」という部分が印象的であった。内供は鼻が長くても短くても笑われてしまうが、これは内供自身の鼻への自己意識の高さによるものなのではないかと考えた。自己意識が高い故に鼻が長くても短くても笑われてしまっていると感じているのではないか。最後の部分から考えると、自身の本来の鼻を受け入れ意識をしすぎることをやめたように感じる。よって、今後は本当に鼻を笑われることがないのであろう。

  • 長年のコンプレックスを解消したあとに待っていたものは。。。


    人間というものは面白いもので、ないものねだりなんだなと、思わずニヤニヤしながら読んでしまった。


    *****************


    人は誰しもコンプレックスがあるものだ。ご多分にもれず僕にもある。でも最近は何十年もこじらせてきたコンプレックスから初めて開放された。


    それは主人公のように長い鼻が短くなったからではない。むしろ治療もせず長い鼻のままで何も変わっていない。では何が変わったか。それは自分の心の持ちようが変わったのだ。


    ではどうして心の持ちようが変わることができたのか。それは少々荒療治ではあったが、大切な友人たちが心の持ちようを変えてくれるのを手伝ってくれたからである。


    コンプレックスから開放されたあとの心は人生で初めて味わう、まるでコーラを飲んだあとのような実に清々しいものだった。いままではそのことばかり考えていたものが、今では全く考えなくなった。またたとえ考えることがあっても、それは自分の個性なんだと思えるようになった。


    長い鼻を短くすることが自分を救う道ではない。むしろ長い鼻そのままに、誰にもない唯一無二の鼻だと誇ればいいのである。


  • これからは欲を異常に出し過ぎるのはやめようと思った

  • これを読んで「外見は気にするな」「慣れたものが愛おしい」という訓示だと気づく子供がいたら、それはそれで好きになれないかな笑

  • きもちわるいー

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