羅生門 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 生々しい腐りかけの果実のようなグロテスクな描写とミステリアスな展開に引き込まれてしまった。これを読み、己に何らかの得はないが、まるでドイツの湿っぽい映画のような後味の悪さが有り、見事だと感じた。
    まるで砂利を食わされるような小説、気持ちの悪さが癖になる

  • 中高生の頃以来の再読。
    当時より善悪を突き放して読めた。

    開き直った後の方が男がいきいきしてるのがなんとも皮肉。

  • 高一の教科書以来、久々の羅生門でしたが、愉快な話でした。
    引剥ぎの相手がクシャクシャの老婆でなく、若い女だったなら ちょっとエロな風合いを持った話になったのカナ?
    「下人の行方は誰も知らない。」…たぶんドロボーか強盗になったんでせうが、悪党として前途洋洋な下人に対し、スッポンポンにされた老婆は…死んじゃったんでせうね、可哀想に。

  • 文学って面白いなと思った最初の作品、かもしれない……??

  • 学生の頃、難しくて全く理解できなかったので、大人になった今改めて読んでみた。

    難しいことには変わりないけど、語り手のような文章で諭してくれる。
    随所に書かれる心理描写が面白い。

    この物語では盗み人か餓死かという葛藤がテーマだ。
    生きることが大事なのか、人間らしく理性や道徳を持って生きないとダメなのか?

    後者を選ぼうとする自分は、恵まれた環境下で生きているんだなと思った。

    因果応報。人の道を外すな。
    とはいえ死んでしまっては元も子もないとも思う。
    究極の2択で答えはわからないなぁ。

    色々考えさせられる作品は好きだけど、今の私にはこれが限界。

  • 人の道を踏み外せば己に返ってくる。
    そんな教訓が聞こえてきそうです。
    学生の時に教科書に載ってる時から、怖い話とは思っていたが今読んでみると本当に怖いと思いました。
    羅生門の中には『仕方なく』でいろんな事をした人が居たのかもしれません。『仕方なく』集められたのかもしれません。下人は『仕方なく』に染まる自分が怖かったのかもしれません。雨のせいで『仕方なく』と…

  • 人によって変わる善悪
    下人の心理描写の推移
    ニキビをいじるのちょうリアル
    世紀末の世の中で何を選択しどういきるか

  • 人は簡単に善悪に揺れ動く、人間には言い訳が必要で、逆に言えば言い訳さえあれば善人すらも悪人になり得る。

    餓死するのか盗人になるのか、下人の決断を簡単には否定できない、同じ立場なら同じ行動をとるかもしれない。でもどれだけ貧しくても超えちゃいけないラインはある、人間が尊厳を無くしたらそれは獣と一緒だよ。

  • 高校の国語の授業ぶりの羅生門。当時高校生だった私はあまり面白いとは思えず、ただ難しい単語の羅列だと感じていた。しかし就職をする年齢になり、以前よりかは知識と経験を積んで読んでみたところ、印象は一転した。一文一文の表現、言葉の美しさや無駄のない洗練された物語に驚いた。「~がやってるから俺もやる」といった悪の連鎖は現代になってもなくなる気配はありませんね。

  • 著者の巧みな伏線と、伝えたいメッセージを物語にするパワーに感動させられる。
    『下人の行方は誰も知らない。』という、読者の想像に委ねる終わり方もいい。

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