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感想・レビュー・書評
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生々しい腐りかけの果実のようなグロテスクな描写とミステリアスな展開に引き込まれてしまった。これを読み、己に何らかの得はないが、まるでドイツの湿っぽい映画のような後味の悪さが有り、見事だと感じた。
まるで砂利を食わされるような小説、気持ちの悪さが癖になる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中高生の頃以来の再読。
当時より善悪を突き放して読めた。
開き直った後の方が男がいきいきしてるのがなんとも皮肉。 -
高一の教科書以来、久々の羅生門でしたが、愉快な話でした。
引剥ぎの相手がクシャクシャの老婆でなく、若い女だったなら ちょっとエロな風合いを持った話になったのカナ?
「下人の行方は誰も知らない。」…たぶんドロボーか強盗になったんでせうが、悪党として前途洋洋な下人に対し、スッポンポンにされた老婆は…死んじゃったんでせうね、可哀想に。 -
文学って面白いなと思った最初の作品、かもしれない……??
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人は簡単に善悪に揺れ動く、人間には言い訳が必要で、逆に言えば言い訳さえあれば善人すらも悪人になり得る。
餓死するのか盗人になるのか、下人の決断を簡単には否定できない、同じ立場なら同じ行動をとるかもしれない。でもどれだけ貧しくても超えちゃいけないラインはある、人間が尊厳を無くしたらそれは獣と一緒だよ。 -
高校の国語の授業ぶりの羅生門。当時高校生だった私はあまり面白いとは思えず、ただ難しい単語の羅列だと感じていた。しかし就職をする年齢になり、以前よりかは知識と経験を積んで読んでみたところ、印象は一転した。一文一文の表現、言葉の美しさや無駄のない洗練された物語に驚いた。「~がやってるから俺もやる」といった悪の連鎖は現代になってもなくなる気配はありませんね。