藪の中 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (11ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 20分程度でサラリと読めちゃうくせに、その中身の重さと秘めた恐怖ときたら、とんでもない作品です。
    芥川龍之介、恐ろしい…。

    悪名高い強盗が行きずりの夫妻に目をつけたことから、人気のない藪の中で、妻は手込めにされ、夫は命を落とす。

    事件の発見者の三人、関係者(妻の母)、そして、当事者三人(強盗、妻、亡霊となった夫)に対し、検非違使の尋問が始まるのだけど、各人の証言はてんでバラバラで…。

    各人のすれ違う証言に、人の記憶の曖昧さはもちろんのこと。
    恐怖や罪悪感、面子や名誉などの、あらゆる要素からくるであろう、記憶の混乱や書き換え、そして、恣意的な偽証など、様々なことが、浮かび上がり、考えさせられます。

    鎌倉時代に書かれた今昔物語の世界観が土台ですが、現代の事件・裁判でも、きっとこういったことは、大なり小なり、当然のように起こっているのだろうな…と思うと怖くなります。

    真相が明らかにならないのが、これまた…。

    この作品によって、真相がわからないことを「藪の中」と言い表わすようになった…という説があるだけあって、とても良くできていると同時に、色々なことを考えてしまう、実に見事な作品です。

  • 短編。風呂に浸かりながら読むのにちょうどいい長さ。熱さも忘れて読み通したのである。

    読み手の分だけ考察ができる作品。俺は他人の書評を読む方が好きなので、さらさらと何も考えず読んだのだけど、どう足掻いても真相は藪の中なんだなぁ。無駄だと分かっていても考えるのが人間の性ですよね。

    最初の数人は状況判断なので、太刀や馬の有無などに信憑性があるかは何とも言えない…が、何故第3者なのに話にズレがあるのか。目撃はしたがどうせ自分とは関係ないから適当に言ってやれ、出鱈目でも問題なかろうと性悪な気になることもなきにしもあらず。あるいは各々の観察眼の優劣。情景を取捨選択するにもスキルがいる。そして記憶というのは曖昧なものであるから確実だとは言えない。以上より、ズレがあるのは仕方ない。

    どちらかというと確実性があるのは後半の3人だけど…妻と盗人の共謀も可能だからなあ。分かるのは夫が死んでいたことだけだ。うーん、また見返そう。

    【読了時間:20分 / 1日】

  • 芥川の中で一番好きな作品。高校生の時に初めて読んで以来、何度か読み返しているが、読むたびに感想も変わってくる。以前は「事実はひとつだが、真実は人それぞれの心の中にある」といったようなことを感じたが、今回は「人は見栄とエゴに執着しており、死ぬまで(死んでも)変わることは出来ない」と思った。

  • 殺された夫、逃げた妻、捕えられた盗人、その関係者4名がそれぞれ、事件について語る。しかし、当事者たちの話は食い違い、真実は”藪の中”に。難解な小説である。

  • 1人の男が死んだという事実について、部外者あるいは当事者達によって「真相」が語られる。客観性などというものは解釈でどうとでもなり、人間の目を通している以上、本当に正しい真実など存在しない。

  • 藪の中で男の死体が見つかったが、複数の者が食い違う証言をしています。その証言者の中に「巫女の口を借りたる死霊」がいるのが面白いです。芥川龍之介の真意もわからないため、いまだ研究材料になっているようです。それが故に脚光を集めている作品でもありますが、個人的には面白みはあるものの、世間ほどの興味はそそられません。
     
    ただ証言者たちが、どんな心理状態で真実と虚偽を入り混じらせているかは興味深い所です。そして結論がないのは、敢えてそうしているのであって、それ自体に何らかの意図があるような気もします。明智小五郎や江戸川コナンの手に掛かったらどうなるか?そんなスピンオフ作品があったら面白そうです。

  • 黒澤映画の原作と言うことで読んでみた。斬新な構成で人間のエゴが見えて感慨が深かった。

  • 羅生門→藪の中、と読むと分かりやすいかと思います。カギ括弧の使い方が独特、それが良い具合にまるで舞台を観ているようで、感情を振り回してくれて大変善かった!

  • 真相は藪の中。
    人は見たいように世界を見る。そしてそれが、当人にとっての真実となる。

  • 一人の男の殺害について、その男の霊を含む3人の証言からなる小説。それぞれ、彼を殺したのは自分であるとの主張は、何を意味するのか。これによって芥川は何を言いたかったのか。私にはそれがまったくわからない。

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