一房の葡萄 [Kindle]

  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • どうしても手に入れたかった色の絵の具。
    素直に親に欲しいと言えずに級友のそれを盗ってしまった。
    すぐに級友たちにはバレて、大好きな先生にも言いつけられてしまう。
    そのときの少年の絶望感といったらもう…。

    しかし、先生の優しさに少年は救われるのだった。
    先生は泣いている少年に、悪いことをしたと思っているのかだけ確認して、一房の葡萄を渡す。
    翌日、少年が気を重たくして登校すると、絵の具を盗られた級友が待っていて手を差し出してくれる。
    そして一緒に先生のところに行くと、級友は褒められ、少年は葡萄はおいしかったかと訊かれる。

    いったい先生が級友になんと言ったのかはわからないが、なんて優しくて人望があって器の大きい人なんだろう。
    外国人居留地の学校で先生も児童も外国人なので、おそらく言葉の壁もあっただろうと思われる。

    この物語に、少年が級友に言葉で謝る場面は出てこない。
    反省とは、ごめんねという言葉ではなく、本当に悪いことをしたと心から思うこと。
    それを先生が教えてくれたように思う。
    少年の間違いを優しく諭してくれる先生がとても印象に残った。

    • ひろさん
      チーニャさ~ん、こんにちは♪
      チーニャさんも読まれたのですね~*´▽`)b嬉しいですっ✩.*˚
      この先生、素晴らしいですよね!
      そして級友に...
      チーニャさ~ん、こんにちは♪
      チーニャさんも読まれたのですね~*´▽`)b嬉しいですっ✩.*˚
      この先生、素晴らしいですよね!
      そして級友にはなんと言ったのか…気になりますよね!笑
      子育て中ですが、先生のような教育ができたら理想とは思いながらも・・・
      う~ん、そこまで人間ができてないので…( ̄▽ ̄)
      コメントくださりありがとうございます♡(´˘`๑)
      2023/08/20
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      ひろさ〜ん♡
      子育て中って大変ですよね!
      この本の先生のように…問題が起こった時上手く対応できたら、いいですよね。
      ひろさんは子育て中で忙し...
      ひろさ〜ん♡
      子育て中って大変ですよね!
      この本の先生のように…問題が起こった時上手く対応できたら、いいですよね。
      ひろさんは子育て中で忙しい中、たくさんの本を読まれていて、本の中からたくさんのことを学ばれていて、立派だと思いますし、素敵なお母さんだと思います、私。(*^^*)v
      お返事ありがとうございます♡
      2023/08/20
    • ひろさん
      チーニャさ~ん♡
      いつも愛のあるお言葉ありがとうございます(*^^*)
      先生のような対応は模範解答ですよね。
      私はチーニャさんのように愛の溢...
      チーニャさ~ん♡
      いつも愛のあるお言葉ありがとうございます(*^^*)
      先生のような対応は模範解答ですよね。
      私はチーニャさんのように愛の溢れる母親になりたいですっ♪
      2023/08/21
  • ひろさんのレビューで気になって電子書籍で読了。
    絵を描くことが好きな主人公、「体も心も弱く言いたいことも言えずにすます」ような質だったという。出来心から起こした行動に対しての先生の対応、級友の翌日の迎え入れ方に、こちらも諭された気分になってため息が出る。
    「あなたは自分のしたことをいやなことだったと思っていますか。」
    真白い手の平に紫色の葡萄の粒の美しさが際立つ。葡萄ではなくて他の果物だったらどうだろうと思ったりするが、やっぱり葡萄以外に考えられない余韻でいっぱいになる。

    • ひろさん
      ベルガモットさん、こんにちは♪
      この小説を読んだとき、なんて素晴らしい先生なんだ!と思ったことを覚えています。
      ベルガモットさんのレビューを...
      ベルガモットさん、こんにちは♪
      この小説を読んだとき、なんて素晴らしい先生なんだ!と思ったことを覚えています。
      ベルガモットさんのレビューを読んで、タイトルの通り、一房の葡萄の美しい描写によって、物語を美しく優しく感じさせてくれるのかなと思いました(*ˊ˘ˋ*)
      素敵なレビューありがとうございます(◍>ᴗ<◍)
      2023/09/22
    • ☆ベルガモット☆さん
      ひろさん、おはようございます♪
      お名前を出しちゃいましたが、コメントありがとうございます!
      こちらこそレビューしてくださって読むきっかけ...
      ひろさん、おはようございます♪
      お名前を出しちゃいましたが、コメントありがとうございます!
      こちらこそレビューしてくださって読むきっかけとなりありがとうございます!!!
      このように本人へ振り返りの時間を持てるよう、周囲にも配慮しながらの対応、素晴らしい先生ですよね!今は美味しい葡萄の季節、自分も葡萄を食べながら読後感をかみしめています(≧▽≦)
      2023/09/23
  • 軽井沢高原文庫での購入本。
    児童文学というが、リアルな暗さをもったお話で子どもの頃に読んでもつまらないだろうなあと思った。
    しかし、「本物の童話とは〜、人生の真実をーその明るい面も暗い面もー隠さずに子供に伝えるものでなければならなかったに違いない」という解説を読んで納得した。
    大人になればなるほど不条理な社会を目の当たりにする。幼少期から現実的な物語を読むことで社会を学び、社会で生きる力を身につけられるだろう。
    私は大人になっても現実から目を背けてばかりだなと情けなくなった。

  • 横浜の外人居留地に住む内気な少年が、クラス仲間の絵の具を盗み取る。突き出されてきた少年の心情を汲み取った女性教師の対応の仕方が輝きを放つ。単に懲らしめるのでなく、少年を優しく包み込み、いたわり諭す心のぬくもりが伝わってくる。【有島武郎】の童話『赤い鳥』からの一篇。

  • 優しいお話でした。

  • 子ども時代のふつうの優しい話

  • ジムの持つ上等な舶来品の絵具に憧れて、あまりの欲しさに盗んでしまう。
    盗んでしまった後悔の念や大好きな先生に嫌われたくない気持ちが丹念の描かれてると個人的に解釈しました。
    葡萄は、それぞれを繋ぐキーなのかな?

  • 有島武郎の短編小説。
     
    優しい先生の思い出、
    筆者は恐らく好きだったんだろうな、
    と思わせる、甘酸っぱい青春の想い出。
     
    短編ですぐに読めるので、
    あなたも青空文庫で探して
    ぜひ読んでみてください。

  • 少年の心境がほろ苦い作品

  • 図書館の古い本、時々無理なのがある。で、買えばいいけどとりあえずKindle。専用端末じゃないからか、Kindleで文章読むのもたいへん。
    ドラマチックなことは求めてなくてただ優しいお話がよみたかったので選びました。

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著者プロフィール

1878年、東京生まれ。札幌農学校卒業。アメリカ留学を経て、東北帝国大学農科大学(札幌)で教鞭をとるほか、勤労青少年への教育など社会活動にも取り組む。この時期、雑誌『白樺』同人となり、小説や美術評論などを発表。
大学退職後、東京を拠点に執筆活動に専念。1917年、北海道ニセコを舞台とした小説『カインの末裔』が出世作となる。以降、『生れ出づる悩み』『或る女』などで大正期の文壇において人気作家となる。
1922年、現在のニセコに所有した農場を「相互扶助」の精神に基づき無償解放。1923年、軽井沢で自ら命を絶つ。

「2024年 『一房の葡萄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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