あさましきもの [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 3人の「あさましきもの」たちの、切なげな情緒の映える小エピソードが収められています。1つ目のエピソードなんかは、他の太宰の作品(題は忘れてしまった…)にも似たような展開がありましたね、すごく好きなエピソードです。
    そして、エピソードを書き切ると太宰は言います。「さて、そういう乃公自身は、どんなものであるか。…(中略)…あさましとも、はずかしとも、ひとりでは大家のような気で居れど、誰も大家と見ぬぞ悲しき。一笑」
    ──こうして他人のエピソードを冷記しておきながら、大家ぶっている自分もまた、「あさましきもの」なのだと、そう言って笑う太宰の諧謔精神も垣間見えて、なんだか温かい1作です。

  • 青空朗読

    お散歩しながら

    人間失格の話と重なった

  • カップルの話
    男は禁酒しようとするができない
    彼女は信じてくれる
    彼は岡田時彦さんという方の追悼文

    カップルが散歩
    三つ目のポストでキスしよう
    女は発情していた
    実際に三つ目のポストが来ても男は早歩きで歩いて行った
    画家の男にとって女はモデルに過ぎなかった

    身嗜みのいい男が結婚詐欺で捕まった
    肺が悪いため不起訴にしてもらえる可能性があった
    最初は本当の咳、2回目は嘘の咳
    それを聞いて検事は嘘だろと嘲笑った
    それは男にとって5年の求刑よりも悔しかった

    こんな浅ましきもの達の例を上げてきたが
    私もそうである
    自分は大家だと思っているが周りは見てくれないのである。一笑

  • タバコ屋の娘とのやり取りは、人間失格に出てくるものかな。
    こういう文章、好きだ。

  • 個人的にはかなり好きだった。
    短くて良い。

    3つのあさましき事例があった。
    1つ目は意思の弱さであり、信頼であり、その罪を1人で抱えることの出来ない弱さ、などが感じられた。女性側が男を全く疑うことがないのがよりいっそう 浅ましさ が感じられることに貢献していたと思う。

    2つ目は恋愛と見下しとが感じられた。どこか高い位置から相手をおちょくるような、欲に目をくらませてしまうことを感じた。

    3つ目は身近な感じがした。一生ぬぐえないほどの羞恥であり、わだかまりをもっていること。

    総じて人間には傍から見ると浅ましいと思ってしまうことが沢山あり、だからといって当の本人はそんなつもりなどなく、だからこそそれこそが人間なんだなと思えるような文だった。

  • めっさ短いけども、とりあえず最初の話はぐっと来て好きよ。
    そして2番目のはやや意味が分からん。

  • あさましい振る舞いをする時は、吸う息がやけに冷たい気がする。
    悲しい感覚だ。

  • たばこ屋の女の子のお話。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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