女生徒 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 「女生徒」とても良かったです。
    太宰治といえば「人間失格」が、有名ですが
    同じ人が書いたとは思えないくらい読みやすい作品だと思いました。
    14歳の少女の1日を、起床してから眠るまでの1日を日記のようにずっと心のうちを描写していく内容です。

    遅い時間になってしまいました。
    ブクログで、とても楽しく読書できました。
    拙いレビューを読んでくださったり…
    大変お世話になりました。
    ありがとうございました。
    来年もどうぞよろしくお願いいたします!
    皆様…よいお年をお迎えください。



  • とてもとても好き。太宰が好きとかではない。この作品がとてつもなく好き。
    思春期のおんなのこという生き物の不安定さ、儚さ、矛盾、強さ、汚さ、自意識過剰さ、気恥ずかしさ、夢見がちで現実主義で…とにかくドロドロもキラキラも清濁併せ持つ、複雑な気持ち。そういうものが凝縮されている。とにかく乙女。乙女ってこういうこと。大人にとっては何てことない平坦な日常。でもこの頃は毎日が感情の洪水。コロコロと考えが変わる。この感覚忘れてしまうんだよね。読めば一瞬で少女の頃に戻ってしまうし、思春期真っ只中の子が読めば、なんで私のことをこんなにわかってくれるの?!ってなると思う。
    元ネタは太宰ファンの女の子の日記だとしても、男性なのに、これを文学として価値あるものと見抜き、作品にまで昇華させたことがものすごい。だからモテたんだろうな、太宰。

  • これまで太宰治を何冊か読んだが、ベストは斜陽、2番目が今回読んだ「女生徒」。戦時中の女生徒が主人公。父親を病気で亡くし、母親と2人暮らし。姉は嫁ぎ、兄は兵隊として家を出る。主人公は思春期に特徴的な、自分に酔っている自分が嫌になったり、同姓・母親への嫌悪感と攻撃性を有し、他の女性を見ると女性のしたたかさを思い描く。常に悲しく、泣きたくなり、儚さを抱いている。思春期、戦時中ということも相まって感情の起伏が激しく、これぞ女生徒だと思った。退廃的時代に確固たる真実・地位を欲している姿に共感する場面が多かった。⑤↑

  • schoolgirlというお話を読みたいが故の、前知識として。
    オーディオブックで聞きました。まんま少女の日記って感じでした。

  • かわいい。まさに少女の描写がリアルでうまい、とまでは思わないんだけど、この自意識の描き方はさすがだなあ。確かに麻疹みたいなものだけど麻疹で死ぬ人もいるよねと納得してしまった。

  • 太宰先生がこのような思春期の少女の気持ちを書いていたことに驚き。とても読みやすかった。
    とても素敵な表現だと思ったのは
    「夢を持ったような古風のアンブレラ」
    心に響いたのは
    「なぜ私たちは、自分だけで満足し、自分だけを一生愛していけないのだろう」

  • 一息で書かれたような小説。一息で読みました

  • 大人への憧れもあり、でも子供のまま甘えたい気持ちもある少女の心の中が美しく描かれている。
    純粋に美しい文章。

  • 「太宰治短編小説集」というドラマを見て以来、その情景を思い浮かべながら女生徒を何回も読んでしまうことに。青々とした空と田舎の初夏の緑。

  • たくさんブックマークしながら読んだ。それくらい素敵な文章が多かった。
    太宰治は女だったのでは、と思うほど女性心理を描写しているのに驚き、さらに太宰治の心根の優しさが溢れた作品だと思った。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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