人間失格 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (284ページ)

感想・レビュー・書評

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  • これを読むのは何回目だろうか。憧憬、軽蔑、憎悪、諦観、いろいろな感情が混ざり合った不思議な気持ちに、いつもなる。自分からエゴや見栄をするっと抜き取って、甘ったれた可愛くて可愛くて仕方がない自分の抜け殻の頭を優しく撫でたいと願う私のように、太宰もきっとそんな気持ちで半ば酔いながら自伝じみた小説を残したのかなと思う。自分の心を解き明かしたくて日々日々考えるのだけど、この本を読むといつもこれ以上に自分を言語化できる本はないのだと実感する。自分の無能を棚に上げ、人という恐怖から半狂乱で逃げ惑う可愛い可愛い葉蔵。可愛くて可愛くて仕方なくて、読者は皆葉蔵に寄り添うのだろう。

  • 電子版「人間失格」を読みました。

    太宰治は暗いイメージが強くて今まで読む気になれなかったのですが、今回たまたま電子版で無料で読めることを知ってダウンロードしました。

    文学的には高いのかもしれませんが、精神衛生上あまりよろしくない。

    人によっては、この世界に引きずり込まれるのではないでしょうか。

    危ない危ない。

    途中、気分が悪くなって読むのを止めようかと思った程です。頑張って読み終えました。

    誰しも暗い内面を持っていて、「葉ちゃん」になる可能性はあると思うのです。私もあなたも…。

    読み終えて思った事は”なんて気の毒な人”と”自己確立の大切さ”です。

    人が好すぎるのは危険ですね。

    それは”無知”であることに等しいから。

  • なんかたまにふとあんな文あったなと思い出して、
    ページを探していると、こんなのもあったあれもあった
    と思ってるうちに結局最後まで読んでる。

    それを中学生でこの本を初めて読んでから、今に至るまで繰り返してる。

  • あぁ、
    太宰治すごい。
    初めて本に引き込まれた。
    こんな短期間で本を読み終えたのは
    いつぶりだろう。


    ページを捲る手が止まらなかった。
    涙も止まらなかった。


    主人公の気持ちがわかりすぎて
    辛いのに次を読みたい。って。
    この人はどうなっていくんだろう
    この人の最後はどうなるんだろうか


    この人の
    表現力と言葉の選び方…


    泥臭くて飾らなくて
    文字が生きている。


    とことん自分を追求してる。


    「一般」と言われる人間に
    なりきれず、理解者すら現れず。
    それでも期待せずにはいられずに
    そして期待をしてはまた裏切られてきた。


    優しすぎるあまり
    人を優先し続けてしまった人間の人生。


    だから自分すらも見失い
    「人間失格」
    の烙印を自分に焼き付けた。


    人、1人の人生が詰まってる。


    病気などの逆境に立ち向かう
    今流行りのお涙ちょうだいの
    感動ストーリーよりも人間らしい。
    実に人間らしい人間なのに…


    それすら
    「人間失格」


    人間の弱さや葛藤も
    深く自分を見つめる強さを感じた。
    酷く生々しい人間の生き様。


    太宰自身がモデルであったならば
    彼は確実に
    弱さを持った強い人間だったはず。
    弱さを知っているが故に
    弱い人間の立場がわかり
    優しすぎるあまり
    考え込んで引きずられてしまう。
    自分で気づいているのに
    やめることができない。


    見れば辛く苦しいはずなのに
    あえて
    自分から目をそらさなかった
    誰よりも強く優しく弱い主人公。


    あぁ、素晴らしい。

  • 社会に上手く適合できない人間の心の琴線に触れてあまりある人間失格。

    「こいつよりはましかと嘲笑するか、共感するか」

    人の闇、心を思うばかりで空恐ろしくなる。

    この悪魔の考え・視点に触れてしまったばっかりに太宰は自殺したのだろうか?

  • 久しぶりに読んだ。
    貪るように。
    何故か初見のように読めた。
    私の記憶の問題では…( ̄▽ ̄;)?
    いやいや、ここに太宰の凄さがあると思っている方が幸せ

  • 読了。人間が分からない、共感できない、と思う一方でそんな理解できない人たちから疎外、拒絶されたくはないんだな、と。人と関わることで他と自分が違うと感じ、孤独を感じつつも、そこに居場所を求めてしまう。そんなに苦しいなら1人で生きればいいのに。でもそれができない主人公。それが人間の性なのだろうか。
    自分が他人と違う、他人が理解できていないことを人に暴かれるのが怖い と初めの方にも書いてあったけど、その恐怖はなぜ生まれたんだろうか。
    コンビニ人間 の主人公のように、そうした方がめんどくさくないから というような理由とは違うとはわかる。
    その人自身が意見を通そうとするときに世間という看板を使う というのは今の世でもいつでもあるものなのかな。

  • 人間失格 読了

  • 青空文庫で読了。太宰治の分身のような葉蔵の半生です。読んでいて気持ちが滅入る一方、深く共感してしまう部分も多く、読むのが止められません。いま例えるとしたら、モルヒネのようなものです。20代で読んだ記憶、2010年に映画で観た記憶、どっちもぼんやりですが、どちらも気持ちが滅入ったのだけは覚えています。
     
    人間が持つ悩みや恐怖、色々あると思いますが、葉蔵は自意識過剰で全てが恐怖の対象になっています。なぜ共感できるかと言えば、私も潜在的にそんな想いがあるからなんでしょう。酒、女、タバコ、薬...程度の差はあれ、これらが人間の逃避先であるならば、現代にもリトル葉蔵は沢山いるとも言えます。
     
    自意識過剰は責める雰囲気を持つ言葉ですが、言い換えれば、人間が放つ氣を敏感に感じ取れる無垢な心の持ち主なのかもしれません。この作品から得られた事は確かにあります。でもうまく言葉にできません。ただ葉蔵の以後の人生が、今までと全く逆であって欲しいと願いたくなります。

  • 少年期の大庭葉蔵
    彼のお道化を憐れに思ったのは同時に
    自分に対するものでもありました
    但し其処には喜びや愛しさだって混在していたはず
    しかし大庭葉蔵は一切が人間不信でした
    読み進めていく中で機微の変化に触れつつも
    一貫してそれは存在し続け、

    ただ一さいは過ぎて行く

    という境地に達する彼の様が
    最後まで哀しかったです

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著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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