外科室 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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  • 外科室

  • 一目惚れしていた男女の話。外科室で胸を掻き切って死んだ女と、翌日に自殺した男。分かりやすくて好き!

  • 生涯で数分間程度しか顔を合わせていないはずの男女が、お互いの命をかけてまで守った愛のお話。

  • 台詞がいいな。目の前で起きたことのような描写に引き込まれる。

  • そぎ落とされた文体。一つ一つのセンテンスをじっくり咀嚼しながら読んだ。
    夫人の秘めたる想いの昇華のありさまは悲しくも美しい。このような形でしか完成されえない愛というものもあるのである。

    だが、私としては、手術台の上の妻を「愁然」とした面持ちで見つめる伯爵と、母から離されて「ようようお泣きやみ」あそばした、まだ幼いと思しき姫さまがあまりにお気の毒。夫人は言葉に表すのを拒否する代わりに、態度でもって事の真相をすっかり白状してしまったわけだ。関係者全員の目の前で繰り広げられる二人の耽美な愛の告白劇に、夫としての面目を根こそぎ破壊させられるくらいなら、うわごとで聞かされたほうが、伯爵にはまだましだったのじゃないかな。と、こんな感想しかないから私は非モテ女子なんでしょうね。

  • トイアンナのぐだぐだ |【保存版】数千冊は読書した私が勧める、あなたの人生を変えるかもしれない30冊 つながり。外科室、のみ読了。衆人環視のもと、麻酔を拒否しても秘めておきたかった想い、最後の最後にメス持つ手を握りしめ、えぐらせ、そして、最後は...命日が一日違いということはそういうことだったのか。残された夫と娘にも想いを馳せてしまう。「そのときの二人が状、あたかも二人の身辺には、天なく、地なく、社会なく、全く人なきがごとくなりし」「語を寄す、天下の宗教家、渠ら二人は罪悪ありて、天に行くことを得ざるべきか」

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  • 泉鏡花の作品 読みにくくWEBの解説が無いと意味が理解できなかった。
    「高峰」医師が「貴船伯爵夫人」の手術を担当するが、
    夫人が秘密を抱えているので麻酔を拒否し、麻酔なしで手術を行う短編小説。奇跡のような出会いであるがハッピーエンドが好きな自分にとっては読み込みたくない作品。

  • 短い文章ながら、静かに深く想う気持ちが伝わる。

  • 明治の耽美なプラトニックラブ話。昔の外科(手術)室は家族もいるのに、そこで繰り広げられる2人だけの世界は一読の価値有。短いので。昔の文章なので読み慣れている人でないと少々読み辛い。

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著者プロフィール

1873(明治6)年〜1939(昭和14)年)、小説家。石川県金沢市下新町出身。
15歳のとき、尾崎紅葉『二人比丘尼色懺悔』に衝撃を受け、17歳で師事。
1893年、京都日出新聞にてデビュー作『冠弥左衛門』を連載。
1894年、父が逝去したことで経済的援助がなくなり、文筆一本で生計を立てる決意をし、『予備兵』『義血侠血』などを執筆。1895年に『夜行巡査』と『外科室』を発表。
脚気を患いながらも精力的に執筆を続け、小説『高野聖』(1900年)、『草迷宮』(1908年)、『由縁の女』(1919年)や戯曲『夜叉ヶ池』(1913年)、『天守物語』(1917年)など、数々の名作を残す。1939年9月、癌性肺腫瘍のため逝去。

「2023年 『処方秘箋  泉 鏡花 幻妖美譚傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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