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感想・レビュー・書評
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1894年 明治27年
親は既に亡く、山村家に奉公に出ているお峯。
父親代わりだった伯父が、病気と知り、見舞いのために暇乞い。ますます困窮しており、8歳の弟が、学校に行きながら、しじみ売りをして家計を助けていた。
高利貸しへの返済の為、奉公先に借金を依頼しようとするも、断られ、困り抜いたお峯は、大晦日に奉公先の金を黙って抜いてしまう。
その罪に自殺まで考える。
しかし、山村家の放蕩息子が、残った札束を全て持ち取り、彼女の罪と共に去っていく。
明治の貧困家庭に生まれた子女達の明日がないほどの苦しさ。真面目に生きても苦しさは、なくならない。
お峯は、償う事のなくなった罪に苦しむのか、案外、放蕩息子と恋に落ちるのも良し。 -
お峰の罪の意識のいじらしさよ、お峰の果報のゆゑはどこに?
ゴロツキの放蕩息子石之助のイキな計らひであらばぞをかし。
真祖は藪の中にこそありけれ。
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あまりに貧しいと真面目に暮らしていても、身内が病気をすれば、たちまちお金に窮します。金策のアテが外れたら、もう罪を犯すしかない。切ない。短編ですが、ラストの数行までハラハラさせます。でも、樋口一葉の文体が体言止めのせいか、読みづらいですね。
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読んだことあると思っていたのに結末が記憶と違ってた。
でも、この結末の方がいい。
文が難しいので、そのまま味わうには自分の教養が足りない。 -
熊澤南水
http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/shiryo/ichiyo.html
樋口一葉って、こういう人情系な話も書いてたんだ。
この人、自分も途中から貧しくなったのよ。
それまできちんと教育受けてたから、字もすごく上手かった。
この人、自分も途中から貧しくなったのよ。
それまできちんと教育受けてたから、字もすごく上手かった。