檸檬 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 若い頃、特に学生時代に読んでいたら強烈に共感したのかもしれない。
    その感受性と繊細さは、いまの私には失われている気がして。
    年齢を経ても読み取る力が衰えないように、みずみずしい気持ちを失わないようにしたい。

  • 電子辞書に名作朗読機能があって
    浪人中にこれを読んだ
    本当に檸檬で世界爆発しろよって思ってた

  • 梶井基次郎を初めて読んだ。
    病気がちで精神的にも繊細さを持つ主人公が、
    好きな八百屋、ふつうっぽい八百屋で檸檬が珍しく売っていたので買ってみたら、
    形や、香りや、色がすごく気に入って、ハイになったお話。

    なんかこう突然に、今まで当たり前にしていたものを新鮮な切り口で捉えなおして、おもしろいなと思ったりすることってあって、
    それは共感を得ないことも多いんだけど、自分にとっては大事だったり素敵な感覚だったりする。

    そんなことを描いてくれているのかな。

  • 短編だと思っていなかったので、短くてびっくりした。
    言葉が美しいです。檸檬の色が印象的に頭に残ります。

  • うーん、純文学。
    丸善の棚にレモンを置いたというだけの話なのだが。

  • 蚊帳の匂い、煙管に石鹸。
    蒲団の肌ざわり、掌の熱さ。
    花火の音、快速調(アレグッロ)の音楽。
    赤や紫、青の花火、びいどろ、おはじき、琥珀色や翡翠色の香水瓶、飾り窓の光と闇、そして、檸檬のレモンエロウ。
    びいどろの涼しい味、干し海老や湯葉―。

    とても短い作品なのに、あらゆる香り、肌ざわり、音、色、味が、弾けている。檸檬の鮮やかな色、齧った時のみずみずしさ、爽やかな酸味が身体に広がる。

    一行ごとに五感が刺激される。これぞ純文学の(私的)醍醐味!

    レビュー全文
    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-483.html

  • 樫井基次郎という作家自体を初めて知った。そういう事の多さよ。恥ずかしいなあ。
    檸檬という物質に対する気付きや喜びに満ちている。それは空っぽに成り行く自分だからこそ気付く事ができる喜びだと思う。
    感覚的な、時間の止まったような、何かを強く信じたくて手を伸ばしているような、とても興味深い世界を感じられた。
    もう信じられる暖かみのある物質は、檸檬しかないんだと、呼吸の原因を生きる意味を檸檬に求めてやるんだという意思を感じました。とても素敵。

  • びいどろという色硝子で鯛や花を打ち出してあるおはじきが好きになったし、南京玉が好きになった。またそれを嘗めてみるのが私にとってなんともいえない享楽だったのだ。あのびいどろの味ほど幽かな涼しい味があるものか。

    絶対ここじゃないとは思いながらも記憶に残った一節。
    “幽かな涼しい味”の表現が素敵。

  • 憂鬱なときでも、ささやかな楽しさから幸せを得られることに気づかせてくれる一作。

  • 本屋に積み上げた本の上でレモンが爆発する

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著者プロフィール

明治34年(1901年)大阪府生まれ。同人誌「青空」で活動するが、少年時代からの肺結核が悪化。初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、31歳の若さで郷里大阪にて逝去した。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『檸檬』(梶井基次郎+げみ)がある。

「2021年 『Kの昇天』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梶井基次郎の作品

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