恩讐の彼方に [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想 : 28
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (38ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 前読んだはずだけれどもほんと覚えてないな、、、
    内容は分かりやすくシンプル。だからドンデン返し的な感じはなく予想通りにストーリーは終始。
    良い意味での娯楽的小説と考えれば文句なし。この前に読んだ「形」と言い、この作家はあれなんですかね、道徳的志向がお強いんでしょうか?

  • 【読了メモ】長くはないけれど、読み応えがあった。さらさらと書かれているのが、余計恐ろしかった。今の大分県 山国川が舞台の、と或る僧の物語。

  • 魂を揺さぶる短編。人殺しの罪を償う為命を賭けて一つの業を成そうとする老僧と、その僧を仇とする若者。圧倒的な"自然"を前にした人間は、その恩讐の彼方に何を見るのか…美しいラストでした。

  • 罪を反省し、罪を償う事とはどうであるか考えさせられた

    刑務所に入れられるのは自分が受けること
    償う事は自ら行うこと

    これらは本当は別である事
    どうも刑期を終えたらそれで終わりとなっているようで
    そうすると再犯も可能性が高くなる

    償うという事は自分と向き合う大変な行為だと思う

  • .

  • 市九郎は妾を奪うために主人を殺害して逃亡、強盗殺人を繰り返す。
    ゲス過ぎてしょうがないが、猛省し仏門に入る。
    九州に渡り、通行の難所で何人もが命を落としている場所があり、そこでトンネルを掘ろうと決意する。
    犯した罪は消えないが償うため周囲の嘲笑を受けても止めない。
    次第にその懸命さに人々は心を動かされる。
    もちろん罪は犯すべきではない。
    罪を犯した人は更生できるのか、そして社会でも認められることができるのか、考えさせられる。

    主人の息子が仇討ちに来る。
    息子には大義名分がある。当然の報いだ。
    しかしラストは、ほぉぉっと感心させられ
    拍手したくなる。

    この物語に出てくる九州の手掘りトンネルは大分県中津市本耶馬渓町に実在する「青の洞門」がモデルらしい。手掘り…気の遠くなるような作業だっただろう。

  • 2020/1/15

  • これと言ったドラマティックな展開もなく、結末も大方予想できてしまうけれども、最後まで読んでしまう。

    洞窟を掘り続ける市九郎を日々観察する町民のように、私も市九郎を遠巻きに見る気分で読んでいました。

  • 読みやすい短編でありながら、人間味に富んでいる。罪を憎んで人を憎まず、という一言で片づけるのは少しもったいないような。実之助が良い青年になっていて非常に良かった。彼の将来が明るいことを願う

  • 主殺しの大罪を働いた男了海は、妾とともに旅に出る。人を殺して金を奪っていたが、あるとき改悛する。
    僧になり、罪の意識から死者の多い崖にトンネルを掘る作業を続ける。助けがきては引き上げが繰り返される。敵討ちに燃えた息子実之助が殺そうとするが、了海の姿勢にほだされる。最後は殺せと言ったが、殺す気はなくなってくる。

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著者プロフィール

菊池寛

一八八八年(明治二十一)香川県生まれ。本名・寛(ひろし)。第一高等学校を中退後、京都帝国大学英文科に入学。芥川龍之介、久米正雄らと第三次、第四次『新思潮』に参加。京大を卒業後、時事新報社に勤務するかたわら小説を発表、『無名作家の日記』『忠直卿行状記』『恩讐の彼方に』などで世評を得る。一九二〇年(大正九)に発表した『真珠夫人』が成功をおさめ、以後、約五十篇に及ぶ通俗小説を発表。その他の小説・戯曲に『父帰る』『藤十郎の恋』『蘭学事始』『入れ札』などがある。雑誌『文藝春秋』の創刊、文藝家協会の設立、芥川賞・直木賞の創設、映画事業への参画など、多方面に活躍した。一九四八年(昭和二十三)死去。

「2021年 『受難華』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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