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感想・レビュー・書評
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寛忌 1919年 大正8年
菊池寛を読むなら「恩讐の彼方に」のつもりでしたので、「本性」からの、仇討繋がりではないのですが。
江戸時代、主人の妾と密通した事から、手討されそうになったところを、思わず反撃してしまい主人を殺めてしまった男。妾と共に逃亡暮らし。美人局から追い剥ぎなど悪事を重ねて生活する。しかし、本来悪人では無かった男は、女に嫌気がさして、出家する。その後は、罪と向き合い、危険な峡谷に洞門を掘り上げる事で、人命を助けようと一人ノミを振い続ける。その苦行の様子は村人の心も揺さぶる。
殺した主人の息子は、十年もの間仇討ちを果たすため、諸国を巡っていた。遂に、見つけた仇は、懺悔の道をいく老僧となっていた。洞門の開通を見て仇討ちを果たすため、息子も、ノミを持ち、掘り進める。いよいよ、開通の光を見た時、共に喜び合う。
大分の青の洞門を開拓した禅海の話が元になっているようですが、仇討ち等は創作。そうすると、ほぼ創作になりそうです。
初読は、中学生だったと思う。その時は、懺悔の行為や、許す心情に感動したんだろうと思います。
今となっては、この主人公は、最初の主人殺害以外も、生活の為に旅人を殺しているところが、ひっかっかる。
苦役で償い、その洞門が、これから何人もの命を守るだろうということで納得いたします。 -
柚木麻子さんの『ついでにジェントルメン』に登場した菊池寛。
とても魅力溢れるキャラクターとして描かれており、菊池寛の作品を読んでみたいなぁと思っていたところで、おびさんのレビューを読みこの作品に決めました!
難しくて挫折しそう…と構えていましたが、おびさんのおっしゃるように真っ直ぐな話で読みやすかったです。
40頁弱と短い話のなかに物語の真髄がギュッと詰め込まれていました。
前半は、市九郎の話。
主君殺しの大罪を犯した市九郎。
次々と悪行を重ねる市九郎に同情の余地もない。
しかし市九郎にも良心が残っていた。
人々を救おうと僧侶となり、生涯をかけての難工事に邁進する。
生涯をかけても償いきれないほどの大罪。
はたして善行を積むことは罪を償うことになるのか。
後半は、実之助の話。
殺された主君の子である実之助。
仇討ちをすべく旅に出る。
そしてついに市九郎を洞窟で発見する。
しかし大切な人を殺した憎き相手は善人の僧侶となっていた。
さて復讐の機会がやってきたとき、実之助はどうするのか。
あのとき、市九郎は実之助に仇討ちされたかったのではないか。
罪を背負いながら生き続けることは苦しい。
楽になりたいと思った瞬間もあったに違いない。
決して赦されることがない罪。一生背負って生きていくという覚悟。
市九郎のことをなんて酷いヤツなんだと思っていたのに、後半にはもう勘弁してあげてと思わずにはいられなかった。
市九郎を受け入れた実之助も含めた二人の決断と覚悟。
罪、償い、復讐、赦し。
加害者と被害者という立場でありながら、それをも超越した境地。
人間の愚かさと偉大さとが見事に描かれていた。
この作品に出会えてよかった。-
2023/03/10
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おびさん♪
この本を教えていただきありがとうございました(*´˘`*)
時代は違えど人間の心を描いたお話って胸を打たれますね!
さすがにスラ...おびさん♪
この本を教えていただきありがとうございました(*´˘`*)
時代は違えど人間の心を描いたお話って胸を打たれますね!
さすがにスラスラは読めなかったですが( ˊᵕˋ ;)
また他の古典作品も教えてください~♪2023/03/11
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難しそうな文学作品を漫画で簡単に知るのではなく、原作を読もうかなとブクログで発言してしまった一冊。
さっそく青空文庫で読んでみた。
良かった…"読むよ読むよ詐欺"をせずに済んだ^^;
市九郎が自らの罪業において良心の呵責に苛まれる描写が見事であった。
また美濃国大垣にある浄願寺に辿り着き出家するのだが、寺の上人の言葉が良かった。
「重ね重ねの悪業を重ねた汝じゃから、〜(略)〜現在の報いを自ら受くるのも一法じゃが、それでは未来永劫、焦熱地獄の苦艱を受けておらねばならぬぞよ。それよりも、仏道に帰依し、〜(略)〜身命を捨てて人々を救うと共に、汝自身を救うのが肝心じゃ」。
人々を救う事で、己をも救う…なるほど。
関係ないかもしれないけど、「一日一善」という言葉を思い出す。
難しい言葉や四字熟語を知ったり、仏教の教えを考えたり、勉強になって良い読後感を持てた。
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なおなおさん、共読!嬉しいです。
おっしゃる通り、<良心の呵責に苛まれる描写>ですよね。
自分はそれにもまして、赦しとは何か?復讐心を凌駕す...なおなおさん、共読!嬉しいです。
おっしゃる通り、<良心の呵責に苛まれる描写>ですよね。
自分はそれにもまして、赦しとは何か?復讐心を凌駕する自戒、色んな意味合いを感じました。今の世界情勢、このような心が重要なのかもしれませんね。なおなおさんの感想、素直で心地よくて素晴らしいと思います!2022/05/25 -
ポプラ並木さん、こんばんは。
赦しとは何か、復讐心を凌駕する自戒…そうそう、私もそれを言いたい!私のレベルではこんな言葉は出てこない。
ポ...ポプラ並木さん、こんばんは。
赦しとは何か、復讐心を凌駕する自戒…そうそう、私もそれを言いたい!私のレベルではこんな言葉は出てこない。
ポプラ並木さん、ありがとうございます(^_^)2022/05/25
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ポプラ並木さん、こんばんは。
私も読んでみました。
きっかけは最近読んだあの漫画です。
感想書くのは私のレベルでは難しいので短めにしました...ポプラ並木さん、こんばんは。
私も読んでみました。
きっかけは最近読んだあの漫画です。
感想書くのは私のレベルでは難しいので短めにしましたが^^;2022/05/24
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中学生の時に少し触れたくらいで、何も知らずに大分の「青の洞門」に行った際に「ほんとにあったのか」と驚いた記憶がある。
ディティールもよく分かっていなかったので、今回読んでみてなるほどと思う部分も多かった。
知らない単語がたびたび出てきたので調べながら読んだけれど、文章は完結でリズム感もよく、情景も目に浮かびやすかった。
これくらい少し昔(明治から昭和初期)の名作と言われるものは、総じて文章が読みやすい傾向にあるのかもしれない。
ちょうど読んだ小説に菊池寛が登場して気になっていました!
仇討ちのお話なのですね。
中学生の頃と今とで感じることが違...
ちょうど読んだ小説に菊池寛が登場して気になっていました!
仇討ちのお話なのですね。
中学生の頃と今とで感じることが違うのもおもしろい発見ですね。
難しそうですが、挫折覚悟で読んでみようと思います( ¯ᵕ¯ )♪
最近、ひろさんも読むペース上がってますよね。
忙しいでしょうにね。
この小説は、真っ直ぐなストーリーだから、読めち...
最近、ひろさんも読むペース上がってますよね。
忙しいでしょうにね。
この小説は、真っ直ぐなストーリーだから、読めちゃいますよ。私も菊池寛は、父帰ると2作しか読んでないんです。
文学忌にその方の小説を読もう!個人的シリーズでした。
文学忌にその方の小説を読もう!シリーズ
いいですね~(*>ω<)b
ありがとうございま...
文学忌にその方の小説を読もう!シリーズ
いいですね~(*>ω<)b
ありがとうございます♪私でも読める気がしてきました!挑戦してみますね~!