夫婦善哉 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 読了日 2019/09/22
    織田作之助の小説二作目。
    大阪の人が大阪のお話を書くと言葉に違和感がないからいいなぁ等と思いつつ読了。
    言葉は概ねわかるが、出だしの「一本になった時の旦那をしくじった」の意味が取れなかった。どういう意味だ?調べること。


    ※文学的背景何も知らない 物語に関する感想※
    男、くそすぎる。さけ飲んでいい気になって散財したり、妹に金せびったり、駆け落ち相手(蝶子)に秘密で娘に会いに行くし…ようこれで生きていけたな。
    蝶子のほうも延々肥えていくし。苦労しているからカロリーばっかり高いもの食べて肥るのか。
    商売やっては失敗してやっては失敗して、うーん、その時代はそれでも生きていけたのだなあ、と、現代っ子からは驚きの連続。


    • hei5さん
      確かに、男、糞過ぎますなぁ。
      なぜ、糞なのに、遊び人を続けてゐられるのか?
      納得出来る描写が見当たらない。
      なので、私は作品そのものを、糞だ...
      確かに、男、糞過ぎますなぁ。
      なぜ、糞なのに、遊び人を続けてゐられるのか?
      納得出来る描写が見当たらない。
      なので、私は作品そのものを、糞だと信じてゐます。
      2023/12/18
  • 気がついたら読み終わっていた。どこまでも前向きに支え続ける蝶子がまぶしい。柳吉のとことんダメなマダオ加減も絶妙。剃刀屋や女中奉公に時代を感じたが、読みやすくて読んでいて楽しかった。最後の2人並んだ姿が目の裏から離れない。他の作品も読む。

  • NHKでドラマが始まったので読んでみた。70年以上も前の作品なのになんだかポップ。とてもいい。ドラマもそのポップさをしっかり再現してる。
    だめボンボンの柳吉は食い道楽で、大阪のうまいもんを食べ歩く。題名の「夫婦善哉」も法善寺にあるお店のぜんざいのこと。ぜんざいというのは関東で言うところのお汁粉。ちなみに関東のぜんざいは関西では亀山と言う。ちょっとややこしい。
    ほかにもいろいろなお店が出てくるが、今でも残っているお店も幾つかある。ぼくが行ったことのあるのは、難波の自由軒と日本橋のたこ梅。どちらも情緒があるしとてもうまい。お昼は自由軒のライスカレー、夜はたこ梅で関東煮とたこの甘露煮(もちろんお酒と一緒に)ってのは結構いいルートだと思う。

  • ダメ男に惚れたバカな女の物語。
    このての話は現実・小説問わずたくさんあるけど、蝶子の一途さは類をみないと思う。
    なんで蝶子があそこまで尽くすのか、ダメ男の魅力ってなんだろう。私には不思議でしょうがない。

    • hei5さん
      なんで、あそこまで尽くすのか。納得できる説明なり描写がない。
      なので、私はこれを「クソな小説」と信じています。
      なぜ織田作は、こんなモノを出...
      なんで、あそこまで尽くすのか。納得できる説明なり描写がない。
      なので、私はこれを「クソな小説」と信じています。
      なぜ織田作は、こんなモノを出世作に成し得たのか。
      サッパリ理解できんのですわ。
      2023/12/18
  • 太宰治と同じ「無頼派」だけど、織田作之助には太宰のようなナルシズムはあまり感じなかった。読み終えると、柳吉に惚れていく蝶子に「理屈じゃないんよ」と言われた気分。会話文だけでなく地の文も関西弁のイントネーションで読める。大阪の街が登場するのはなんだか嬉しい。今年の夏に連ドラ化するらしく、蝶子は尾野真千子だそうです。

  • 昔からいたのか、ダメンズ好きな女。わたしがいてあげないととか母性出しちゃうんだよねー。しかし、たくましい女性だったな。あの人ならもっといい男がいたと思うんだけど、なんであの男が良かったんだか。でも、添い遂げそうな気はする。

  • 坂口安吾、太宰治と並び、「無頼派」として知られる織田作之助の代表作。
    坂口のような表現のうまさや鋭さ、あるいは太宰のような情景や心情の描写のうまさは感じなかったが、人情噺として良いなあという感じ。

  • 蝶子の異常なまでの忍耐力があってはじめて成り立つ物語だと思う。今の時代に柳吉のような旦那がいたら、即座にSNSに晒し上げられて炎上するだろう。
    時代によって夫婦の在り方も変わってくるが、"古い大人"が言うような「今の若い子たちは忍耐力がない」という偏見にも似た意見を真っ向から否定できる気もしない。
    蝶子ほどの忍耐力を持つべきとはおもわないが、夫婦は所詮他人同士であり、嫁や夫を完全に理解することはできないということを念頭に置き、相手のことをひとつずつ知る努力をしてやがて本当の夫婦になっていくものなのかもしれないと感じた。

  • 坂口安吾、太宰治らと共に無頼派と呼ばれる一派の一人、織田作の代表作ということで期待して読んだのだが、はっきり言って期待外れだった。
    他の皆さんが「話のテンポがいい」と書いてるけど、私には 描写が薄っぺらく、たゞたゞ「 あーなってこうなってそうなって……」と書き連ねてるだけで、微妙な心の襞を捉える巧みの一切なく、「下手くそな作文」との感が否めない。
    加えて、私は大阪出身で、大阪弁は完全に理解できるし「南の安物の店」とか「飛田界隈の人の柄の悪さ」などの描写も含め、地名やその距離感等、すんなり理解できるが、それでも「雑然とした整理の行き届いてない話」の感強し。大阪の土地勘にも関西弁にも不案内な人なら、さぞ分かりにくいんやなかろうか。
    あと一つ二つ代表作を読んでみて、面白いと思えなければ、織田作之助には見切りを付ける。

  • ふむ、いかにも昭和で映像化されてそうな感じですな。
    映像が喚起されやすいという意味でよく書けた小説かなとは思いますが、そもそも面白いのか?と言われると微妙な感じが。
    俳優のやりとりの妙が良いんだろうな。。。という印象が当方の中で際立っておりまする。

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著者プロフィール

一九一三(大正二)年、大阪生まれ。小説家。主な作品に小説「夫婦善哉」「世相」「土曜夫人」、評論「可能性の文学」などのほか、『織田作之助全集』がある。一九四七(昭和二二)年没。

「2021年 『王将・坂田三吉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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