黒猫 [Kindle]

  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 全てがラストのために書かれているような印象。収縮していく恐怖は純度の高い良い物であるかなと。

  • 結局男は何故あれ程までに憑かれてしまったんでしょうかね?黒猫を介した悪意だけとも思えず、かと言って単に気がふれてしまっただけとも思えない。でも何となく誰にでも潜んでいるような志向と思えなくもない。
    良い意味で、後味の悪い小品であるかと思われます。

  •  初めて読みました、ポーの作品。
     名前は江戸川乱歩がペンネームの参考にしたということで知っていましたが、作品は読んだことがありませんでした。
     元々海外モノの推理小説はシャーロックホームズしか読んだことがありませんでした。
     推理小説というよりも、犯人の独白を綴った内容でした。
     ミステリーにつきものの謎は存在せず、展開を楽しみに読む感じでしょうか。とても有名な物語ですね。
     読んでいる途中でオチがわかり、有名なのでどこかで聞いたことがあったのか、「あ、この話だったのか!」と思いました。この発想がポーのすごいところなんだと感じました。

     <以下引用>
     この恐ろしい殺人をやってしまうと、私はすぐに、きわめて慎重に、死体を隠す仕事に取りかかった。

     これって普通のこと、感情の流れでもあるのかなと思いました。罪悪感と同じくらいだまってたら、バレなければ、そんな負の気持ちがあるんじゃないかなと思いました。
     私はそんな人間の気持ちが怖く思うし、普通のようにも思えました。

  • 小作品。ですが怖さは十分に堪能できました。

  • 当たり前だけど名作って面白いですね
    アル中は身を滅ぼす…
    一幕もののオペラのような疾走感があるなって思った

  • あのいまわしい獣

  • 【黒猫を題材としたちょっとしたホラー小説】
    黒猫と酒に溺れた男性のお話。

    サクサク読めて、15分もあれば読み終わる。とはいえ、中身は別に深いものではなく、なぜこれが有名なのかはおそらく時代背景などを理解しないとわからないだろう。

    ポーは、英米ではまったく評価されず、フランスにおいてとくに象徴派の文学者たちに高く評価され、フランス19世紀末の美意識に多大な影響を及ぼすことになったとWikiには書いてある。

    19世紀の美意識とやらがどういうものかわからないと、この作品の奥深さや凄さを理解するのは到底不可能のように思える。

  • 妻を愛し、動物を愛した男が、酒乱という悪鬼のため、暴力的になり身の破滅を迎えるさまが猟奇的にかかれている。

    知り合いが黒猫を飼っている。見ると思い出してしまいそう。

  • これは歴史的価値のみの作品だろう。
    発表当時に斬新なスタイルとして注目されたであろうことが予想される。
    通常、新しいスタイルの誕生の時空には多大なるエネルギー放出の痕跡が見出せるものだが(人間の予想や妄想や感覚と呼ばれる機能からそこにアクセスできてもおかしくないものだが)、この話からはそれを全く見出すことができず、みどころがまったくない。
    つまり、作者は神を拒否した例の者であろう。
    みどころがないものの、追い込み漁のごとく、この作者がまったくもって神に見放されている(神を見放している)が故に私に神が寄るという利点だけはある訳だが、それもやはり神に見放されているだけあって、すでに理解している神のシステムを再度確認した程度の、大した利点とも感じられない利点に過ぎないとなり、この辺りからも作者の生まれ方の哀れさがにじみ出る。

    ただ結果としてでも、挿絵のビアズリーの悪魔主義が目指しているものを理解する手がかりを得ることができたのはありがたいことである。

    2018年7月25日追記
    知人に前頭前野の使い方を教える教材としてこの話を例にあげたところ(この著者が前頭前野だけを使って書く芸風であるため)、「脳のこれまで使ったことがない部分が反応している!」と大ウケした。未知の体験として感じられたらしい。人間が単なる脳の仕様に評価を与えたり意味づけをしたりしてしまうこと、読書をしても絵画を見ても実際にはその意味するところがわからない理由、を体感をもって学習したようだ。

    大脳辺縁系の元に下ることを悟りの境地と呼ぶ、というような意味の話をどこかで聞いたことがある。
    だとしたら、大脳辺縁系を神あるいは絶対性、前頭前野を仏(縁起、言語)あるいは相対性、と考えるのも一つの方法かもしれない。

  • 『告げ口心臓』→『黒猫』→『ウィリアム・ウィルソン』→『天邪鬼』と読んできて、色々考えた結果、下のように落ち着いた。

    ■4作品とも本能的自分(語り手)と社会的自分(良心)の分裂・葛藤を描く。
    ■唯一のハッピーエンドは和解(統合)だけど、天邪鬼システムが適用されるので影(自分に悪影響を及ぼす方)の勝利しかありえない。バッドエンドしか無い。
    ■ということは、最後語り手を自白に突き動かす「良心」も、この時「影」に変身している。
    ■語り手も良心もどちらも「自分」だが、人は一方に「良い」と札を貼る。だがそいつもまた悪魔に変貌し、自分を破壊し、物語は終わる。その皮肉と、劇的効果、衝撃。それがこれらの作品の核だと感じる。

    経緯はブログに。
    『告げ口心臓』
    http://haiiro-canvas.blogspot.com/2015/10/4.html
    『黒猫』
    http://haiiro-canvas.blogspot.com/2015/10/blog-post_15.html
    『ウィリアム・ウィルソン』『天邪鬼』
    http://haiiro-canvas.blogspot.com/2015/10/253.html

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