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感想・レビュー・書評
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黒猫の復讐。なかなか良い出来のホラーである。
しかし、まぁ、この人は途中で贖罪の道を選ばなかったのかね。
それが痛む。
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おなじみ、エドガー・アラン・ポーの「黒猫」を青空文庫で読み返してみる。
この話、自分的には古今東西怖い話のベスト3の1つと思っていたのだが、結構細部を忘れていた。
黒い猫の視線がどこまでもどこまでも追ってくるような怪奇譚である。
短く、緊迫した構成。語り手の男が破滅に向かっているのがひたひたと感じられ、それはなぜか、徐々に明かされていく手腕が鮮やかである。
男は生来、優しく動物好きな性格であったのに、酒で身を持ち崩す。飼っていた動物を次々に冷たくあしらうようになり、一番かわいがっていた黒猫のプルートォの片眼をえぐるという怖ろしい所業に及ぶ。やがて猫の傷は癒えるが、プルートォは男をひどく恐れるようになる。それを見て男の憎悪は募る。かろうじて残っていた理性をかなぐり捨てさせたのは、男に宿る「天邪鬼(PERVERSENESS)」の気質だった。
人が持つ、
悪のためにのみ悪をしようとする(to do wrong for the wrong’s sake only)
原始的な衝動に駆られ、男は遂に、猫をくびり殺してしまう。
ここから男は転落の一途を辿る。
プルートォとは冥府の神の名でもある。
男の中に呼び覚まされた衝動は、あるいは、悪魔の囁きによるものだっただろうか。
どこまでも男を許さず追いかけてくる漆黒の獣。
闇に光る眼は、人の内なる悪をひたと見据える。 -
酒に溺れ、何かに憑かれ、暗闇に落ちていく主人公。
黒猫に虐待を加える描写が狂気に満ちていて読ませる。
壁の中から鳴き声を発したのは何かの怨念だろうか。何も説明がないけど、最後のその数行で恐怖のどん底に叩き落とされる気分です。 -
「人間は誰しも最善の判断に逆らってまでも悪を実行しようと切望する傾向を持っている」
これが主人公の主張だ。これにより、主人公はペットを虐待し、愛猫を殺し、そして妻まで手にかけてしまう。さらに殺人を隠そうと画策する。
このようになったのは酒のせいだと主人公は言う。
自分は悪くない、悪いのは猫だ、妻だ、酒だ。自己陶酔し、見事なまでの論理で自己を正当化している。
***************
なんと弱い。。。弱い人間なんだ。
天邪鬼なんかに負けてどうする!
酒のせいになんかするな。
周りのせいにするな。自分で責任をとれ。
人間には智慧があり、理性があるじゃないか。
天邪鬼になんかに負けてどうするというのだ。
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そんなに長い話でもないのに背筋がぞっとする感じをしっかり描き切っている
話だった。 -
これもパクられ、オマージュされ、今やペンペン草の一本もないというカテゴリなんだけど、やっぱりエスタブリッシュに対しては敬意を払うべきであり、本書には何の罪もないのです。
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本当に怖い。「黒猫」が怖いというイメージは、この本によって植え付けられたのでしょう。しかし最も恐ろしいのは人間です。アルコールに溺れた挙句、動物への虐待を繰り返す語り手です。猫のプルートォはそんな人間に罰として、「死」以上に恐ろしい「恐怖」という極刑を与えたのです。
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