- Amazon.co.jp ・ゲーム (12ページ)
感想・レビュー・書評
-
「人々は、もはや、書きとめておかなければ、何一つ憶えることが出来ない。文字が普及して、人々の頭は、もはや、働かなくなったのである。」
「武の国アッシリヤは、今や、見えざる文字の精霊のために、全く蝕まれてしまった。」
書物による圧死という最期といい、このはなしは考えれば考えるほど深みにはまって、まさに文字の精霊の思うつぼ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『文字渦』を読む前に読んでみた。『山月記』とは全然趣向が違うと思ったが、調べてみるとこの2作は『古譚』という名で同時に公開されたのだとか。「書かれなかった事は、無かった事じゃ」という言葉が、最近観た「serial experiments lain」にも繋がるところがあり感慨深かった。
-
ストーリー性があり、何も考えずに読んでも面白い。しかしながら、権力と文字の関係性など考察して読むとさらに作品に深みが出る。
-
ゲシュタルト崩壊の話。
文字の精霊のせいで、この現象が起こるのでは?と研究した博士。ラストは(笑うところじゃないんですが、)ちょっと笑ってしまいました。
こういった中島敦の独特な世界観が個人的にとても好みです。
文字にならなかった歴史は歴史じゃない、という博士の持論はちょっと悲しいよなぁと思いました。 -
円城塔の『文字渦』には関心があったが、中島敦に
『文字禍』という作品があるのは知らなかった。私は平井和正のファンで、言霊という考え方には強い関心があり、『文字禍』は短い作品を単品で読める青空文庫で読んだ。言葉を口にすると人に影響を与えるというが、『文字禍』では更にはその人の肉体にまで影響を与えるという話などが出てきて、面白く読めた。中島敦の『狐憑』は今度は文字を持たない部族の話らしいので、そのうち読んでみたい。 -
人間は自分本位な考えにとらわれて真理に辿り着けないという悲喜劇