ごん狐 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 「ご~んッ」思わず叫びそうになりました。

    先程読み終えた「赤とんぼ」(乙女の本棚シリーズ)の著者が新美南吉さんだと知り、「ごんぎつね」を読みたくなりなおなおさんのおかげで使えるようになった図書館で早速探してみました♪

    懐かしいなぁーって思いながらも、こんな深い話だったんだーって思いながら今これを書いています。

    <要訳>
    山の森に住むごんぎつねは、村人の兵十が捕まえた魚やうなぎを逃がしてしまいます。兵十の母が亡くなったことを知り、後悔したごんは、毎日食べ物を届けるようになります。しかし兵十はごんをいたずら者と思い込み、火縄銃で撃ってしまいます。ごんが食べ物を届けてくれていたことに気付いた兵十は、悲しみに暮れます。


    昭和初期の児童文学作家である新美南吉の童話。初出は「赤い鳥」[鈴木三重吉主宰、1932(昭和7)年]。初刊は南吉の死の直後に刊行された第三童話集「花のき村と盗人たち」[帝国教育出版部、1943(昭和18)年]。小学校国語科教材として現在でも多く使用されている、代表的な作品。貧しい村人「兵十」といたずら好きの狐「ごん」とのふれあい、そして行き違いによって生まれる深い悲しみが、民話風に描かれる良作。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    新美/南吉
    1913年~1943年。愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。東京外国語学校(現・東京外国語大学)卒業。半田中学校(現・県立半田高等学校)在学中から童話をかきはじめ、雑誌『赤い鳥』に投稿、「正坊とクロ」「ごん狐」などで、鈴木三重吉にみいだされる。その後、数々の童話、童謡、詩、小説を創作し、発表しつづけたが30歳を前に病死する

    遠藤/てるよ
    1929年東京に生まれる。日本児童出版美術家連盟会員。独特の抒情世界をきりひらいた作品をたくさん発表している。1961年の絵本『ミドリがひろったふしぎなかさ』(童心社)で講談社出版文化賞、1991年『ぶな森のキツネ』(童心社)で絵本にっぽん大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、jp_oversized_book版に関連付けられています。

    内容(「BOOK」データベースより)

    いたずら小狐「ごん」村人の心によりそいたくてひとの世界にちかづきますが…。 --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。

    内容(「MARC」データベースより)

    いたずら好きのごんぎつね。ある日兵十からうなぎを一匹失敬するが、兵十の母親が死んだことを知り、毎日いわしやきのこを兵十の家に置いていった。兵十は不思議に思うが、ある日くりを持ってきたごんを見かけ、鉄砲をとる。
    --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。

    著者について

    【新美南吉】 1913年~1943年。愛知県生まれ。雑誌『赤い鳥』に「ごん狐」を初め多くの童謡・童話を発表。他に少年小説、民話的メルヘン等優れた創作活動を展開したが、二十九歳で早逝。 --このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。

    • かなさん
      ヒボさん、おはようございます!
      私、「ごん狐」はいつか読もうと思ってます(*^-^*)
      って、いうか、「ごん狐」には思い入れがあって、
      ...
      ヒボさん、おはようございます!
      私、「ごん狐」はいつか読もうと思ってます(*^-^*)
      って、いうか、「ごん狐」には思い入れがあって、
      小学生の頃の淡い思い出なんですけど、ね!
      あ…これ、私がいつか「ごん狐」を読めたときに
      レビューと一緒に投稿したいので…
      でも、だから…
      「ごん狐」は好きで、
      いつか読むつもりですって言いたかったんです(^-^;)
      2023/08/12
    • ヒボさん
      〇〇年ぶりに読んだんだろ^^;
      これも乙女の本棚のおかげです♪
      今読むとなかなかこれが...
      子供時代には感じなかった感情がね^^;

      子供...
      〇〇年ぶりに読んだんだろ^^;
      これも乙女の本棚のおかげです♪
      今読むとなかなかこれが...
      子供時代には感じなかった感情がね^^;

      子供時代の思い出って大切ですよね。

      自然と手にするタイミングが来ますよ☆
      その時のレビュー、楽しみにしてますね。
      2023/08/12
  • 考えさせられる話。

    ラストは、
    兵十「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
    頷くだけのごん…
    ごんの贖罪に気づいたけれど時すでに遅し。
    ごんを撃った兵十も今後、苦悩を抱え生きることになるのだろう。
    ごんは最初どうすべきだったのか。いたずら(罪)を認め素直に謝る、とか。後で誤解を解くのは難しくなる。

    他の解釈を求め、ネットで色々と検索して、はっと気付かされたのは、
    「なぜこのような悲劇が起こってしまったのか?」と考える読み方。
    実際の社会でもありうることでは?という問いかけもあった。
    人間相互の関係の中で起こる差別、コミュニケーションの欠如、孤独など。
    奥深い話なんだなぁ〜。国語や社会の授業を受けたようで、勉強になった。

    5/29追記
    参考にしたサイトは「国語授業の研究ノート」

    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、こんにちは。自分は罪悪感が今回のテーマかと思っていました。

      人間相互の関係の中で起こる差別、コミュニケーションの欠如、孤独な...
      なおなおさん、こんにちは。自分は罪悪感が今回のテーマかと思っていました。

      人間相互の関係の中で起こる差別、コミュニケーションの欠如、孤独など。

      なるほど~ なお直さんの考えは深いね。コミュニケーションがないと孤独になり、相手を知らないでいると差別につもながるかもね!
      2022/05/31
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。
      私は一度読んだだけでは理解できなくて。
      皆さんのレビューや、他のサイトの解釈を参考にして、...
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。
      私は一度読んだだけでは理解できなくて。
      皆さんのレビューや、他のサイトの解釈を参考にして、「はぁ…そういうことなんだ。なるほどね」とやっと理解できるレベルなんです^^;
      2022/05/31
  • 導入は『小さい頃に聞いた話』という部分から始まる。
    優しさが住むのは寂しさと寂しさの間か。
    まさに孤独。

    以下、ネタバレ有り。(備忘録)
    いたずら好きのごん狐が、兵十の獲物をバラして逃げたが、それが死に際の母親へのごちそうと分かり、反省する。一人になった兵十に同情し、共感を抱いたごん狐は、毎日密かに食料を運んだ。
    それが、ごん狐の出来るせめてもの償いであった。

    しかし、罪を償うこと、それが許されることには成らず......

    毎日の食料を運んでいたのが、あの憎き狐だったとは。
    兵十の心境や如何に。

    読了。

  • 先週読んだ「手袋を買いに」。読友さんが「ごんぎつね」も読んでいて、今週の青空文庫の課題本とした。ごん(独り身の子ぎつね)はいたずら好きで、兵十の採った魚をぶちまけ、ウナギも咥えて逃げてしまう。数日後、兵十の母親の葬式に出くわす。もしかしたら兵十の母親は「ウナギを食べたい!」と言いながら死んでいったかもしれないことを気付く。その後、ごんは兵十の家に栗を毎日置きに行く。ある日、兵十がごんを火縄銃で撃ち殺す。ラストは兵十がごんへの罪悪感。この話しは終始「罪悪感」を抱くお話しだったと思う。神はいなかった・・・④

  • 新美南吉(1913-1943)の代表作の1つ。
    国語教科書の定番である。

    物語は「村のおじいさんから聞いた」という体裁である。まだお殿様のいたころというから、舞台は江戸の終盤頃だろうか。
    村の近くの山の中に、1匹のきつねが住んでいる。名前は「ごん」。ひとりぼっちの小ぎつねである。ごんは時々村に出てきてはいたずらをする。村人からすれば困りものである。
    ある時、ごんは村の兵十が魚を取っているところを見つける。ごんはいたずらして、兵十が取ってびくに入れた魚を次々と逃がしてしまう。最後のうなぎと奮闘しているところを兵十に見つかり、ごんは這う這うの体で逃げる。
    それからしばらくして、ごんは村でおとむらいがあるのを知る。ひがん花の咲く中、野辺の送りを見守って、ごんはそれが兵十のおっ母であったのを知る。
    ああ、あのうなぎは兵十がおっ母に食べさせようとしたものだったのか。
    そして、あんないたずらをしなければよかった、と後悔するのだ。

    ひとりぼっちの小ぎつね。ひとりぼっちになった兵十。
    ごんは兵十にせっせと栗やキノコを運んでやるようになる。
    同情とも友情ともつかない、どこか不器用なその思いは、兵十に届くようで届かない。
    そして最後にもう1つ、取り返しのつかない悲劇が起こる。

    悲しいお話である。やるせないお話である。
    この後、兵十はどうしたろう。
    土手に、赤いひがん花がゆれる。


    *よく知られているのは「ごんぎつね」の表記の方だと思いますが、青空文庫(初出は「赤い鳥」、底本は岩波文庫版)では「狐」の表記になっています。常用漢字ではないため、教科書では「きつね」の表記に変更されて、そちらが広まったものでしょうかね。南吉の草稿では「権狐」だったようです。

  • こんな結末だったなんて…
    まだ幼い小狐のごんは、一人ぼっちの寂しさを知っていたのだと思う。
    同じ境遇となってしまった兵十に元気を出して欲しかった。
    でも、まだ幼いごんは、悪戯をしてしまった事と、怪我をさせてしまったという負い目で、直接謝ることもできず、黙って隠れてそっと不器用な優しさを送ることしかできなかった。
    兵十も、その優しさである贈物に、誰からのものなのか、真剣に確認もせず、ただ感受するだけだった。
    ずっとごんは兵十に謝って、そして、ちゃんと友達になりたかったのかもしれない。最後のセリフに、小さく頷く表現は、兵十を恨んでいるとは到底思えなかった。
    お互いがもう少しうまく歩み寄れていたら…そうすればまた違ったのだろうか…
    あまりにも…やるせないです…

  • 1. 良かれと思って人のためにやったことが、思いの外その人を苦しめてしまうこともある。

    2. 同時に、相手の善意に気づかずに、その行いを悪意のある行為と思い込んでしまうこともある。

    3. この気持ちのすれ違いはお互いにとって不都合な結果を生み出すものだ。

    4. それを防ぐには、お互いに話し合い、誤解の無きよう物事を進めていくことに尽きるのではないだろうか。

  • うーん、悲しい。。。
    子供の頃読んだ作品は、大人になってから読み返すと全く違った印象に映ることがある。だからこそ、いくつになっても読む価値があるのだろう。
    それにしても、こんなに悲しい終わりだったのか、と思うくらい胸が締め付けられた。
    子供の頃の私はどう感じていたのだろう。子供だった私と、大人になった私は話をしてみたい。

  • 2022-4【Kindle】

    小学生の頃ぶりに読んだ。
    ごんを通して“過ち”、“つぐない”、“つぐないを認めて欲しいと思う気持ち”、そして、“過ちを悔やむ気持ちを表しても気づかれなかったり、赦されない場合もある”ということを思い知らされる。
    子供の頃は、(ごんかわいそうだな)とか(最期にきづいてもらえてよかった)と思っていたんだろうけど、大人になるとハッとさせられるような、そんなお話でした。

  • 青空朗読より。

    この物語は教科書に載っていて、よく「彼らはどうすれば良かったか?」みたいな教訓話のモデルになったりしているらしい。
    自分も最初はそういった感想を考えていたけど、ちょっと考えて止めた。

    物語は「青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。」で唐突な終わりを迎える。作者が読者に望むのは「こうすれば良かったのに」という教訓ではなく、兵十が犯してしまった行動の直後から先を読者に想像してほしかったんじゃないか、と考えた。

    だから、「この後、兵十はどう生きるべきか?」というテーマに変更した。こちらの方がより重く、大人向けではある。けど、修復の効かない失敗を犯したときにどう乗り越えるかの方が100倍大事だと思う。

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著者プロフィール

1913年、愛知県知多郡半田町(現・半田市)に生まれる。中学時代から童話を書き始め、『赤い鳥』『チチノキ』などに投稿。東京外国語学校在学中に病を得、20代後半の5年間は安城高等女学校(現・県立安城高等学校)で教師をしながら創作活動を続けた。1943年、29歳の生涯を終える。代表作に「ごんぎつね」「おじいさんのランプ」「手袋を買いに」「でんでんむしの悲しみ」を始めとして、多くの童話・小説・詩などの作品を残す。

「2019年 『子どものすきな神さま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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