野菊の墓 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (36ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 青空文庫にて読了。

    とても綺麗な風景描写や冒頭からの2人の関係を微笑ましく思いながら読み進めていたが、途中で題名に気づいてからは、切なくて胸が痛み続けた。
    たった2歳の差がこんなにも苦しい時代があったのだと驚く。

    古い作品ながら、その古さをあまり感じさせない、普遍的で純粋な恋愛小説だった。

  • 千葉の風景や季節ごとの風習、結婚についての考え方は時代を感じますが、民さんとの関係や主人公の心境には時代を感じず、そのまま感情輸入できます。
    もどかしくも幸せな時間の描写が上手く、読み終えて悲しくもあり楽しくもありと表現された心境がよくわかります。

  • 地元千葉が舞台の話。
    昔は松戸から上野が見えたんですねぇ。

    時代に翻弄され、結ばれることなく永遠に別れてしまった少年と少女の話。
    こう書くと悲しい話のようなんですが、語り口が爽やかで、切ない中にも清々しさやみずみずしさを感じます。
    互いに思い合っている政夫と民子ですが、何せ年が若く、昔のことなので直接好きだのなんだのとは言わない。
    民子のことを「野菊のようだ」と例え、その野菊を「大好きだ」という政夫。
    読んでいるこっちがハッとしてしまうような清らかなやり取りで互いの心を確かめ合うだけ。

    会うチャンスはありながらもすれ違い、民子は他の人に嫁ぎ、結局政夫と会えないまま亡くなる。
    民子の墓に野菊を植えるラストシーンは悲しいながらも素敵で、本当に素晴らしかったです。

  • 民さんは野菊のようなひとだ」あまりにも有名なので、ちゃんと読んだことがなかった。ところでたみさんはどうして亡くなったんだっけ?と思って読んだ。哀しいお話だけど、ラストは読んでいて腹が立ってならない。まぁ明治期だから仕方ないかもしれないけど、亡くなってからあんなに謝ったってしょうがないものを。自然描写が美しくてきれいな空気に触れたような気持ちになる。思っていたよりも、たみさんは明るくてかわいい女の子だった。

  • Kindle無料版。
    171006読了。

  • 若さ故に、気恥ずかしさや不安が勝り、あと一歩が踏み出せない。二人の切ない関係と、瑞瑞しい風景描写が綺麗。
    誰も悪意があった訳ではなかったのが余計悲しい。

  • 表現が瑞々しく、松戸市川の情景が美しく再生される。民子には男性の理想を詰め込みすぎだが、リアルな女性にしてしまうよりその方が作品にあっている。15歳の男の子と17歳の少女。今と年齢感も価値観も違うけれど、想う人があり、さらにその人から想われるという幸福を知ってしまいながら、別の人へ嫁いで妊娠させられる…母親同然に慕っていた人から憎まれ疎まれてしまう…とうとうたった一人の想い人とは死に目にも合わせてもらえない…余りにも辛い。政夫が民子を野菊のようだと表現し、君のためならなんでもできると手紙を書いた。民子は何も言葉にはしなかった。しかし十分に伝えることができた。愛してる好きだと軽々しく口にすることがない時代だからこその表現が切なく、もどかしく、とても美しいと感じた。

  • 年上の幼馴染との「恋」ともいえぬくらい淡くて幼い「恋」のお話。

    二人がゆっくりと大人になっていくのを、じっくりと見守っていきたい気持ちになったが、周りの大人が放っておいてくれない。二人が男女の間になることを恐れてさえいるような気になる。

    それは、二人を温かく見守ってくれていた母も同じ。
    二人があまりにも仲がいいのを見て、少年を中学へ、少女を嫁にやって引き離してしまう。

    そして身ごもった少女は産後の肥立ちが悪く、彼岸へ旅立っていく。

    二人の悲恋がひたすらに悲しくて美しい。
    この時代望まぬ結婚をすることは珍しくはなかったのだろうけど、こんな風に悲しい思いをする少女たちも沢山いたんだろう。

    彼女の墓で揺れる野菊が目に浮かぶ。

  • お母さんが卑怯者であるように感じた。

  • 数十年の月日が流れた後でも、思い出す恋は絶対にあると思う。作者が言うように、遠い日の記憶を弄ぶことはきっと「悲しくもあり、楽しくもあり」。

    野菊が咲き誇る田舎の風景と小さな墓石が、ふわっと脳裏に浮かぶような、綺麗な文章でした。布団の下に隠れていた掌から手紙が出てきたところ、思わず涙がぽろっと…なってしまいました。やられた。

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