こころ [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (378ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 奥さんはどうなる? 共感できない

  • 主人公や先生のこころのありようが細かいところまで表現されていて、感情移入がしやすい内容であった。義父に裏切られた先生が、今度は自分がkを裏切ってしまったという過去を背負い生き続け、とうとうそれに耐えることができずに自分も自殺という道を選んだ。先生は、妻を最後まで愛し、誰よりも信用していた。しかし、そこまで信用していた妻にさえ、過去の自分をうちあけることができなかった。それほどkの死は先生の心に大きな傷となったことがわかる。kが遺書に、もっと早く死んでおけばよかったと書いていたことから、助けようとしていたkをさらに苦しめる結果となってしまった。ただ、きちんと言葉で示す、ひとを信じることが最後までできなかったことがこのような悲劇を招いてしまった。親戚に裏切られ、それは先生にとって不幸なことであったが、こころのもろくなった先生は、その行動からkを自殺に追い込み、最後は自分が自殺することで最愛の妻も不幸にさせてしまうことになる。過去をぬぐいきれないことに対する自分へのいらだちと、人の気持ちを知っていながら、人を傷つけても自分のおもうままに行動した。これらの出来事が、先生を暗い闇にいて人間に対しては疑心を抱く原因であるが、最後は、自分さえも信じる事ができなくなってしまった。せめて、愛する妻にさえ対してこころを打ち明ける事ができていたならば、先生は違った人生を歩む事ができていたのかもしれない

  • 人間誰しも持っている暗い部分が淡々と描かれている。

    三十路を過ぎて、日本の文学作品に少しは触れてみようかと思い手にとりました。内容や文体は、わりと読みやすい方じゃないかなと思います。

    「私は金に対して人類を疑ったけれども、愛に対しては、まだ人類を疑っていなかったのです」

    こう言っていた先生が、その後どうなるのか。どうして妻にも打ち明けることができなかった事を、私に打ち明けたのか。
    何度か読み返したい一冊となりました。

  • しんどい。悲しい。
    自分自身が持つ醜い部分、弱い部分を見せつけられる。

    自分の意思とは違うのが「こころ」だろうか。
    自分と深く向き合うほどに、
    自殺したくなってくるのが人の「こころ」だろうか。

    残される側の「こころ」を支配するのが自殺。
    先生を思うと、悲しい。
    Kの両親を思うと、悲しい。
    「私」を思うと、悲しい。
    先生の奥さんを思うと、悲しすぎるよな・・・

  • やはり漱石は素晴らしい、とかいう感想を書かないと駄目なんですかね。

  • 先生も“私”も「純粋」に思える。なぜそこまで思い詰めることができるのだろうと思う。自分が妥協に満ちて生きているから余計にそう思うのかも。
    先に読んだ坊ちゃんとは全く違う文体(?)で、後半の先生の手紙には引き込まれて一気に読んでしまった。明治の文学が現在まで読み継がれるのはやはり筆力が違うと言うことか・・・。
    しかし救いのない結末なので、読むときの心理状態によっては滅入ってしまいそう。

  • ただただ苦しい。
    登場人物全員が真面目で純粋。
    そんなこころじゃ生きるの辛いだけだよー世の中それだけじゃ生きていけないよーと社会に出た今は思う。

  • この本にタイトルをつけるなら、Theいいわけ、ではないのか。いや、既にこころって題名ついてるけども。

    というわけでいい大人がむにゃむにゃと年下の大学生に言い訳を続けるのがメインであって、やっぱ昔の小説って言えばこれだよ、これ!なんかうじうじした男がやたらと七面倒な事を言ってるけど結局おまえただのニートじゃねーか、っていうね。
    という思いこみというか偏見を全て飲みこむ期待にそぐわない出来栄えなのです。これが漱石の名作と言われているという事は、きっと皆同じことを思ってるんだろうなー、分かる分かる。

    まぁそんなわけで、やたら長ったらしい後半戦は飲み屋にやって来たおっさんの愚痴ぐらい適当に聞いていても大丈夫なので分厚さの割にはけっこうすいすい行ける。1000円札になるような偉い人がこれだけ優柔不断推しなら生きる希望も湧いてくるよ、ありがとう、漱石ちゃん。

  • 40年ぶりに読み返したわけです。中学生の時に読んで中学生の自分は何を感じたのか、今となっては何も覚えていない。こういう終わり方、終わらせかたは嫌いだ、と心底思いました。

  • 謎めいた先生の過去が明かされていく構成は、推理小説的。明治の精神に死んだ先生。

著者プロフィール

夏目漱石(なつめ そうせき)
1867年2月9日 - 1916年12月9日
江戸・牛込馬場下(新宿区)生まれの小説家、評論家。本名は「夏目金之助」(なつめ きんのすけ)。1890年、帝国大学文科大学英文科に入学。1895~96年には『坊っちゃん』の舞台となった松山中学校で教鞭を執る。1900年、イギリスに留学。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載し始め、作家活動を本格的に開始。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に『三四郎』『それから』『こころ』などの代表作を連載。日本の文学史に多大な影響を与えており、作品は多くの人に親しまれている。学校教科書でも多数作品が採用されている。

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