一握の砂 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 岩手県に住んでいるので読んでみた。最初はうじうじ悩んでいる感じとか人のせいにしてばかりいる感じにいらいらした。でも、故郷のことを考えたり、ふとした瞬間のぱっと開ける感じが素敵だなあと思うこともあった。作者の人間性と作品は切り離して考えるべきかもと思った。限られた字数にその情景を思い浮かべさせるような言葉を置くことについては、やはり言葉のセンスを感じた。字余りがこんなにも美しく、ぴたっとしたものになるとはいままで思わなかった。

  •  
    ── 石川 啄木《一握の砂 19101201 東雲堂 20120927 》[Kindle]
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B009IXM7MY
     
    …… 与太郎は、原則32字詰×3行≒百字(一段落)で書いています。
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20021114
     
    (20230410)

  • ギザギザ感ざらつき不良的喜び悲しみ
    その瞬間その感情が心をざわつかす
    たぶん人によっては折々啄木の名を叫んだり呟いたりしてしまう

  • [我を愛する歌]
    とにかく読みやすい。短詩型に慣れていないわたしでも、軽々と読めてしまう。世が世なら、それこそ「つぶやき」として、衆目の前で書き流されていた言葉たちなのかもしれないと思う。それにつけても、死ぬだとか、死にたいだとかが、簡単に言葉にされるものだなと思い、さらに、啄木の怒りや卑屈さを表現するかのような言葉をさらに目にし、ああ、そう言えば、この項のタイトルは「我を愛する歌」だったのだと、あらためて確認し、なんとなく啄木を身近に思ってしまうことのおかしさ。「教科書」で学んでいた頃とは違う、ただ言葉だけで啄木を追う面白さを思う。

  • 啄木の人生を知ってから読むと、「あの頃のことを詠んだのかな、あの人のことかな」と想像しながら読むことができました。
    分かりやすい歌が多く、現代の私でも共感できる歌がありました。

  • 短歌やそういう類のものに殆ど親しむことが無かった人生ですが、この作品で興味を持つことが出来ました。このような人間でも必ず気に入る歌が見つかると断言できます。Kindleで読みましたが、これは紙の本を一冊本棚に用意して何度も読みたい。

    「クソ上司で世の中がイヤになる」「雪で火照りを冷ますような恋がしたい」(意訳)

    わかる。

  • 日常の風景や考えごとをどこか懐かしさや悲しさを伴って表現する。「涙」「雪」「砂」「停車場」「街」という言葉を多く用いている。彼にとっては、身近なものだったのだろう。飾った言葉ではなく、普段何気なく使うふつうの言葉で、ありふれた普通の日常を描くからこそ、じわりと身体に沁み込んでくるものがある。死にたい死にたい、と訴える詩や、死を悼む詩が印象的だった。死にたいと悩む葛藤は、共感する部分が多い。なんで死ねないんだろうね。悩みながら生きる作者の姿か目に見えるようだった。

  • 学校で習うのは些細な入り口に過ぎなかったという訳か。あの日習った短歌の情感を僕達はまだ知らないものばかりだったのですね。ありしき日にみた心情をそっと詠み、綴った短歌は故郷を想い、歩みだった友を想い、死に生に、切迫する生活に困窮した現状などを詠っているが、人は個人間の程度のあるとしても何かしらの欠如、欠乏、欠落を抱えた生物であり、欠けてるからこそ求める。そして、満たそうとすると同時に形を明晰にしようとする。啄木の短歌を媒介にセンチメンタルにして鮮明に曝け出し、世界の一部が色濃くまた私達の前に露わとなる。

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