- Amazon.co.jp ・電子書籍 (115ページ)
感想・レビュー・書評
-
岩手県に住んでいるので読んでみた。最初はうじうじ悩んでいる感じとか人のせいにしてばかりいる感じにいらいらした。でも、故郷のことを考えたり、ふとした瞬間のぱっと開ける感じが素敵だなあと思うこともあった。作者の人間性と作品は切り離して考えるべきかもと思った。限られた字数にその情景を思い浮かべさせるような言葉を置くことについては、やはり言葉のセンスを感じた。字余りがこんなにも美しく、ぴたっとしたものになるとはいままで思わなかった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ギザギザ感ざらつき不良的喜び悲しみ
その瞬間その感情が心をざわつかす
たぶん人によっては折々啄木の名を叫んだり呟いたりしてしまう -
啄木の人生を知ってから読むと、「あの頃のことを詠んだのかな、あの人のことかな」と想像しながら読むことができました。
分かりやすい歌が多く、現代の私でも共感できる歌がありました。 -
短歌やそういう類のものに殆ど親しむことが無かった人生ですが、この作品で興味を持つことが出来ました。このような人間でも必ず気に入る歌が見つかると断言できます。Kindleで読みましたが、これは紙の本を一冊本棚に用意して何度も読みたい。
「クソ上司で世の中がイヤになる」「雪で火照りを冷ますような恋がしたい」(意訳)
わかる。 -
学校で習うのは些細な入り口に過ぎなかったという訳か。あの日習った短歌の情感を僕達はまだ知らないものばかりだったのですね。ありしき日にみた心情をそっと詠み、綴った短歌は故郷を想い、歩みだった友を想い、死に生に、切迫する生活に困窮した現状などを詠っているが、人は個人間の程度のあるとしても何かしらの欠如、欠乏、欠落を抱えた生物であり、欠けてるからこそ求める。そして、満たそうとすると同時に形を明晰にしようとする。啄木の短歌を媒介にセンチメンタルにして鮮明に曝け出し、世界の一部が色濃くまた私達の前に露わとなる。