十八時の音楽浴 [Kindle]

著者 :
  • 2012年9月27日発売
3.65
  • (6)
  • (21)
  • (16)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 122
感想 : 26
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (36ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 言葉が、表現?が古いため
    なんだか思わずクスッとなるところがある。
    残虐な話なのに、悪者がなんだかおっちょこちょい。
    不思議な小説です。

    そして、読み終えてからふと思った事が一つ。
    影響を受けない仕掛けを思いつき、
    うまく国家からの洗脳を拒んで来れた靴工のポールはどうなったのだろう。
    仕掛けがアサリ女史やミルキに暴かれて処刑された可能性も、
    自分の身体の改造に失敗して死んでしまったのか。

    最後に残ったのは、コハク博士のみと言うのが、
    どうも腑に落ちない。

    人間が博士自身だけの新しい世界、人間賛美の爽やかな音楽。
    火星人をもひとりで撃退してしまう博士は、
    国王や政治家、権力も興味はなくただ地球を愛した人なのか。
    もしくは、神にでもなりたいと思ったマッドサイエンティストか。

  • 地底都市、音楽浴で洗脳される管理社会、突然すぎる火星からの襲撃。
    ポールが何かしでかしてくれるかなと期待したけどしてくれなかったなー。女大臣は政治で科学を支配しているつもりだったけれど、結局国を征服したのは科学だったよね。コハク博士がひたすら不気味だったけれど、どこからどこまでが人造人間だったんだろう。

    (iBooks)

  • これ本当に50年前の作品?
    そう思いながら読み進めました。本当に現代のSFとして十分通じると思います。

    理想化された社会では「効率」を求めるが故に「自己」を殺していく。つまり、この物語の世界ではタイトル通り「18時に音楽浴をする」事で仕事の効率を上げ、欠点や個性を無くし、理想化された人民による理想化された生活が営まれる。

    でもそれって本当に幸せなのかしら?

    最終的には独裁国家は崩壊し、科学者コハクが人造人間達と新たなる国家を作っていく。

    「自分にとって都合のいい他人」って、あくまでも自分本位の関係であって、どこにも存在しないんですよね。

    他人に何かを求めすぎなければ失望する事はないのに。
    ちょっと思った。

  • NDC(9版) 913.6 : 小説.物語

  • まあまあ。性転換手術のところは面白かった。

  • 独裁国家の大統領ミルキは、自国民を思うがままに操れる、改造人間を製造するため〝十八時の音楽浴〟を義務づけていました。音楽浴による洗脳効果は、重罪人でも模範的人間に改造されますが、時間が経過するほど効果が薄れます。逆に長時間洗脳は脳細胞を異常に刺激し、死に至る恐れがあります。危険を承知で権力を行使する大統領と令夫人、開発研究者のコハク博士、女大臣アサリなど権謀術数渦巻くミルキ王国に、突如火星からの来襲が・・・。今も現存する国家と危機的状況を象徴するかのような【海野十三】昭和12年のSFホラ-小説です。

  • 第8回(古典ビブリオバトル)

  • ド真ん中直球のディストピアSF。
    「ディストピアってどんな?」という人におすすめしてもいいくらい、ディストピア要素全部入りです。
    現代においてもまだまだ発展途上な性転換やLGBTQ、AIネタなどもあったりして
    これ、とても戦前(昭和12年だって!)の作品とは思えない…

    オチはすぐわかってしまうのですが
    わかってても読んでしまう…先を読みたくなる作品です。

  • 青空文庫。音楽によって洗脳される国を描いた、近未来SF短編。芥川龍之介もそうだが、このタイプの小説は深読みして何かしら込められた高尚な意義を見出そうとすると容易に見つかるので、そこまで気合いれずに純粋に読んだのだが、それでも楽しめた。書かれた時代と内容を考えると、賞賛に値する作品。

  • 古い時代の子供向け小説だな、と思う表現がしばしばあるが、ストーリー自体は現代人が読んでも楽しめる。

    爛熟した文化における性転換、同性愛、社会進出する女性、ロボットとの恋愛など、取り上げているテーマが面白い。時代が時代なだけに、差別的と思う表現が無いではないけれど、それはそういうものと思って流していた。

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1897-1949。推理小説家。日本SFの草分け。主な作品に、「電気風呂の怪死事件」「深夜の市長」「赤外線男」「蠅男」「十八時の音楽浴」「地球盗難」「火星兵団」など。

「2018年 『海底大陸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

海野十三の作品

ツイートする
×