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感想・レビュー・書評
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田山花袋文学忌 1872.1.22-1930.5.13 花袋忌
1907年 少女病 以前ラジオドラマを見つけて、あまりにびっくりしたので、原作を読もうと思っていましたので、この際に。
自伝らしい「蒲団」もなかなかの変態ですが、こちらも困った中年男。同じ頃書かれているので、これも自伝なのかしら。
元作家で、今は出版社勤めの中年男。ビジュアルは良くない。若い頃、少女小説を書いてそこそこ売れた。妻と二人の子あり。
その男が、通勤電車で見かける女子学生達を妄想して楽しむ。たまに、後をつける。しかも可愛い子が良いとくる。何を考えても、考えは見えないからいいんだけど。いや、良くないけど。
この作品だって、カテゴリは純文学となるんだと思うと、時の流れって凄い。
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自然主義文学ってこうゆうことなんでしょうか。
おびのりさんがレビューで変態本として紹介されて、興味持って読んでしまいました…。
美少女に対する狂おしい執着と妄想が巧みな文章で書き連ねていて、読んではいけないものを読んでいるという嫌悪感を持ちつつも途中でやめられず。
陶酔に近い執拗な凝視の結末はあっけない。それはそれで、すっきりするという読後感を私は持ってしまった。-
2023/05/18
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おびのりさん、こんばんは!
変態本の世界、ちょっとだけお邪魔しまーす。
本棚はこれからも参考にいたします。
男女が変わるとどうなるのか...おびのりさん、こんばんは!
変態本の世界、ちょっとだけお邪魔しまーす。
本棚はこれからも参考にいたします。
男女が変わるとどうなるのかなあと思ったりもしました。
2023/05/18
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田山花袋の小説は、難しいと思った。なぜ列車から落ちたのか、状況がよくわからない。
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ちょっと前に蒲団を読んで、すっかり田山花袋が好きになった。私小説の走りとして名前は超有名だが、それだけ花袋の書く小説が凄かったというのが納得できる。
蒲団もこの短編もそうだが、その変態っぷりというか男の哀しい性というか、主人公が本当に自分勝手で最悪なんだけど、分かってしまうのだ。
主人公は37歳の妻子持ち。蒲団と同じ子だくさんで、日々の生活の唯一の楽しみは通勤の行き帰りに乗り合わせる少女たちを眺めること。その趣味行動とともに、職場の人間関係が嫌とかとにかく寂しいとか心情を吐露するが、そのやるせなさはある程度歳をとらないと分からないだろう。オチで男は唐突に死んでしまうのだが、この突き放した感じもいい。
100年経った今でも衝撃的なんだから、当時読んだ世間の驚天具合は凄かったんだと思う。
名作という言葉とは少しイメージが違うが、永遠に色褪せないであろう中年男のための文学。 -
肉慾ではなく精神的な寂しさから美少女たちを観察し美文で綴ることを楽しみとする無骨な中年の男の話。美女ではなくて美少女にこだわるのは純潔を求めているからなのか。オチが呆気なくて面食らった。
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直接少女たちに触れたりすることはない、ただただ眺めて憧れるだけであるのに、こんなにも変態チックな描写になるのが面白い。そういう、正直且つどこか官能的に自分の趣味をあらわにするというところが、「蒲団」と通ずるものを感じた。
でも現代のイヤミス流行にしても、後々世界には「ひええ!」となるのかもしんない‥‥。
この小説ラストだけは、少し悲壮感が出てくるのですが、総合判断は変態本で良いかと思います。
こんな変な小説を最近ま...
この小説ラストだけは、少し悲壮感が出てくるのですが、総合判断は変態本で良いかと思います。
こんな変な小説を最近まで知らなかったので、読んでから、検索してみてたんです。音楽ユニットで少女病という名称を使っているグループがいました。そして、ダヴィンチwebで数年前、愛すべき変態本の第一回に選ばれていました。世の中の読書人は、侮れません。読んでますね。
そして、ダヴィンチで変態本は9冊まで選ばれてたのですが、私はそのうち8冊読んでいて確かほぼ高評価だと思います。結局、そういうのが好きなのだと再確認しました。