斜陽 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (109ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 口に出して読みたいフレーズがいくつか出てくる。もう一度読みたい。

  • 解説も合わせて読みましたが、主人公や登場人物の心情について色々な見方ができる作品だと思いました。

  • やはり太宰作品には毎回感動する。

    感動ポイントは、とにかく、細部にわたる心情に切り込んだ筆致。
    太宰作品読了後は、例外なく太宰がいかに繊細な人だったかを垣間見たような錯覚を起こす。

    特に語り手が女性の作品。

    人間の弱さと強さ、無情さややるせなさの中に潜む幸福。
    物凄く暗い作品であるにも関わらず、ドロドロ感なく、スッと読了できるのは何故だろう?

    またいつか読みたい作品。

  • 「人間はみな同じものだ」
    道徳の過渡期の犠牲者。古い道徳とどこまでも闘い太陽のように生きる。今の世の中で一番美しいのは犠牲者。
    みな一筋の恋の冒険の成就を願っている。

    ママへの想いは共感しかない。私にとって仏みたいなもの、無類の良さがある。

    終章の、直治の手記とMCへの手紙での洗練された言葉の選び方

    やっぱり太宰治の、「誰もが思ってるけど暗黙の了解で言わんとする」ところをズバッと切り開き言う感じがたまらなく好き

  • 太宰治、暗いよー
    まぁーなんて暗いんでしょう!
    暗い、暗すぎる。で、やるせない。
    敗戦後の貧乏貴族になってしまったバツイチ三十路のお嬢様と
    綺麗なお母様と戦地へ行って阿片中毒になった弟と。
    っていう家族構成なんだけど
    働けーーーー!!!!と何度叫んだことか。
    まぁわかるよそれぞれの言い分とかも、まぁわかるよ。
    わかるけども。
    まぁ時代が時代だからってのもあるし。
    貴族が平民を装っても、どこかしらで話が食い違うこともそりゃあるだろう
    好きな男がどうしようもないチャラ男だということもあるだろうし
    なんでも蛇のせいにしたいのも分かる。
    気持ちとか、どうしよーもなくて逃げ場がないから。
    しかし弱い。
    弱いなー人間って。
    あとかっこつけたかったんだろうが
    夢見る夢子と夢男だなって。
    キラキラ生活に憧れるのは結構だが、世の中等価交換。
    働けよ!と思うことしか思い浮かばないけど。

  •  青空文庫より

     当主の父を失い没落貴族となった母娘は
    家を売り田舎へ移住することになる。
    そんな折、戦争後行方不明になっていた
    弟が二人の下に帰ってくるのだが…

     この話を読み終えてなんとなく思ったのは、
    登場人物たちにギラギラしたものがないなあ、
    ということでした。

     その”ギラギラ”って何? と聞かれると、
    難しいのですが、三人の家族それぞれが
    生きることに対してあまり意欲的じゃないと
    言うか、ある人物は刹那的であったり、
    またある人物はあきらめていたり、と
    いう風に生き続ける、という欲があまり
    見られないような気がしたのです。

     そういう意味では明るい小説ではないのですが、
    作品の空気感はとても美しく感じました。
    単に文章表現や感情表現が美しいというのは
    もちろんですが、それぞれの滅びの瞬間が、
    花火のような消えていく美しさを表していた
    のかな、と思います。

     印象的な場面はこの話の語り手のかずこが
    恋文を送る場面があるのですがその手紙の内容です。

     失うものが何もない、手に入れなければ
    どうにもならないという一種の破れかぶれな
    感情の中で書いたものだと思うのですが、
    内容が赤裸々すぎて正直ドン引きです(笑)
    (今で言うところのヤンデレでしょうか)
    しかもその手紙の相手は何年も会ってない
    妻子持ちの男性なのです。

     そこまで人を愛するってすごいなあ、としみじみ
    思う反面、長年会ってない女の人からあんな手紙が
    来たら男としてはどう思うだろう、と思わずには
    いられませんでした(苦笑)。

     かず子の恋文や最後の独白は個人的にはホラー
    としても通用するんではないかとも思います(笑)

  • 終戦直後の没落貴族の成れの果てを描く
    それぞれの人物がそれぞれの滅びに向かっていく

    沈みゆく夕日が生み出す斜陽が美しいのと同じように、
    破滅に向かう姿から美しさを描くという事なのかもしれない

  • 人間の生々しい脆さと、その美しさを感じました。
    太宰治の文章という感じです。

  • 初太宰のはずだけど、うーん、この作品だけだと評価できません。

  • 再読。中学生以来2度目。
    当時、太宰をかなりの数読んみましたが、人間失格や津軽とともにこの作品の印象が特に残っています。改めて読み直してもやはりこれは傑作でした。美しさや弱さだけではなく強さも感じられますが、あまりに切なく、読後しばらくは放心状態が続きました。

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著者プロフィール

1909年6月、青森県生れ。学生時代から小説の創作を始める。東大仏文科入学を機に上京。在学中に非合法運動に従事するもやがて転向し、以降、本格的な執筆活動を開始する。1935年に「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。1939年に結婚し、「富嶽百景」や「女生徒」、「走れメロス」などを発表。戦後には『斜陽』がベストセラーとなり、流行作家となる。「人間失格」を発表した1948年の6月に、玉川上水で入水自殺。織田作之助、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれた。

「2019年 『太宰治 女性小説セレクション 誰も知らぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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