- Amazon.co.jp ・電子書籍 (6ページ)
感想・レビュー・書評
-
短いのですぐに読めた。
本当に何気ない物書きの一節を書き留めたような文章だった。思案しているうちに最初は調子が良くとも思い悩み、人の声に癒され、そしてタイトルにもあるI can speak という言葉に初心を思い出すような衝撃を感じた、という。言葉があるからそこに心が宿る。
ただあまり自分には刺さらなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英語の定型文が昔と今も変わらないとこ面白いと思いました。
太宰治が感じる日常は1つの詩のように綺麗に収まることの凄さを感じました。
わかさ、かくて、日に虫食われゆきという言葉のように花のように儚くて散りゆく1日に魅せられました。 -
くるしさは、忍従の夜。あきらめの朝。この世とは、あきらめの努めか。わびしさの堪えか。わかさ、かくて、日に虫食われゆき、仕合せも、陋巷の内に、見つけし、となむ。
-
茶屋で仕事をし、終わるまで帰らないとした太宰。
甲府まで降りてきたときに聞こえる良い女工たちの歌声。
ある日の夜、酔った男は姉の女工に言う。「I can speak English.」ーはじめに言葉ありき。
言われるまでそうした感情はなかった。ー忘れた歌を思い出すーとはよく言ったものだ。
出征するとかしないとか、今勉学に励んでいるとかどうか、全てを超えて、そこにはただ変わらない命と言葉がある。はっと胸を打たれた。
母はきっと勉学のことよりもなによりも、ただ1人の息子が心配なのだ。
全てを包み込むかの如く、朧げながらも微笑むように見える姉、違うだろうけども、その人こそが美しい歌声の持主だったならな…私も心からそう思う。
-
読了日 2021/09/05
青空文庫10分以内でよめるシリーズ。
物書きは家を出て甲州へむかい、これが完成するまで東京には帰らないと決めた。が、終わらない。自分への約束を破るわけに行かず、甲府に降りた。宿の外から、毎日婦人の合唱が聞こえてくる。男はそれに救われる。 -
外から聞こえる女工の歌声に癒される話と
酔った弟と話す女工の話
その女工が同一人物ならば、それはまあよくできたドラマティックな話なのだが「そうではないだろうね」とシニカルにしめるところが、いい。 -
歌、声を失う。話す人がいない
9月、小説を書いているがなかなか進まない。
甲府で書き始め、完成したら東京に帰ろうと思っていた
しかしなかなか書き終わらない
下宿を変えると女声合唱が聞こえてきた
それに励まされ作品を書き進めた
2月、工場の裏で酔漢と女のやりとりが聞こえた
酔漢は英語を習っているようだ
英語ができると言っているのを女は笑っている
I can speak english.
初めは言葉ありき。よろずのもの、これに拠りて成る
私は衝撃だった。
まぁ、この女は女声合唱で一番上手いと感じた女ではないのだろうがね
太宰の実際の出来事らしい -
違うだろうね。
-
製糸工場から聞こえてくる女工さんの歌声に恋する話。
最後の「ちがうだろうね」がなんだか好きだ。 -
生きることは悲しい。
その悲しさの中にある美しさを、最大限に引き出している。