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感想・レビュー・書評
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格調高い!いまこういう文体で、書ける人いないだろうな。司馬遷すごい
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20201108
圧倒的な手触り感で、李陵を通じて歴史上有名な司馬遷、蘇武、武帝を描く
・聡明、偉大でありながら激昂しやすく、後年神仙の類への傾倒と失望から疑心暗鬼に囚われた武帝
・重臣のなかでは下役に過ぎず、議論好きで味方のいない中で李陵擁護の論陣をはり武帝の怒りを買った司馬遷。硬骨漢としての矜持と宮刑という恥辱の相克に悩みながら、修史という宿命に突き動かされた
・名将でありながら無理な役割を与えられ、なお奮戦しながら捕らえられた李陵。虜囚となっても漢への忠義は捨てなかったが、一族を滅せられついに匈奴に投降する。その行動に非ありとは言えないが、状況として李陵とおなじく投降しても仕方がない状況であっても心から漢への愛情をもち節をまげなかった蘇武 -
蘇武のような生き方は憧れるけど無理
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中島敦は、山月記が好き。
山月記と雰囲気が同じで、よし。 -
難しいけれど、一読の価値がある作品。
志はあっても遂げられないある意味人間らしい李陵。
それに対して、突き抜けた蘇武。
私を含めて、多くの人は李陵の気持ちがわかる部分が多いのではないかと思います。
難しくてよくわからない部分もありましたが、中島敦の美しい文章に浸れました。 -
文章が美しいから必ず読むようにと、塾の世界史の先生に言われた一冊。高校生の時に読んだが、今度はaudibleで聞いてみた。
内容も、祖国への思いと手放すことができなくなった愛すべき現状のギャップや、自分より誠実に生きているように見える他者への複雑な感情(うらやましさ。自分が劣っている、みじめだと感じる)といった、ほとんどすべての人間に共通する苦悩を題材としており、感じるところがあった。
それだけでなく、やはり文章そのものが美しい。音にされるとなお美しいと思えるところもあった。
先生、紹介してくれてありがとう。 -
中島敦の文章はリズム感というか、読んでて心地いい。
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超難解な言葉ばかりで読みにくい本だが、それだけ得られる知識は多いし、勉強にはなる。
ストーリーとしての面白さは、そうでもないと思うが、日本史とは違ったアプローチで、中国の歴史を辿っているようで面白い。