ルバイヤート [Kindle]

  • 2012年9月27日発売
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  • 流れるようなリズムで情感豊かに歌い上げる言葉でウマルハイヤームの作り出した世界に飲み込まれる。
    学者としても優秀だった人が、
    世に生まれてきた効果に何があるか?
    生きた生命の結果何が残るか?
    饗宴の燈となってもやがて消えはて、
    ジャムの酒盃となってもやがては砕ける。
    一瞬をいかせ
    と表現するに至った境地はなんなのか想像することしかできない。

  • 第一首を読んだ瞬間から、涙があふれたすごい詩集。
    そしてやたらと酒を飲め飲めと言ってくる酒のCMのような詩集。

    なぜ生まれてきてしまったのだ?
    この世に来ずに済むなら、来たりなんかしなかった!
    何事をもなさずに年を取り、消えて跡形もなくなるむなしさ。
    学問に研鑽を積み重ねたとて何になる?
    それより酒をたのしめ!

    あきらめと厭世。
    ペシミズムが心地よい安らぎを与えてくれる。
    千年も前の詩人と感覚がつながったかのような不思議な感覚を味わった。

    四行詩のリズムも独特で、慣れると歌を聴いているように軽快に読むことができる。

    より効率的に生きることが最上の人生とされる現代、より豊かにならなければならないと煽り立てられること、何者かになろうとすることにいい加減疲れてきた人は、ルバイヤートを読んでみるといいかもしれない。

    十一世紀のイランで書かれたからか、イスラム教に対して懐疑的とみえる記述も興味ぶかかった。

  • “月の光に夜は衣の裾をからげた 。酒をのむにまさるたのしい瞬間があろうか ?たのしもう !何をくよくよ ?いつの日か月の光は墓場の石を一つずつ照らすだろうさ 。”
    なんと冒涜的、なんと虚無的、なんと頽廃的。

  • さいっこう…。すばらしい…。と語彙が限りなく少なくなる至上の一冊。諸行無常の世を語ったペルシャの四行詩、何が良いって落ち込んだ時に読むと全てがどうでも良くなって心が軽くなる事。要するに人間なんて皆すぐに死んじまうんだからとにかく酒だ酒〜!という酒乱にとっても最高な内容なんだけど、小川亮作訳がいちいち格好良い。語るより読んでもらった方が早いので、特に好きな二節を紹介します:

    地の表にある一塊の土だっても、
    かつては輝く日の面(おも)、星の額であったろう。
    袖の上の埃を払うにも静かにしよう、
    それとても花の乙女の変え姿よ。

    たのしくすごせ、ただひとときの命を。
    一片の土塊(つちくれ)もケイコバードやジャムだよ。
    世の現象も、人の命も、けっきょく
    つかのまの夢よ、錯覚よ、幻よ!

    青空文庫でも読めます!

  • 丸藤葡萄酒にて。大好きなコヘレトの言葉に通じるものがあって驚いた。

    “21 歓楽もやがて思い出と消えようもの、古き好をつなぐに足るのは生の酒のみだよ。酒の器にかけた手をしっかりと離すまい、お前が消えたって盃だけは残るよ!”

  • イランの詩人の詩集。
    言っているのは、今を楽しめ!かな。

  • Kindle、¥0.

  • ペソア「不穏の書、断章」に触発されて。一章裂かれて、ルバイヤートのことが扱われていたので。/「水のごとくも来たり、風のごとくも去る身よ!」「花は土から咲いて土に散る。」あの世に行った人が、帰ってきたなどという話はきいたことがない、という趣旨のことが繰り返し語られる。だから、現世を力の限りたのしめ、というメッセージがこめられているのか。

  • 早世した天才、小川亮作のペルシャ語からの訳。これが無料で読めることに驚く。青空文庫さんに感謝。

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