新世界より 文庫 全3巻完結セット (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.04
  • (26)
  • (26)
  • (13)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 228
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 圧倒的な情報量。主人公の回顧録という形で始まるこの世界の設定を、謎を解くように落とし込みながらストーリーを追っていく。
    ちょいちょい挟まれる「現在の自分」視点の文言に、読み進めてもいいことはないんじゃないかと思いながら怖いもの見たさのような気持ちでページを繰っていく。
    読み終わった後、「やはりそうなったか…」という思いと、「かと言ってどこかでそうならないための分岐はあっただろうか」という思いが交錯する。
    この物語の謎は解けるけど、生き物とか、社会とかに対する根源的な問いが残ってぐるぐるもやもやする。
    話題作なので読んだが、普段の自分の好みには合致しない。でも触れてみてよかった。
    この熱量の作品が書けるのはシンプルにすごい。

  • 不思議な世界

  •  スティーヴン・キング好きそうな、というか「キャリー」と「スタンド・バイ・ミー」を足して割らずに、より現代風に「格差」「暴力の連鎖」みたいなテーマを入れこんだらこんなん出来ました、的な作品。鬱展開グロ描写に容赦がないため、平気な人にしかおススメできない。いろいろ足した後割ってないのでひたすら濃ゆく長い。原酒をガンガンいけない人は無理せずソーダ割とかにしとこうね。

  • 最初は(上巻)は正直あんまり・・・

    ただ、途中からいきなり急展開で、ものすごく面白くなります。

    一気にひきこまれました!!

  • ここまで壮大なひとつの物語りを書くなんてとにかくすごい。読み応え抜群。
    物語り自体の行き着いた先は、正直すとんと納得いく感じではなく、それぞれにとっての例えば「正しさ」って何だろうとか、私としてはすごく考えさせられる何かが残って漂い続けた。
    目を覆いたくなるような場面や、登場人物たちのとる行動の意味、全部その場で見ているような想像力を書き立てる本でした。

  • 今の世界から1000年後の世界。今私たちが思い描く近未来ではなく、1000年後の日本は今と変わらない世界。ただ人間は呪力が使えるようになっている。

    読み終わったすぐは、うーむという感じで、この世界はあってはいけないと思っていたけど、自分勝手な理由で人を虐げたり、暴力を振るったり、殺したり、そんなことが現実に増えていると、この新世界よりの世界観はもしかしてありなんじゃないかと思わせる。後からじわじわきた。

  • 長編ファンタジーミステリー冒険SF??もはやどのジャンルかもわからないほど盛りだくさんの、未来の日本の話。
    筑波山の近くが舞台でなかなか親近感湧いた。

    未来の呪力をもつ人間たちの世界はどこかおかしい、人間を排除して記憶を消していくことがある。
    早希、覚、瞬、真理亜、守たちは知ってはならないことを知ってしまい、能力を奪われるも、なんとか自力で取り返す。
    乗り切ったかと思いきや、どんどん呪力の問題で仲間は始末されていき、
    ついに奴隷のように人間に使われるバケネズミが人間に一気に反旗をひるがえす。。。


    悪鬼が真理亜かと思ってたら子供とは、、
    覚がほんとにいい奴で頼れる仲間で最後までいてくれてよかった!!

    鏑木さんがやられちゃうとは思わず、びっくり。。
    愧死機構があるとか、洞窟内でのみたこともない動物の細かい描写とか、
    街の構造とか、もろもろすごい世界観が広くてびっくりした。
    読み応え抜群で、上巻の途中から凄い勢いでよんでしまった。中巻の読むスピード異常だった笑笑
    下巻はちょっと敵との追いかけっこでつらかったけど。
    とても読みやすく、面白く、結果もよかった。
    バケネズミが本当は呪力を持たない人間の変型だったというのも、なんだかありそうな話。

    私としては若者に進めたい話とかではないけど、ゲームっぽさとか読みやすさがある!
    当たり前のように権力を振りかざしている人間への警鐘的なことも感じた。

  • これは小説のなかで一番好き。すごい。すごすぎる。(語彙が愧死機構)
    超能力ものの最高傑作でしょう。

    アニメは……まあ。音楽と風景は素晴らしかったけど。リメイクお願いします!

  • 再読。

    千年後の日本を舞台にしたSF小説。ジャンルとしてはSFを基調にしながらも、オカルト、ミステリー、アクション、ディストピア、戦記、青春、恋愛と、様々な要素を詰め込み、緻密な構成で編んだ一大エンターテインメント小説。
    世界観に確固たる説得力を保たせ続けながら、最終章まで間断なく驚きを用意している。文体もこなれて読みやすく、キャラクターやクリーチャーは独創的で魅力を感じさせる、スリリングで知的な娯楽作品。

  • 貴志祐介のホラーが好きで、正月休みに読もうと思って購入しましたが青春SFモノみたいな感じでした。
    主人公の女性の手記というていで物語が進むのですが、唐突なエロ描写とか必要なのかな...?と引いてみてしまう箇所が幾つかあり、普通の三人称視点の小説ならここまで気にならなかったのになと思います。
    読んでる最中は楽しく読めたのですが、最後の落ちまで読むと主人公の欺瞞と自己弁護に満ち溢れた内容だったことに背筋が寒くなりました。
    せめてラストにバケネズミの正体を公表して、自分達のやったことをちゃんと知っておくべきだと思うし、それによってどんな混乱が起ころうとも受け入れるべきじゃないかと思います。
    それが「子どもできたしあたしたち幸せになりまーすv」みたいに終わっててそれが一番のホラーでした。流石貴志先生。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

貴志祐介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
又吉 直樹
宮部みゆき
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×