神州纐纈城 [Kindle]

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  • 2012年10月1日発売
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感想・レビュー・書評

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  • なんだか物凄い作品、としか言いようがない。ストーリー的には集中していない。少々グロテスク気味な部分も。未完ということもあり『大菩薩峠』に似た臭いも感じられる。

  • やはり國枝史郎の最高傑作はこれでしょうか。富士山麓に佇む纐纈城と奇面の城主。謎の宗教集団。武田信玄の寵臣土屋庄三郎は謎の老人に人血で染められた纐纈布を売りつけられ富士山麓に引き寄せられる。伝奇文学の金字塔。他の伝奇小説が霞むくらいの面白さとスピーディな展開。話が凄すぎて途中でペンを置き、未完になってるのが憎い!

  • 面白かった。
    様々な登場人物の目からつづられる摩訶不思議で不気味な物語。
    仮面の主が妻と弟の恋に絶望して恨んで、、纐纈城にこもって人を殺しその血を絞って布を染め上げた理由は?
    顔も知らない父母叔父を訪ねてはるばるやって来たものの無実の罪を着せられて殺されかけた(一応)主人公、庄三郎の消息は?
    この世で一番の極悪人の面を彫らないと俗世に帰れないと孤独で居続ける月子の運命やそうなった経緯、過去とは?
    更にその月子を姉と慕い暮らし始めたもののこれからどうしようかと考えてて越後にいこうと決めた庄三郎の従兄弟の行方は?
    色々と未解決で伏線が回収されないまま未完となっている作品。
    それでもその世界観に引き込まれて最後まで一気に読んだ。面白かった。

  • 夢の中を歩いているかのような読後感。
    続編が無いのが悲しい。

  • 初めて電子書籍で長編小説を読破。
    iPhoneでkindleアプリを入れて、チョコチョコ読んでいき、
    やっと読了しました。版権が切れているので無料です。

    で、内容ですが、伝奇小説の傑作とされているだけあって、
    非常に面白かったです。通勤の行き帰りで読んでいたため、
    あまり進まなかったのですが、読むたびにグッと引き込まれました。

    人の生き血で染めた纐纈布と、それを作っている纐纈城と
    怪しい城主、それを取り巻く様々な怪人物、剣豪、悪人。

    色々なネタがこれでもかと語られ、絡み合っていく。
    確かに、他の人のレビューにあるように、
    細かいところで破綻もありますが、それを補うだけの怪しさ。

    伝奇ものに興味のある方にはお勧めです!!

    でも、ご存知かもしれませんが、
    全くの未完であり、本当にいいところで終わっています。

    伝奇小説は、話が発散している瞬間が一番面白いと
    言いますが、まさに地で行っている作品。

    多分、完結していたら、もっと評価が低かったのかも。

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著者プロフィール

明治二十年(一八八七年)長野県に生まれる。早稲田大学在学中より演劇運動に参加。大学中退後、大阪朝日新聞社の演劇記者、松竹座の座付き作者となる。病を患い、長野県に戻り「講談倶楽部」「少年倶楽部」などに執筆、怪奇、幻想、耽美的な伝奇小説の第一人者となる。『神州纐纈城』は、昭和四十三年(一九六八年)復刊され、三島由紀夫に激賞される。昭和十八年(一九四三年)死去。

「2023年 『神州纐纈城』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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