琥珀のパイプ [Kindle]

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  • 2012年10月1日発売
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  • これは面白い!甲賀三郎の大正13年の本格探偵小説です。関東大震災後の東京渋谷の高台にある街で起こった放火殺人事件は、二重三十重に組み込まれた犯罪計画と偶然の出来事が絡み合った驚くべき事件でした。放火犯と殺人犯、探偵と怪盗、ドンデン返しで解き明かされる本編は、巧妙な入れ子構成と仕掛けられた謎にまんまと嵌められながら、爽快な結末が待っていました。

  • 震災後の昭和初期、きな臭くなってきたご時世を象徴するかのような自警団(夜警団)の会話から始まる。夜明け近くに起こった火事と殺人事件の謎。未解決の宝石強盗事件との関連ある容疑者が犯人なのか?ラストの意外な犯人と事件の真相は甲賀三郎らしい本格探偵小説の醍醐味を味わえる。

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著者プロフィール

1893年、滋賀県生まれ。本名・春田能為。1918年、東京帝大工学部化学科を卒業後、農商務省臨時窒素研究所技手となる。23年に雑誌『新趣味』の懸賞応募作「真珠塔の秘密」でデビューを果たし、以降、「琥珀のパイプ」(24)や「ニッケルの文鎮」(26)など理化学トリックを使った作品を数多く発表する。28年に窒素研究所技師を退任して専業作家となり、様々な分野へ創作活動の幅を広げていき、32年に新潮社の「新作探偵小説全集」へ書下ろした長編『姿なき怪盗』は代表作となった。33年から35年まで文藝家協会理事を、42年から44年にかけて日本文学報国会事務局総務部長を務める。44年10月から日本少国民文化協会事務局長に就任。1945年、公務で訪れた九州からの帰都途中、急性肺炎のため岡山県内の病院で死去。

「2020年 『甲賀三郎探偵小説選 Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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