恋愛曲線 [Kindle]

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  • 2012年10月1日発売
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感想・レビュー・書評

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  • おびのりさんのレビューで著者を知ることができました。ありがとうございます!
    小酒井不木(こさかいふぼく)と読むらしい。
    医学博士。大正13年(1924)ー昭和4年(1929)38歳で夭折するまでの5年間に140を超える作品。日本の探偵小説の黎明期において様々な活動をされ江戸川乱歩とも親交が深かったとのこと。

    恋愛曲線という題だったので勝手に甘美な内容と思っていた。
    主人公の想い人と明日結婚するという実業家A氏に対して祝福の手紙をしたためているような設定。
    文体が美しいけれども鬼気迫る冷たさがあり、医学専門用語が畳みかけるように並び、結末は残酷で呪いのような内容の告白。
    翌日には誰も幸せになれない状況を迎える。他の作品も読みたくなった。

    • おびのりさん
      こんばんは。
      まさか、わたしのレビューでこんな古典を読んでくださる方がいるなんて。ありがとうございます。
      明治あたりの文学作品が好きで、時折...
      こんばんは。
      まさか、わたしのレビューでこんな古典を読んでくださる方がいるなんて。ありがとうございます。
      明治あたりの文学作品が好きで、時折、新しい作家さんと混ぜて読んでます。
      どうぞ、よろしくおねがいします。
      2023/05/18
    • ☆ベルガモット☆さん
      おびのりさん、コメントお寄せくださり誠にありがとうございます!
      お恥ずかしながら今まで文学作品をあまり読んでおらず、教養を深めるためにも還...
      おびのりさん、コメントお寄せくださり誠にありがとうございます!
      お恥ずかしながら今まで文学作品をあまり読んでおらず、教養を深めるためにも還暦までにできるだけ古典を読みたいと思っています。
      全然知らなかった作家さんを知ることができてとても参考になります!
      これからもよろしくお願いいたします。
      2023/05/18
  • 失恋!何という悲しい運命であろう。僕は、その人ごとならず思ったよ。僕も同じく失恋の苦しみを味わう人間ではないか。失恋曲線
    君は数学で、マイナスとマイナスを乗ずるとプラスになるということを習ったであろう。僕はこの原理を応用して、失恋を恋愛に変えようと思ったのだ。君よ、死にまさる強さが世にあろうか。

  • 短いお話の中に狂気と生々しさを感じられます。ミステリーとまでは言えませんが一種のトリックを使用してあり、とても読み応えがあります。時間が無いけど世界観に浸りたい人によいのではないでしょうか。この曲線が描いているのはただの恋愛曲線だけではないように思えます。

  • ここでいう恋愛曲線は、二人の距離を測るとか、恋人をつなぐ赤い糸とか、そういった類いのものではありません。

    心臓をテーマにした、グロテスクな短編小説。描写が非常に具体的で、それが不気味な内容にリアリティを与えています。
    個人的には安部公房の他人の顔を思い出しました。

  • 友人に「恋愛曲線」を贈る?何それ?と思ってたら、そういうことなのね。見事。

  • 気持ち悪くなった 読まなきゃよかった・・・ orz
    オチは見当ついてたんだから、途中で止めるべきだった・・・

  • 最後の大どんでん返しで驚いた。

  • この手紙の書き手である科学者は、失恋したある女と自身の血液とを使用し《恋愛曲線》を著し、それを元恋人の結婚相手に贈る。雪絵とは円満で別れることが出来ていなかった為にその恨みを読み手である結婚相手に綴っているのかと結婚相手と読者に疑わせておいて、科学者と雪絵とは円満、結婚相手と雪絵とは不円満、そして、科学者に心臓を捧げた女は、雪絵だったのである。

    緻密な実験描写が特徴的で、想像がつきやすいために少々不快にもなったが、読後、それは失恋した女と科学者への同情も含まれていたことに気付いた。今ではむしろ爽快である。自身の恋愛が成就した結婚相手にとって盲点であった純愛を、2人の心中によって強烈に表現した。

    尊敬する先輩に聞いた〇〇の△△が無かった説を考えるのはとても楽しそうだ。

  • 少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)
    恋愛曲線 小酒井不木 マイナスかけるマイナスはプラス!?
     http://sfclub.sblo.jp/article/175637151.html

  • 引き込まれる語り口はいいが、最後がいまいち。

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著者プロフィール

推理小説作家。東京大学医学部卒、医学博士。1890-1929.医学的・心理学的知見を駆使した作風で屹立。代表作に、「痴人の復讐」「恋愛曲線」「闘争」など。

「2017年 『疑問の黒枠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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