ドグラ・マグラ [Kindle]

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  • 2012年10月1日発売
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レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (616ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 読むと精神に異常をきたすというドグラマグラ、や~~っと読み終えた。
    チャカポコのリズムに、のせられて読んでいる時には、異次元にイってしまいそうになったのは事実。

    ちょうど読み始めた9月半ば頃、福岡発のニュースで、この小説に登場する時計が公開されたとの事。
    夢野氏の遺品の柱時計は九州大学の資料館に保存されているそうだ。
    「ブウウーンンン」と鳴る時計なんて聞いたことがない。
    間近で拝見致したいものだ。

  • やっと読み終わった。最後らへんの追い込み方半端ねーな。もう一回読んだらまた違う発見ありそう


  • 日本探偵小説三大奇書の一つと言われるこの物語。何度もチャレンジしては始めのほうで諦めていた。読むと鬱になるとか気が狂うとか噂もいろいろあるので躊躇っていたというところもあったかも知れない。

    読んでみると…
    確かに難所がいくつか存在する。
    最初の"キチガイ地獄外道祭文"はほんとうになにそれ??と頭の中が混乱するような呪文のような文章が続く。
    その後の如月寺にのこる手記が古文みたいで読みにくかった。

    でも、驚くことに人類みなキチガイが私にはすっと入ってきて、そうかもなぁなんて納得して救われた気がして複雑な気持ちになった。
    心理遺伝は分からない。胎児のときに夢を見たとしても胎児でいるのは10ヶ月だし、その後の経験や考え思いなどが子孫に遺伝するとは考えられない。素質などは遺伝するかも知れないけれど同じ行動を取るとは考えられないなぁ〜
    …とドグラ・マグラのドツボにはまる。

    結末は読んだ人にしか分からない。
    わけが分からないと言われてるけど意外と納得出来る場面もあったりで読み終えることが出来た。

    爽やかではないけど…悪くない読後感だ。

  • 途中まで読んで読み終わらないままです。
    一体なんだろうこの不思議な小説は。
    不可思議すぎて先がきになるのだけど、
    日々の生活の中でこれを読み切るモチベーションを、
    維持することができぬまま。※2014年頃の話です。
    いつか読みたい。
    これをみると、昔捕虜した米軍を生きたままに
    人体解剖したという九州大学の狂気の沙汰についての
    書籍の方が読みたくなる。
    人間の綺麗ではない(というか残酷で残忍な狂気)に
    向き合おうと思ったのは、ジェノサイドを読んで、
    ホモ・サピエンスを超えた道徳意識がある新人類誕生、
    という(ノンフィクションだけど)衝撃の出来事に、
    生まれて初めて触れてから。
    だって人間は慈愛に満ちた面もあれば恐ろしい一面もある。
    人によって度合いが違うけど誰にでも内側に汚いものがある。そういうものをちゃんと捉えることができると若い時期にもっと生きやすかったのではないかなと思ったから、歴史上起きた狂気の沙汰に興味があるのです。
    私も、何かテーマを持って研究したいと思う。
    (2019年6月)

  • 前評判からどんなトンデモ本かと思っていたが、しっかりとした筋がある幻想的な小説でとても楽しめた。うまく主人公と読者を重ね合わせるように書かれており、没入感が半端じゃない。途中のチャコポコゾーンなど文体的に非常に読みにくい章がいくつかあるが、内容が面白いのでさらりと進める。特に後半の真相が明らかになったとおもったらまたひっくり返され取り残されを繰り返す、何が現実で何が夢なのかがわからない展開は素晴らしい。人間が感じる現実とは実際に起こっている現象ではなく、脳髄が見せている夢なのである。

  • 強烈に面白い
    混沌としているような、筋が通っているような。ここまでのカオスを小説で描きあげることができるなんてすさまじいと思う

  • んー、発狂しそうで怖いから中断.

  • 後半、謎が解けてスッキリするのか、しないのかというあたりをうろうろして、せんのかい!で終わる感じがまたこの本のステキにいいところなのだろう。

    前半はひきつけられ、中盤の論文も賛否両論あるみたいだが、学術的な話ではないので、推理小説の創作と考えればステキによいものである。
    後半の唐の話になったあたりからどこまで飛ぶのかと感嘆してしまった。

    日本三大奇書であるが後味が微妙なところふまえてステキな読後感である。
    ステキに。

  • 初めてのkindleでの小説。

    日本探偵小説3大奇書の一つと言われており、ずっと読みたかった本書。まさか、青空文庫で手に入るとは知らなかった。

    1935年に描かれたということにびっくりした。
    現代に照らし合わせても十分に通じる部分があり、
    文章もいろいろな話し手の口述記述があり、非常にリズミカルに読める部分も多い。

    かなりのページ数に時間がかかったが、一度は読んでおきたい小説である。

  • 幻惑、幻惑。

    読 み 終 わ っ た ー !
    やっとのことで読み終わった。半年近くかかったなー。
    「読むとキチガイになる」という噂が気になって調子のいい時しか読まないようにしてたのと、祭文のカタカナ文章や正木教授のもったいつけた話しぶりが読みづらいのとで、なかなか前に進めなかった。
    はー、疲れた!

    しかしほんとに奇妙な話だったなあ。

    はじまりはこうだ。
    自分の名前も、過去もなにもわからない青年が鐘の音とともに独房で目を覚ます。
    そこはどうやら精神病院で、青年の婚約者だと名乗る少女の逼迫した声が壁伝いに聞こえてくる。
    一体自分はどういう人間で、なぜこんな所に入っているのだろう?


    ※以下ネタバレ注意





    その謎を追っていこうとページをめくると、『ドグラ・マグラ』という原稿が作中に現れる。
    そしてこの本の仕掛けについて、親切に教えてくれる。
    奇妙キテレツな祭文、談話、論文、遺言書、事件記録、昔話などが挿入されて、一体何が言いたいやらわけもわからぬまま読み進めるが、青年の過去と関係しているらしい怪事件の真相、そして青年の正体を知る段になると、その全てが本筋そのものになっている…そうだ。
    しかも、この作品の終わりに鳴る鐘の音は、最初のものと同一であり得るという。
    私が半年かけてこつこつ読んできたこの本は、一瞬の出来事だったかもしれないのだ。
    それならまだいいが、一瞬の出来事でさえもなかったかもしれない。
    ただの妄想、夢。
    そういう「惑わし」がたくさん詰まった作品である。


    怪事件の真相に至ってもそうだ。
    「犯人は俺だよ…」と正木が自白するが、これは「自分がやったから」ではなく「自分にしかできないから」らしい。
    自分が犯人なら、やったことを淡々と語ればいいのだ。だが彼はそうせずに、WとMの物語を聞かせて「黒幕は誰か?」の判断をこちらに委ねる。どうもはっきりしない。
    そうするうち物語はWとMの非道な行いを紡ぎ出し、ついに青年が声を上げる。

    だが待てよ、と。
    色々と前もって準備ができる正木・若林の言葉や書類を、一体どれだけ信じられるのか。
    もしかして全部よくできた嘘で、かつがれてるんじゃないか?
    そうやって、青年が呉一郎だと思い込ませるつもりじゃないのか?
    こちとら一郎がそこに見えるんだぞ。それを、離魂病だのなんだのと。

    だいたい学術のためとはいえ、「子どもを孕ませてその子が将来狂人となり殺人を犯すよう準備を整える」なんて、そこまでするか?
    呆れた話だ、もしこれが本当なら。学者先生たちまで巻物に取り憑かれてるじゃないか。
    「もし本当なら」、ね。

    ここにくるまで散々脳をかき回された分、こういう疑念がこびりついて離れない。
    青年もこの「幻惑」を映すかのように「アッハッハッハ」と突然笑い出し、犯人なんていなかったんじゃないか、偶然に起きたバラバラの出来事を無理やりつなげてこんがらがってるだけじゃないのかと言い始める。

    そんな疑念にひとまずの終止符を打つのが、巻物の最後の文字だ。
    これで父親が誰か、黒幕が誰かが青年の頭にピン!ときて、ショックから彼は外に飛び出してしまう。だがこんな時でも私の疑念は晴れない。
    本当に見たのだろうか。
    本当にそこに文字があったのか?

    外気に触れて戻ると、さっき見ていた資料にほこりがかぶるほど時間が経過している。
    そのほこりをかぶった資料の中に、さっきまで話をしていた正木の自殺の報。
    解放場の流血沙汰の記事。

    青年は思い出す。謎に対する答えを。
    離魂病、夢遊状態、胎児の夢、被害者の最後の表情…。
    ようやく探偵物語は終焉を迎え…

    そして鐘が鳴り、私たちは夢から覚める/眠りに落ちる。
    また最初に帰るのだ。

    『胎児の夢』でこんなことが書かれていたのは、この時のためだろう。

    - - - -
    一秒のうちに一億年が含まれていると同時に、宇宙の寿命の長さといえども一秒のうちに感ずる事が出来る訳である。

    五十年や、百年の間の出来事を一瞬、一秒の間に描き出すのは何の造作もない事である。

    盧生が夢の五十年。実は粟飯一炊の間……とあるのは事実、何の不思議もない事である。
    - - - -


    さて、ここまで青年の身に起きた出来事は、現実に起きた事なのだろうか。
    「正木との会話」が十月二十日の繰り返しだと考えたように、いつかの出来事を繰り返し夢に見ているというのか。
    それとも全て、夢の創作に過ぎないのか。
    一秒にも満たない、刹那の夢の。

    狐につままれたような心持ちで、今はいる。


    読書メモ:
    http://haiiro-canvas.blogspot.jp/2013/05/blog-post_14.html

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著者プロフィール

明治22 (1889)年1月4日福岡に生まれる。本名杉山泰道。幼名直樹。法号萠圓。父杉山茂丸は近代における政界の黒幕といわれた。旧制修猷館中学を卒業後、近衛歩兵連隊に入隊。慶応義塾大学に入学後、大正2(1913)年に中退。放浪生活ののちに出家し、僧侶となる。大正6(1917)年に還俗し、父の出資による農園を経営する傍ら執筆を開始。結婚し、喜多流の謡曲教授となる。大正8(1919)年に九州日報に入社、記者となる。大正15 (1926)年に「あやかしの鼓」を発表し作家活動を始める。昭和10(1935)年「ドグラ・マグラ」を出版。昭和11年(1936)3月11日逝去、享年47歳。

「2019年 『定本 夢野久作全集 第6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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