- Amazon.co.jp ・電子書籍 (14ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
短編小説。
無人島に漂着した兄妹。
兄の太郎が書いた手紙の内容から考察する物語。
手紙の時系列に工夫が成された構成のようだ。
以下、ネタバレ有り。(備忘録)
食べ物もあり、二人は何とか生きることは出来た。聖書を教科書として学校ごっこをし、妹に読み書きを教えた。
苦悩の原因は、年月が互いの体を成長させたこと。兄妹とはいえ、変化してゆく体に何か違和感を感じる。手紙にもその様が見てとれる。
太郎の手紙からは、聖書が大きな影響を与えていることが良く分かる。
あってはならない間違いに悩んでいる。
二人は幸せだったようだ。二人だけで生きていくことができれば、の話か。皮肉にも自らの手紙が、対外的な罪の意識を増幅させる原因となったようだ。
助け舟が来るころには、もう引き返せない罪悪感が彼らを包んでいた。
手紙が書かれた順序は第三→第二→第一と見るのが一番シンプルか。
読了。 -
海難事故に遭った兄妹が南の島に漂着し、苦悩する話。
漂着した当時は子供だったが、長い月日が経つにつれて二人の肉体が成熟してくる。
兄は美しく成長している妹の姿に困惑する。
そんな妹も兄を意識している。
これが兄妹の関係ではなく、恋人同士ならパラダイスだろうに。
孤島で生きていくには、動植物たちと同化し、野生化すれば楽なのだろう。 -
漂流した島に二人きりの生活・・・楽園と地獄と聖書と。
手紙の順序は3→1→2かな。
3は最初の助けを求めた手紙。
1は助けが来たときのための遺書。
2は神様へ心の地獄の苦しみを綴った手紙。
カタカナの手紙はアヤコが書いたのだろうか?
「ボクタチ兄ダイハ、」ということは、
アヤコは太郎の妹ではなく弟なのだろうか?だとしたらさらなる衝撃だ・・・
謎が残る。 -
聖書が楽園を地獄に変えた
みたいな考察を読んでこの作品がより好きになった
人を導くはずの聖書が2人を追い詰めていくという皮肉がお洒落だと思った