羅生門 [Kindle]

著者 :
  • 2012年10月4日発売
3.67
  • (3)
  • (2)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 29
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (9ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こうして見ると羅生門はそれ自体がしっかりしてる

  • ちょっと短すぎるが…下人の心の動きが印象的。

  • 羅生門の屋根が、甍の先に暗くどんより淀む雲を支えているところとか
    老婆が息絶え絶えに「この髪をな、この髪をな…」と語り出すときのグロテスクさとか。
    高1のとき読んだ際の色んな感覚がぶわっと蘇ってきた。
    当時は、餓死と盗人とを迷う下人の心が、老婆との出会いで目まぐるしく変化していくさまに嫌悪感を覚えたけれど、今読むとそうでもなかった。


    引用めも …

    ・今この下人が、永年、使われていた主人から、暇を出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。だから「下人が雨やみを待っていた」と云うよりも「雨にふりこめられた下人が、行き所がなくて、途方にくれていた」と云う方が、適当である。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝の下人の Sentimentalisme に影響した。

    ・これを見ると、下人は始めて明白にこの老婆の生死が、全然、自分の意志に支配されていると云う事を意識した。そうしてこの意識は、今までけわしく燃えていた憎悪の心を、いつの間にか冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、ある仕事をして、それが円満に成就した時の、安らかな得意と満足とがあるばかりである。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

編者 楠山正雄 (くすやま まさお)

1884(明治17)年、東京生まれ。大正・昭和期の児童文学者、演劇研究者。早稲田大学英文科に入学し、広くヨーロッパの諸文学を学ぶ。島村抱月、坪内逍遥に師事。大学卒業後、早稲田文学社、読売新聞を経て、冨山房に入社。雑誌や辞典の編集、「規範家庭文庫」全24巻の編集など多くの本に関わり、児童文芸雑誌「赤い鳥」などに古典や昔話の再話を発表。『アンデルセン童話集』や本書など、編著作多数。1950(昭和25)年、逝去。

「2023年 『源氏と平家 最新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

楠山正雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×