羅生門 [Kindle]

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  • 2012年10月4日発売
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  • ちょっと短すぎるが…下人の心の動きが印象的。

  • 羅生門の屋根が、甍の先に暗くどんより淀む雲を支えているところとか
    老婆が息絶え絶えに「この髪をな、この髪をな…」と語り出すときのグロテスクさとか。
    高1のとき読んだ際の色んな感覚がぶわっと蘇ってきた。
    当時は、餓死と盗人とを迷う下人の心が、老婆との出会いで目まぐるしく変化していくさまに嫌悪感を覚えたけれど、今読むとそうでもなかった。


    引用めも …

    ・今この下人が、永年、使われていた主人から、暇を出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。だから「下人が雨やみを待っていた」と云うよりも「雨にふりこめられた下人が、行き所がなくて、途方にくれていた」と云う方が、適当である。その上、今日の空模様も少からず、この平安朝の下人の Sentimentalisme に影響した。

    ・これを見ると、下人は始めて明白にこの老婆の生死が、全然、自分の意志に支配されていると云う事を意識した。そうしてこの意識は、今までけわしく燃えていた憎悪の心を、いつの間にか冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、ある仕事をして、それが円満に成就した時の、安らかな得意と満足とがあるばかりである。

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著者プロフィール

楠山正雄1884(明治17)年、東京の銀座生まれ。早稲田大学英文科卒業。早稲田文学社、読売新聞社を経て、冨山房に入る。児童書の編集、百科事典の編集、翻訳、創作、演劇評論などを行う。1950(昭和25年)、逝去。

「2015年 『アンデルセン童話 おやゆび姫 最新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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