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感想・レビュー・書評
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桑原大先生の中国人のカニヴァリズムについての考察本。
さすがの内容、いつもなら旧字体だと飛ばし読みなのだが、面白くよめた。
カニヴァリズムは野蛮だと言っているが、どうなんでしょう。
そういえば並行して読んでいる水滸伝でも自分の腕を焼いて食べるシーンはあったな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
唐人TVの共産党特集で、20世紀においても、断罪され、死罪となった人の肉を、分け合って食べる事が行われていた、と視聴して、相当吃驚した記憶がある。
支那といえば、キリスト教圏である西欧とは違って、結構人間を食べているね、という認識は勿論あった。『水滸伝』で酒亭を営む張青夫婦でしたか、財物を奪い、殺めた人間の肉を饅頭にして売っていたというのはかなり有名で、読書家なら大抵は知っていると思う。
ところが、この小論を読むと、驚くべきことに、かなり後半な支那の古典及び支那について書かれた西欧やアラブの古典にも、支那人が隋や唐の頃から連綿として人を食べていた、という事が、文献を相互参照することで立証されている。
著者が最後に書いている通り、隣国である支那の良い面を色々と知って、友好をめざす事は大切だが、真に友好を築くためには、暗黒の面をも知らなくてはならない。この著作は、そういう目的をもって書かれたものなのだ。
但し、大正年間に著されたものなので、旧仮名旧漢字である事、支那の文献については原文のまま(レ点はある)引用されている事は注意が必要。
それにしても、それなりに支那の古典は読んだつもりだったけれども、こんなに食人の記載があったとは、と瞠目した。
もしかすると、現代文に訳する時、省いた本もあったかもと少し疑う。面倒でも、やはり原文で読むべきなんだろうなあ……。