水滸伝 六 風塵の章 (集英社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ほのぼの

  • 北方水滸伝全19卷を読了。
    水滸伝そのものを読むのが始めてなので、古典原作と比較しての改編の凄さは分からないものの、梁山泊と宋との対決という大枠のストーリーの中に、多種多様なタイプの人間をそれぞれ人間くさーく展開させていく筋立てが凄すぎて、むさぼるように読みつくすのでした。
    夜中の2時にミルクあげた後に訪れる1人の平穏な時間を使って、ついつい読みふけってしまい、寝不足な日々を長々と続けてきましたが、これでようやく日常生活に戻れる!と思ったのに、あんな終わり方するんなんて、、、まんまと楊令伝を読みたがってる自分がいる。手を出すか出すまいか、迷うところだが、きっと近いうちに大人買いするんだろうな。

  • 感想は気が向いたときに

  • 昼休みにしか読んでいないにも関わらず二日で読了。
    それくらい面白い!
    6巻は5巻とうって変わって梁山泊、官軍ともに人材整備を進めている。その中でのお互いの戦略も面白い。
    7巻も続けて読みます。

  • 梁山泊に加わった新たな英雄。敵方にもにわかに現れた天才軍師。
    そして宋江危うし!面白さはますます加速し、とどまるところを知らない。

  • まずは恒例の各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙からです。

    地闊の星: 摩雲金翅・欧鵬
    地文の星: 聖手書生・蕭譲
    地狗の星: 金毛犬・段景住
    天猛の星: 霹靂火・秦明
    地劣の星: 活閃婆・王定六

    前巻で二竜山の頭領だった楊志を失った梁山泊。  とりあえずの頭領代行は林冲だったけれど、案の定、彼は騎馬隊あり、歩兵軍団あり、ついでに集団生活のマネージメントありという組織を動かすジェネラリスト・タイプではなく、結局その後継者を外部からのヘッドハンティングに頼らざるを得ませんでした。  こうしてよく言えば「オーガナイザー」、悪く言えば「人たらし」の名人魯達によるリクルート活動が始まります。  こういうあたり、現代のビジネス社会と同じです。  もちろん人にもよるけれど、往々にして超有能なスペシャリストが必ずしもマネージメントには向かないのとまったく同じ構図です。

    北方水滸での秦明のヘッドハンティングの秘策というヤツ。  必ずしもフェアとは言い切れない部分はあるものの、原典でのヘッドハンティングのやり方に比べれば遥かにまともで、彼が官軍を抜けて梁山泊に与するに至るシナリオの説得力は上と KiKi は見ました。  まぁ、これも現代的価値観によれば・・・・・ということではあるんですけどね(苦笑)

    さて、宋江さんと愉快な仲間たちの全国行脚の旅は続いています。  前巻で長江の中洲に築かれた砦に立て篭って、官軍二万に包囲されるな~んていう経験をした割にはあまりに呑気な宋江さん。  もちろん集団のリーダーたるもの、小さなことに一喜一憂しているようでは務まらないし、配下の人間が釈迦力になっている時ほど上に立つ者はどこか余裕を見せないと組織というものは上手く回らないというのは KiKi 自身もマネージメント経験の中で身に沁みて感じてきたことではあるものの、宋江さんの場合は、ちょっと度が過ぎるような気がしないでもありません。  本人も仰っているように「鈍い」としか思えません ^^;

    もちろん宋江さんただ一人を捕まえる(もしくは消す)ために何万もの大軍を派遣すること自体「はぁ??」と言いたくなっちゃうようなことであるっていうのもわからないじゃないけれど、少なくともあの長江中洲の砦から無事脱出できた際に、もうちょっと現状認識をするべきだと思うし、もっと危機感を持ってもいいんじゃないかしら?  二万もの大軍を派遣する官軍も官軍だけど、宋江さんを助けるために未だ発展途上の梁山泊だって、持てる限りの・出せる限りの勢力を出さなくちゃいけなかったという事実に関して、ちょっと無頓着過ぎると感じるのは KiKi だけかしら?

    もっともその呑気な全国行脚続行のおかげで、従者は武松1人だけという体制だったのが、ふと気が付けば「宋江さんと愉快な4人の仲間たち」となっているわけで、そういう意味での成果はあったんですけどね。  更に言えば宋江さん自身が「自分を取り巻いていた狭い地域から発する考え方」をさらに広げるという意味で役立っていると言えばそれはそうなんですけどね。  更に、更に梁山泊軍に目を転じてみれば、調練だけでは習得できない実戦による勘みたいなものも鍛え上げられつつあるというのもわからないじゃない。  それでもねぇ・・・・・・。  この宋江さんの「今の自分が置かれている立場」に対する鈍感さが何等かの悲劇を生みそうな気配がプンプンしています。  

    そして梁山泊に相対する青蓮寺側も体制強化が図られました。  新たに宰相によって青蓮寺に送り込まれてきた頭脳派の人材が聞煥章。  ちょっと色恋に溺れ気味の李富の刺激にもなり、同時にどこか硬直しかかっていた青蓮寺という集団に新風を巻き起こす男という役どころで、それまでどちらかというと個人技の世界で裏から体制を支えていた青蓮寺にも組織で動く文化を導入し、同時に官軍再編のアクション・プランを企画し確実に実行できる遂行力も示す人物です。  KiKi は個人的にこの聞煥章みたいな男、好きなんですよね~。  世が世なら一緒にお仕事をしてみたいタイプです(笑)。

    さて、呑気な宋江さんの全国行脚の旅が結果としてどんなことを梁山泊にもたらすのか、その顛末にドキドキしながら第7巻に進みます。

  • 北方水滸 6巻目。宋江の旅は続く。青州軍の大将軍 秦明が梁山泊に合流する一方、官軍も聞煥章を迎えて全軍体制を引く。聞煥章の支持のもと、再び宋江を捕える網が絞られる。

    梁山泊が単なる叛賊ではなく徐々に「国」としての体制を整えていく一方で、青蓮寺側も梁山泊に対抗するためには腐敗した「国」のありようを変える必要があると考えるようになっていく。単なる戦闘ではなく、国のあり方、民のあり方を考えさせられる場面が多い。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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