本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (12ページ)
感想・レビュー・書評
-
『六羽の白鳥』に関するシモーヌ・ヴェイユの話が興味深かったので読んだ。
登場人物は、六人の兄と一人の妹。ある日突然、なんの罪も犯していないのに、兄たちは魔女によって白鳥にされてしまう。妹は兄たちを助けるべくある試練に耐える。その試練とは大きく二つある。一つはアネモネの花でシャツを六人分編むこと。もう一つは喋らず笑わないということ。そしてそれは王の愛と、母親の告発によってさらに困難なものになる。注目すべきことは、妹自身の心理描写がないことだ。すなわち我々読者からは、彼女の魂におけるドラマは全く見えないということである。妹は兄たちを助けたい一心で、その純粋さによって、他の行動をせずひたすらシャツを編む。この他の行動をしないというところすなわち行動の抑制にヴェイユは注目する。ここに東洋的なものを指摘する。さらに、混じり気のなさという真理のかけらが、「無行動」という身体表現によって現れているとする。
何にも考えず読んだらここまで深く読めなかった。童話って難しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
能登麻美子 お話NOTE
3月18日配信 前編
3月25日配信 後編
全3件中 1 - 3件を表示