六羽の白鳥 [Kindle]

  • 2012年10月4日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 『六羽の白鳥』に関するシモーヌ・ヴェイユの話が興味深かったので読んだ。

    登場人物は、六人の兄と一人の妹。ある日突然、なんの罪も犯していないのに、兄たちは魔女によって白鳥にされてしまう。妹は兄たちを助けるべくある試練に耐える。その試練とは大きく二つある。一つはアネモネの花でシャツを六人分編むこと。もう一つは喋らず笑わないということ。そしてそれは王の愛と、母親の告発によってさらに困難なものになる。注目すべきことは、妹自身の心理描写がないことだ。すなわち我々読者からは、彼女の魂におけるドラマは全く見えないということである。妹は兄たちを助けたい一心で、その純粋さによって、他の行動をせずひたすらシャツを編む。この他の行動をしないというところすなわち行動の抑制にヴェイユは注目する。ここに東洋的なものを指摘する。さらに、混じり気のなさという真理のかけらが、「無行動」という身体表現によって現れているとする。
    何にも考えず読んだらここまで深く読めなかった。童話って難しい。

  • 能登麻美子 お話NOTE
    3月18日配信 前編
    3月25日配信 後編

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著者プロフィール

兄:ヤーコプ・グリム Jakob Grimm(1785-1863)/弟:ヴィルヘルム・グリム Wilhelm Grimm(1786-1859)/ドイツの文献学者・言語学者・民衆文学研究者。両者ともドイツ中西部ヘッセン地方の町ハーナウに地方官吏・法曹家の息子として生まれ、マールブルク大学法学部でサヴィニーの薫陶を受けつつ、ハイデルベルク・ロマン派の詩人たちと交友関係を結ぶ。兄弟の共同作業によって多くの業績を残し、共編著として『子どもと家庭のためのメルヘン集』、『ドイツ語辞典』などがある。兄の著作としては『ドイツ語文法』、『ドイツ法古事誌』、『ドイツ神話学』、『ドイツ語の歴史』、『判告録』、弟の仕事として『ドイツ英雄伝説』のほか、第七版に至るまでのメルヘン集テクストの改稿がある。

「2021年 『グリム ドイツ伝説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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