スリーピー・ホローの伝説 故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より [Kindle]

  • 2012年10月4日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 19世紀初頭の作家、ワシントン・アーヴィングの作品。ジョージ・ワシントンにちなんで名づけられており、子供のころ、実際にワシントンにあったこともあるという。
    本作の舞台はニューヨーク近郊だが、執筆当時、アーヴィングは欧州滞在中であった。
    本作が出版された1818年は、メアリ・シェリーの「フランケンシュタイン」の初稿が出版された年でもある。
    何度か映画化されている作品でもあり、最もよく知られるのはティム・バートン監督によるものだが、内容はかなり異なり、共通するのは登場人物の名前と、鍵となる「首なしの騎士」の存在である。

    スリーピーホロー(まどろみの窪)は、昔から不思議な眠気を誘う土地として知られていた。人々はここを通ると幻想にふけったり、奇怪なものを見たりするのだ。幽霊も出れば流星も飛ぶ。どうやら魔女も集うらしい。
    中でも首領格なのは、首なし騎士(the Headless Horseman of Sleepy Hollow)である。独立戦争の際、イギリスが雇ったドイツ、ヘッセン州からの傭兵で、どうやら大砲で頭を吹っ飛ばされたらしい。夜の闇を疾走し、首を探して彷徨うという。

    そんな土地に1人の教師がいた。彼はその地の1人の娘に恋をする。娘はもちろん美人でもあったのだが、彼にとってさらに魅力的なのは、彼女の家が資産家であることだった。しかも一人娘である。
    ある日、この家のパーティに招かれた教師は喜び勇んで出かける。娘ともなかなかよい雰囲気になったと思ったのだが、それは娘が別の男の気を引くためだったのか、あえなく振られてしまう。
    意気消沈して帰途についた先生がスリーピーホローに近づいた頃、大きな馬に乗った巨大な人影が近づいてくる。
    彼には首がない。いや、肩の間にあるべきその首は、鞍の前にある!?
    驚いて馬を駆る先生だが・・・。
    翌朝、人々は先生が乗っていた馬を見つけるが、先生の姿はなく、後には潰れた南瓜があるのみだった。

    ・・・南瓜かぁ・・・。
    結局のところ先生は見つからない。オチがあるようなないようななんだか不思議な味わいの話である。
    興味深いのは、この伝説のあった地域がオランダ人が古くから住むところだという点で、人の入れ替わりが激しいところではあまり地方色豊かな伝説などは息づかないものかもしれない。

  • とりあえずホラー感は0である。伝説感も0かな。。民話的な。
    まぁそれは良いのよ、よくある昔のお話って感じで。それよりも最後のオチが全然分からないよ!笑うところなのか、そういうわけじゃないのか、アメリカ人なら分かるんか。このセンスについて行けんのよなぁ。

  • 首無し騎士の話…というよりは人間関係の色が強い。まあ首無し騎士も出る。

  • こんな話だったのか……!

  • 首なし騎士が夜な夜なさ迷う伝説と聞いたら怪談話か、と思ったが古き良き?時代の伝承と落ちのついた噂話だった。カボチャを投げつけられたら、さすがに逃げるでしょうね。著者の『スケッチ・ブック』の抜粋。著者の別著書に『アルハンブラ物語』がある。ずっと以前に、スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿を訪れた時に売店でこの本を買った。著者は幻想的な伝承に興味があったよう。こちらも再読してみたくなった。

  • スリーピー・ホロウの首無し騎士。ティム・バートンの映画で観たから存在は知ってた。アメリカ北部で語り継がれる都市伝説で、教会の教義から外れた亡霊らしい。そういえば映画でも教会には入れない設定だった。
    そんなこんなでゴシックホラー読む気満々で読み始めたら、独立間もないアメリカの田舎の牧歌的な風景が延々続くのである。食い意地のはった主人公による料理やお菓子の描写。恋の鞘当て。
    どうすんだこれ、と思ってたら、恋にやぶれて傷心な主人公が夜道で首無し騎士に超追いかけられてカボチャ投げつけられた。カボチャかー。まあ普通に危ないよね。

  • ニューヨーク北部の町で語り継がれている幽霊「ヘッドレス・ホースマン(首なし騎士)」をベースにしたおはなし。

    最初はだらだらと説明が続くのでイマイチ・・・?と思っても最後まで読むことをおススメします。
    クライマックスを迎えて最後に…( ̄ー ̄)ニヤリッ とできるかも。

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著者プロフィール

ワシントン・アーヴィング(Washington Irving)
世界文学を代表する典型的なキャラクターである〈イカボッド・クレイン〉や〈リップ・ヴァン・ウィンクル〉を創造し、アメリカ・ロマン派文壇の覇権を握るに至ったワシントン・アーヴィングは、そのたくましい創作力と高い教養を広汎に駆使することで旺盛な文学活動を展開した真摯な国際的文人だと言える。華々しく文壇デビューを飾ることになった瞠目の作品『ニューヨーク史』(1809)から畢生の大作『ジョージ・ワシントン伝』(1855-59)に至る作品群のほとんどすべてが、豊かな感性と間然するところがない見事な構成に貫かれていると言っていいだろう。なかでも軽妙洒脱な筆致で独自の世界を築いた短編集『スケッチ・ブック』(1819-20)のなかの代表作「リップ・ヴァン・ウィンクル」や本書の「スリーピー・ホローの伝説」、あるいは伝承に基づく優れた紀行・説話文学の代表格として知られる『アルハンブラ物語』(1832)などの名作は、いまも日本の多くの読者から圧倒的な支持を受けている。

「2024年 『スリーピー・ホローの伝説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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