古寺巡礼 [Kindle]

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  • 2012年10月5日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 西洋の風呂は事務的で、日本の風呂は享楽的だ

  • 著者が1917年に奈良を巡った印象記の1947年改訂版 旅行記を想像していたのが仏像を中心とする宗教美術に関する著者の高い見識が詰め込まれた内容でその質量にただ唖然 浅学の自分にもわかりえたのは究極の美と調和を追求した古人の知恵と努力 かつて拝した仏の姿を思い出す

  • 若い時に亀井勝一郎の大和古寺巡礼を読んで感銘したのを覚えており、その後はお寺巡りの本は敬遠していた。この本を読んで若い時の感想と著者は言っているそうだが、若い感性だから書けていると感じるところが多々ありました。仏像に対する細やかで繊細な表現は素晴らしいかった。

  • 奈良のお寺をめぐって,壁画や仏像を見て感想を述べる.
    こちらに仏像に関する知識がないので,ちょっとつらかったかな.次回はそれらの仏像をググりながら読んでみよう.

  • 手持ち単行本は大正8年(1919)初版の岩波版です。旧字体なので、現代仮名遣いの青空文庫版を併読。

    「古寺巡礼」というより、「古仏巡礼」の雰囲気が濃いです。ゆったりした時間の流れる感じは大正8年という時代のせいか、和辻哲郎という人物の持ち味なのか。小難しい思索ではなく、なるほど巡礼ですね。

    大正から昭和にかけて多くの文学青年や画学生が、この本を懐に大和路を歩いていたと聞きました。今はもうそういうタイプの大和路好きはいたとしてもとても希少なんだろうなと思うといます。
    下の引用は、現代の漢字かな遣いに直しました。

     
     ━ p.289 ━
    (中宮寺の観音)彼女は神々しいほどに優しい「たましいのほほえみ」を浮かべていた。それはもう「彫刻」でも「推古仏」でもなかった。ただわれわれの心からな跪拝に価する――そうしてまたその跪拝に生き生きと答えてくれる――一つの生きた、貴い、力強い、慈愛そのものの姿であった。われわれはしみじみとした個人的な親しみを感じながら、透明な愛着のこころでその顔を見まもった。

  • ある対象を見て他の何ものかとの類似性を見出したり, その由来を求めたりすることができるためには, それに応じて肥えた目と蓄積された豊かな知識のみならず, 鋭敏な感受性もが要求される。
    あくまで主観に過ぎないのかもしれないが, そうだとして, それのどこが悪いのか。
    それでいいではないか。
    文化度の高さはその人の使う言葉に良くあらわれる。
    造詣の深さに感嘆させられた。

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著者プロフィール

和辻哲郎

明治二二(一八八九)年、兵庫県に生まれる。哲学者・文化史家。大正元(一九一二)年、東京帝大文科大学哲学科卒業。一四年、京都帝大助教授、昭和六(一九三一)年、同大教授。八年には、東京帝大倫理学科教授となり、戦後の昭和二四年に退官する。二五年、日本倫理学会初代会長、三〇年、文化勲章受章。三五(一九六〇)年没。主な著書に『古寺巡礼』の他、『日本古代文化』『風土』『倫理学』(全三巻)『鎖国』『日本倫理思想史』など、また『和辻哲郎全集』(全二五巻 別巻二)がある。

「2020年 『和辻哲郎座談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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