かもめ ——喜劇 四幕—— [Kindle]

  • 2012年10月7日発売
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  • 「幻の世界へ連れていってくれるような、若々しい、うっとりさせる、詩的な愛ーこの世でただそれだけが、幸福を与えてくれるのだ!」

    これは悲劇か喜劇か。終わりだけ見れば悲劇だろう。しかし、主人公は成功している。だからこそ、主人公が拳銃自殺したとわかる最後の一文で衝撃を受ける。確かに衝撃を受けるのだが、なぜか悲しい気持ちにはならない。ただ驚くだけだ。今回の場合、主人公は絶望して自殺したのに、そこに悲しみは感じられなかった。あるのはやりきれない思い。驚きと悲しみは一体のものとして私を揺さぶらなかった。そもそも一体ではないのか。

    主人公が好意を寄せている幼馴染は、ある作家の気まぐれによる恋愛感情に翻弄されてしまう。主人公はその作家の凄さに嫉妬している。しかし、その作家が幼馴染から早々に興味を失った出来事に対しては深い悲しみがあるだけだ。それにもかかわらず、その幼馴染は今まで以上にその作家に想いを寄せている。そこで主人公はやりきれない思いを抱えて自殺する。

    誰も没落していない。その幼馴染も女優になっており、まずまずの生活を送っている。没落貴族もでてこない。これは喜劇か悲劇か。それともそれらは単純に分けられないものなのか。

    序盤はあまり面白くないが。第4幕に至る道として外せない。それはいつも通りのロシア文学だ。

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