ある神主の話 [Kindle]

著者 :
  • 2012年10月7日発売
3.67
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 16
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (12ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • “話の通じない人外が登場するお話”と聞いて読んだけど、どちらかというと話が通じてないのは勘作のほうだったなあという感想をもった。
    勘作が水の男の言い分には同情せずひたすら人の道理を基準にして男の行動を制限しているうちに、その男は人を襲う魔物ではなく神様として祀られる存在になった。こういうお話に見えたので、水の男が勘作にずっと意志を汲んでもらえなくて可哀想だな…と中盤は心配すらしていた。
    しかしよく読めば「人間になったら、お前さんの処へ来られる」と話す様子からしても、彼が望んでいた目的は最初から一貫して勘作の朋友になることであり人間の姿そのものではないし、そもそも勘作とは人間でない時から酒を交わせる仲にはなれていたわけで…。わざわざ人間の姿を借りずとも勘作と共に過ごせるようになった結末はかなりハッピーエンドだと思え、よかったねえという気持ちになれた。拡大解釈すればハッピーエンドの男男版人魚姫かもしれない。

  • 昔話のような話。

  • 人の心をたぶらかす妖怪が、邪心に惑わされず善い行いを続ける人の心にほだされて、恩返しをするという【田中貢太郎】による癒しの怪談話です。

  • これはわりと、ええ話だなーってやつ。
    割と恐ろしいやつを相手にしてるんだけども、
    ゆらりゆらりと柳のようにかわしていくのよ。
    蝶のように舞い、ハチのように刺す、ってやつよ。
    でもってうまいこと最後はまとめる、こんな風になりたいよ。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1880-1941。高知県出身の伝記作家、怪談文芸の大家。代表作に『日本怪談全集』など。

「2023年 『日本怪談実話〈全〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中貢太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×