主人公が隣の敷地に越してきた公爵令嬢ジナイーダに恋をする物語。
彼女に魅せられた取り巻きの男たち、マレーフスキイ伯爵や医者のルーシン、詩人のマイダーノフ、軽騎兵のベロヴゾーロフたちと共に熱を上げる。
しかし主人公はジナイーダからは特別な恋人としての地位ではなく、そばに仕える「小姓」のように扱われてしまう。
心理的な距離があり、謎めいた存在である父親の影がちらつく。
ある日、父親と馬を駆って遠出した主人公は、とつぜん行方をくらました父親を追いかけた先で、ジナイーダとの逢瀬の瞬間を目撃してしまう。
従順な、頑なな微笑を浮かべるジナイーダが父に向かって手を差し出した瞬間、父親に鞭でぴしりと打たれる。
その鞭で真っ赤に腫れた腕に接吻するシーンはクライマックス。
四年後、すでに結婚していたジナイーダを尋ねると、産後の体調が悪く死んでしまったことが明らかになる。