- Amazon.co.jp ・電子書籍 (282ページ)
感想・レビュー・書評
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横溝氏戦前の作品らしい。いずれも幻想的なはなしで、ミステリーというよりはホラー作品に近いかも。
「蔵の中」二重三重でどこが本筋なのかわからなくなるような感じであった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
集中の白眉は間違いなく『鬼火』。これだけでも1冊買う価値がある。他の作品は普通の横溝。
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妖しく幻想的ながらも、生々しい残酷な世界。
個々の表現力が素晴らしく、情景が目に浮かぶようです。
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■ 鬼火
廃墟となったアトリエに残された一枚の絵と、従兄弟同士の激しい憎悪と狂気の物語。
■ 蔵の中
蕗谷笛二から送られた原稿には、蔵の中から覗いたある人物の殺人風景が書かれていた。
■ かいやぐら物語
浜辺で貝殻を吹く美しい女性が語ったのは、ある心中物語だった。
■ 貝殻邸奇譚
月代殺しを少年に目撃された美絵は、その少年を貝殻邸へと招き入れた。
■ 蝋人
囲い芸者珊瑚と今朝治の恋を知った山惣の旦那は、奸計により二人の仲を引き裂いてしまう。
■ 面影双紙
薬問屋の若主人が語る、両親に起こった悲劇。 -
電子書籍版がリリースされ、杉本一文画伯の表紙が採用されているので、
登録乗り換えにつき記事編集。
戦前の、金田一耕助が登場しない猟奇・耽美系中短編集(全6編)。
「蔵の中」は江戸川乱歩の作風にも通じる「騙り」の魅力が光る。
「鬼火」は俳諧師が語る、憎しみに囚われた二人の男の物語。
どちらも行間から仄かに血の匂いが漂う。 -
この時の表紙がすごく素敵なので、田舎から全巻もって帰りました!!どの物語も本当に面白い。