毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記 [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (238ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 自身の魅力、というよりも、騙しやすい男性を見分ける能力と詐欺の能力が凄い人なんだ、と思う。美人ではない女性にどうして男たちは騙されるのか?騙されていく過程も少しわかって面白い内容だった。裁判中の被告の様子や弁護士、検察官とのやりとりも著者の目線からリアルに感じることができた。結局は地に堕ちた人間で被害者のことを考えると腹立たしい。

  • 作者が多少木嶋佳苗に肩入れしているのが気になった。

    この人は人としての魅力で男からお金を引き出したわけではなく弱くて孤独な人たちの心を利用しただけにすぎない。数ある男性リストの中から選んでいたのが小柄で弱そうな男性ばかりだったことからも本人が主張していたような対等な関係を望んでいたとは思えない。見下せる相手を選び傲慢な心でお金と命を奪った全く魅力に欠ける女だと思う。売春を自分に女としての魅力が溢れているとし、人を殺めた直後にウキウキできる心理が全くもって理解できない。あまりに歪んだ価値観に少しの救いも感じない。

  • 刊行当時にも読んだのに、電子版で読み返してしまった。読み返してもまだやはり、木嶋佳苗という人はわからない。ただ、著者が本書で言うように、この事件を通して女の生きづらさが逆に見えてくるのが面白い。

  • だいぶ前の事件ですが、なぜこんなに男に貢がせることができたのか、なぜこんな事件を起こしたのか、が気になって読んでみました。なにより男とは、女とは、が分かるかと思って読みました(笑)
    傍聴録なので真相は分かりませんでしたが、 読めば読むほど、本性がわからなくて怖い人。
    でも著者が思わず引きこまれるところなど、本音がポロッと書かれているところが良かったです。所々、考えさせられました。

  • 軽い気持ちで手に取ったけれど、とても面白かった。
    事件や被告の特異性に加えて筆者の観察眼と筆力、
    男性的ではないフラットな視点が良い本にしていると思いました。

  • 望んでいたのはあの虚構に塗れたブログのような生活のはずなのに、実際には正反対の男たちと関係を結び、金を引きだし命を奪った木嶋佳苗。本人の口から何度も出てくる「介護」という言葉が、彼女の「ビジネス」としての認識なのかもしれないが、それだけでは片づけられない異様さと不気味さを感じてしまう。得体が知らないからこそ彼女の世界を覗いてみたいと下衆の好奇心で思うのだが、何を読んでみたところで彼女の髪や肉体に取り込まれてしまうがごとくやはり何もわからない。わからないながらもどこかでこの事件の被害者たちに同情できないのは私が女だからなのかもしれないし、同世代だからなのかもしれないし、それこそ私も同じような虚を持っているからなのかもしれない。あとがきで北原さんが「男たちは何と安全な場所で生きているのか」と書かれていたが、その一文に尽きる。

  • 木嶋佳苗被告のこの事件に関しては「美人ではない」という報道が多かっただけに、魅力的に感じるという文については意外だった。

    自分の責任でやりたくないことをやらないようにしている人は魅力的な振る舞いの人が多いよなとか、魅力的に感じさせているものというのはおそらくいろいろな啓発本にある内容をかなり確実に実行している程度に簡単な内容で意識的な実行は難しいだろうなとか、ターゲットが小柄な感じの人が多いのは確実に精神的に優位に立てる人を選んだのだろうかとか、本題には関係のないところに興味をもった。

  • 10人以上の男性から数億円を譲り受けた上で殺人まで犯し、平成の毒婦と呼ばれた木嶋佳苗の裁判傍聴記。

    相手の性格によって女を見事に演じわけ、初めて会った日にホテルに誘ったり、旅行に行っても体を重ねなかったり。そして殺された男性たちは彼女を信頼しきっており、金を返せと一言も言われていないのに、絞るだけ絞りとったら殺してしまう、裁判でも争点になった動機なき殺人の残忍さ。

    ニュースやワイドショーでさんざん報道された通り、「なぜこの美しくもない女に騙されるの?」というのが読書前の感想だったが、読み進めていくとまさかまさかの展開。自分が独身で、婚活サイトに登録してたらもしかして...と思わせる恐ろしいルポルタージュであった。

  • 裁判の傍聴記というのはあまり読んだことはなかったのだが非常に面白く読めた。
    著者の”女性目線”はテレビや新聞などの報道では伝わってこなかった細かいディティールや仕草などが伝えてくれる。
    なによりも興味深かったのは著者が時折、木嶋佳苗に共感しているように見えることだ。
    同情はしつつも被害者の男性達に違和感を感じている著者。
    それは佳苗ガールズと呼ばれる人たちが現れたことからわかるように決して特殊な感情ではないようだ。
    そして男としてはその視点に背筋が寒くなるのであった。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。作家。津田塾大学卒。96年フェミニズムの視点で女性のためのセックストーイショップ「ラブピースクラブ」設立。著書に『毒婦。』、『奥さまは愛国』『性と国家』(共著)など多数。

「2017年 『日本のフェミニズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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