賢者はベンチで思索する (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 2冊目を読み終えてから何かの続編だと気付き慌てて1冊目を読む。
    ファミレスに現れではただただ時間を過ごす老人と公園のベンチで示唆を与えてくれる老人。
    二人は別人?
    彼は何者?思えば自分は家族や知人のどこまでを知ってるのだろう。

  • なんと以前に読んで失敗したと思った本の正編。随分前に購入していたからしょうがないのだが、これで読んで失敗した本が3連発。

  • 八王子まで行く電車の中で1章を読んで、その日中に読了。読後感は悪くないからまぁいいんだけど、自転車モノに比べると明らかに物足りないよねぇ。主人公が21歳ということで、感情移入もできないし。読んでもソンはないけど、別におすすめもしないというところかな。

  • ファミレスでバイトをしているフリーター久里子。
    いつも同じ窓際でコーヒー1杯で粘る不思議な老人国枝。
    公園のベンチでいつも座っているこの老人はファミレスにいる時とは少し違う。
    久里子の周りで起こる小さな事件。
    国枝が乗り出し解決に導けるのか。

  • 『ふたつめの月』を先に読んで、こちらの続編だったことを知りました。どちらを先に読んでも大丈夫でした。日常の何気ない感覚や記憶が言語化されて共感や懐かしさ、ほのぼのした気持になれました。中高生にも楽しんでもらえそうな内容です。

  • 人が死なないミステリー。良いですね。

  • だいぶ前に購入してあった「ふたつめの月」という作品を何となく読み始めて,途中で,この作品って何かの続編なのかと気付いて,こちらを先に読むことにした。とても素敵な話だった。ヒロインの家の2匹の飼い犬が登場するが,近藤史恵さんらしく,イヌの様子がとてもリアルで可愛らしい。これを読むと自分の飼い犬をワシワシなでまくりたくなる。
    服飾関係の専門学校を出たものの,その技術を活かせる就職先に採用されず,失意のうちにファミレスでバイトをしている七瀬久里子がヒロイン。久里子が勤めるファミレスを頻繁に訪れて,定位置の窓際のテーブルでコーヒー一杯で何時間も粘る老人・国枝との不思議な出会いを軸にいくつか身の回りで起こる事件が語られる。
    バイト仲間が公園で拾った子犬を飼ってくれないかと頼まれ,すっかりその気になっていたら,次のバイトのシフトの合う日に会ったら,急な病気で死んでしまったと言われがっかりする。母もすっかり乗り気で,だめになったと話したら翌朝保健所で保護犬を譲り受けてきた。この子がアン。なぜ捨てられたのかわからないくらい人懐こい子だった。そして久里子の家の近所で飼い犬が殺されたり毒入りの餌を食べて病院に運ばれる事件が頻発していることを知る。アンも散歩中に少し目を離した隙にそれを食べてしまったらしく入院することになるも事なきを得る。
    国枝は犬の散歩コースの公園のベンチによく座っていて久里子は少しずつ話をするようになる。国枝は近所の人が言うような認知症の気配などまったくなく久里子は不思議に思っていた。アンが毒入り餌を食べてしまったときも国枝は側にいて,病院に行くためのタクシーを手配してくれたりした。後日国枝は久里子に自分の孫娘のふりをしてちょっと手伝ってほしいと言って,近辺の犬のブリーダーを何件かハシゴする。最後のブリーダーで久里子が選んだ犬を国枝は購入する。国枝は毒入り餌事件を解決できるのか。
    久里子のバイト先に厨房担当で弓田くんという男の子のバイトが新しく加わった。久里子は弓田くんに一目惚れしてしまう。弓田くんが入った後,ファミレスの客で,料理に変な味がするというクレームがあったり,小さな男の子が料理を食べた直後気持ち悪くなって履いてしまう,という事件が立て続けに起こった。料理に毒を盛る用なタイミングはなかったはず。レトルトを盛り付けるだけの簡単な料理だったのでどちらも用意したのは弓田くんだった。弓田くんはお客に提供する料理を作るのが怖くなったのでバイトを辞めるかもと久里子に打ち明ける。そうこうする内に脅迫状めいた文書が通用口のドアに張ってあるのが見つかった。久里子は国枝に相談する。一体ファミレスで何が起こっていたのか。
    ファミレスの駐車場に隣接している家の男の子が行方不明になったということで刑事がやってくる。しかも,国枝がその子と一緒にいるところの目撃証言があり,誘拐事件で国枝が誘拐犯と疑われる。久里子は国枝にこれまで助けられてきたし,絶対にそんなことはないと信じようとするが,国枝の家はもぬけの殻。久里子は夢で見た情景から幼い日の,国枝の家の前の道路で転んだことを思い出す。その家の人が出てきて手当してくれたのだが,その男の人の顔は国枝ではなかった。警察も同じことを探り当てた様子で,国枝の家に住んでいるのは国枝になりすましている別人だという。自称・国枝は本当は何者なのか,誘拐の真相は何なのか。

  • この本には、3つのお話が収録されていますが、犬の話は第1話だけです。

    だけですが、作者は犬が好きなんだろうなという感じは強く受けましたし、そういう内容でしたね。
    ただ、捨て犬は食べ物に貪欲と言っていますが、我が家の元保護犬はそうではないですね。いろいろいるんです。

  • フリーターの久里子が、バイト先のファミレスの常連客である国枝老人の助言で事件を解決していく話。
    この手の緩めのミステリーは好物なので、出会えてよかった。国枝さんがとても好感。
    もちろん次は「ふたつの月」を読む。
    タルトタタン(シェフは名探偵)とインフルエンスのドラマ版も良かったのにホテルピーベリーまで読んだ事なかったなんて、、、、

  • 再読。kindle。主人公が老人と出会い、悩み相談をしたり、謎を解いたり。謎解きよりも、この二人の不思議な関係性が魅力的。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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