夢売るふたり [DVD]

監督 : 西川美和 
出演 : 松たか子  阿部サダヲ  田中麗奈 
  • バンダイビジュアル
3.39
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感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569644763

感想・レビュー・書評

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  • ★★★☆☆
    人間の醜い部分の全て
    【内容】
    阿部サダヲと松たか子演じる夫婦が火事で店を失い、結婚詐欺に手を染めていく。

    【感想】
    ポップなタイトルで阿部サダヲってことで軽く見始めたんだけど重かった。

    嫉妬・恨み・妬み・欲望。。。人間の醜い部分を目の当たりにしてしまった。
    そんな感情に囚われてしまえば、かもめではなくネズミになってしまうのだ。

    見上げると希望があるが、足元には絶望がある。


    ちょっとわからないラストカットだったが、
    観客が松たか子を見るのではなく、スクリーン上の松たか子が観客を覗いているのだ。「どこかにネギを背負ったカモがいないかなぁ」と。。女は怖いな。

  • なんか松たか子の演技にいちいち身につまされるというか、じわりじわりと沁みました。

    ごく平凡な全うに生きてきた女の中に渦巻いてるものが、少しずつ少しずつ現れて、それはとっても見覚えがある。
    松たか子の演技には目に見えないものを見せてくれる説得力があって些細なシーンにじんときた。
    義父からの電話に出てるシーンとかほんとたまらない。あの一連の流れは好きだなぁ すごくつらい。

    あんな彼女をあの世界では誰も知らないわけで、そしてそんなことは現実でもたくさんたくさんある。

    松たか子は素晴らしかったけど、阿部サダヲも良かった。すごく目立たないけど、彼がどんな人であるかがしっかり描かれているかどうかはこの作品にとってとても大事なことだと思うから。

    ひとりで生きるのもふたりで生きるのも、どっちも大変だ。

    しかし濡れ場はことごとく笑ってしまった。

  • 結婚詐欺はこのような微妙なところから出発するものかもしれない。

    最近現実をじっくり描く小説が目につくが、それを映画ですればこうなるのかと思うリアルな映画である。西川美和監督の力量はさすがだ。

    一皮剥くと違う表情を出してくる松たか子と阿部サダヲ。手段だった結婚詐欺が、それ自体が快感という目的化してるところが松たか子にはあるが、それで生活を破壊していることに耐えられない阿部サダヲとギャップを生じるようになる。

    また、詐欺のはずが本当の恋愛になってる気配に包丁を持ち出す松たか子といったエピソードが一つ一つよくできている。

    欠点としては、一つ裏の顔が唐突で表の顔と連動しない。ちょっとキャラがバラバラになってる気もする。改めて阿部サダヲのキャラは得難いと思う。

  • 広島が生んだんだ映画プリンセス・西川美和の4作目長編作品。
    火事で財産を失ってしまった居酒屋夫婦の物語。

    「またお店を出したい」
    そんな純粋な夢が、夫の1回の浮気をきっかけに結婚詐欺へと向かっていく。。。。
    「夢を売る」とは、結婚を夢見る女性に与えたものか、
    ふたりが見た「夢」をお金に換えたものか。

    西川監督が撮ったらハッピーエンドに終わらないと、わかっていたつもりだが(笑)、やっぱそうだった

    むしろ本作が一番救えない?

    別に乳がんの本を見ながら、自慰行為をする松たかこが生々しすぎて興奮できないのが理由と言う訳でもない。

    人の恩を受けて、居酒屋を切り盛りしてきたのに、
    浮気を知ったさとこ(松たか子)はどうしてその矛先を「人を騙す」ことに向けることができたのか。
    お金の為とはいえ、夫のカラダを他人に交わらせることができるのか。。
    女ってコワイね。
    劇中で阿部サダヲに「お前の本当にや
    りたいことは何や? 足りないのは腹いせやろ?」と問いただしていたのがこの映画の真理。
    さとこは復習を誓ったのだろう。
    阿部サダヲと松たか子のベッドシーンは、最後までなかった。
    しかし、「夫婦」を象徴するチャリを二人乗りして街を疾走するシーンは後半はなかった。
    それはお金は貯まるにつれて、失ったしまった夫婦の絆のように見えて仕方がなかった。

  • あらすじ: 東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。店は小さいながらも順風満帆だったが、火事で全てを失ってしまう。ある日、貫也が常連客と一夜を共にし、すぐに里子の知るところとなるが、里子は結婚詐欺で金をだまし取ることを考案する。結婚願望の強いOLなど寂しい女たちの心の隙につけ込んで、店を再開するための資金を稼ぐ二人。しかし、夫婦の関係に影が差し始め……。(シネマトゥディ)

    何が人生を変えるかわからないけれど。ぶれない自分というのがどれだけ大事か。演技派ふたりの実力が光っていました。

  • 2012年公開
    監督 : 西川美和

    店を焼失した夫婦が再び商売を始めるため、ある方法で資金集めをはじめるお話。

    えぐい話でした。
    松たか子も阿部サダヲ、両方ともエグうまで、
    感情が坂を転げ落ちるように、すり合わなくなっていって、
    壊れていく様が、恐ろしかった。

    BGMが、外しとしてはちょうど良かった。
    あれが実はファインプレーかもしれませんな。

  • 松たか子さん、阿部サダヲさんの夫婦が火事によってすべてを失ってしまうが、夢を諦め切れず、結婚詐欺を繰り返すというお話。

    松たか子さん、阿部サダヲさんの演技が巣晴らしかったです。
    見事に夫婦役がハマッていて良かったです。 ^^

  • ああ女の人が撮ったんだなっていうにおいのする映画。
    最近こういう救いのない邦画、多いな。

    女は、生々しい。この監督もだし、この映画に出てくる女もみんな生々しい。それは必死に生きている証拠でもあるのだ。
    そして、なにがいいって、タイトルがうまい。
    お金で夢を売ったっていうことだね。
    生々しすぎて、しばらく観たくないくらい、
    よかった。のか、よくない、のか。

  • 女の生々しさが凄い!松たか子が凄い!

    -----
    人間最大の謎は、男と女

  • 女性の監督さんで、女性の心理がうまく出ていて面白かった。これは女性しか思いつかないシーンだろうな、とか。「腹いせにやってんだよ!」みたいなセリフがあって、それもそうだと思うけど、根底には夫への愛があるんじゃないかって思いました。
    男性と女性で、少し見方が違うかもしれませんね。

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著者プロフィール

1974年広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中から映画製作の現場に入り、是枝裕和監督などの作品にスタッフとして参加。2002年脚本・監督デビュー作『蛇イチゴ』で数々の賞を受賞し、2006年『ゆれる』で毎日映画コンクール日本映画大賞など様々の国内映画賞を受賞。2009年公開の長編第三作『ディア・ドクター』が日本アカデミー賞最優秀脚本賞、芸術選奨新人賞に選ばれ、国内外で絶賛される。2015年には小説『永い言い訳』で第28回山本周五郎賞候補、第153回直木賞候補。2016年に自身により映画化。

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