終点のあの子 (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 人に憧れたり、期待したり、見下したり、幻滅したり。
    ちょっとしたことで揺れ動く感情を描いていた。
    純粋にこの人素敵だなって思っても一方で、メリットデメリットはどうしても頭から離れないものなんだよな。

    逆に、見下されてるとか利用されてると気づいた時、プライドが傷ついて、必要以上に人を突き放してしまうのもよくある。

    そういった邪念?がない杉ちゃんや保田さん、最後に素直になることを選んだ朱里が魅力的だった。

  • おもしろかった
    個々の持って生まれたものとその置かれた環境と
    自分の苦しみがどこから来ているのかが分からないいわゆる思春期の焦燥感
    悩みの種類や悩み方解決の仕方は違ってもそのひりひりする感じが生々しく、その頃の自分を思い出す(苦笑)
    女子高生(その前後の時代も含む)の視点から見た世界
    4編からなる
    それぞれにストーリーの中心となる子は違っていて物語を立体的にしている
    地元大好き、地元に疑いを持たない人種(そういう傾向のあるグループとしてヤンキーがある、のかな)VS地元に苦しさを感じ、どこかに自分の居場所があるんじゃないかと思う人種が描かれているのは興味あるところ

  • ●もし彼女に罰が与えられ、自分と同じようなささいなことに胸を痛める普通の女の子になってくれさえすれば、誰よりも彼女の力になろうと思っている。

    いじめ、独占欲、周りの目が気になる、あの子より私の方が上、スクールカースト…痛々しいほど"普通の女子高生"の姿がリアリティを持ってそこにあった気がする。

  •  女の子の本質ズバリ。女子の友達の話です。どんな子でも本当はうまくいかなくて悩んでいるのに、傍から見ていると妬ましい。あの子だけ楽しそうでずるい。ねっとりとしそうなテーマですがそれほど重くありません。
     昔女の子だった私としては心当たりがありすぎて苦笑いです。
     

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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