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感想・レビュー・書評
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囲碁、将棋、麻雀を題材にした小説は数あるが、ここまで人間と融合させた内容のものははじめて読んだ。しかし最近はこのような小説もSFと呼ぶのか・・ややこしい。
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SF……なのかなあ、ファンタジーなのかなあ。収録された短編によって、SF寄りのとファンタジー寄りのがあるかも。チェッカーの話、おもしろかったな。麻雀の話もかなりおもしろそうだったんだけど、如何せん麻雀がわからないのがネックに(T_T) ほかの作品も、たぶんその競技自体をよく知っていたらもっと楽しめたと思います。でも意外にぐいぐい読めた。
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短編連作ながら『原爆の局』に収斂していく
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灰原由宇の出自は謎めいて語られるが,〈八方報〉の当時の記事で,彼女自らが東京の生まれであることを明言している.(冒頭の一文)
囲碁,チェッカー,麻雀,チャトランガ,将棋,囲碁,の順に短編ストーリーが描かれている. -
ゲームがらみのミステリは好きで竹本健治の囲碁殺人事件とか将棋殺人事件とかは昔おもしろく読んだ。これはミステリではなくSF大賞受賞というからSFなのらしいが、どこがSFなんだろうか。
表題作は手足を切断され碁盤を体の一部と化して碁を打つ女性棋士の話。その他、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋、そして最後にまた囲碁と各種ゲームを題材にした短篇集。いずれがあやめかきつばたならいいのだけれど、どうみてもどんぐりのせいくらべ。おもしろみに乏しい。ひとつ選ぶとすれば麻雀の「清められた卓」かな。あとは最後の「原爆の局」に大飛という手が出てきて興味を惹かれた。初手天元に一間にかかった手に対して十五の八にはさんだ手がそれ。けいまからコスんだ位置というか大げいまより一目外というか、なるほど大飛ね。位置は違うが石田芳夫九段が打った実例があるそうだ。
ああそうか、こんなふうにゲームそのものに興味をもって読んでしまうから小説としての広がりが感じ取りにくいのかも。かえってルールを知らない人が読んだ方が虚心に評価できるのかもしれない。