BRUTUS (ブルータス) 2012年 12/15号 [雑誌]

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  • / ISBN・EAN: 4910277531229

作品紹介・あらすじ

BRUTUSが一度限りの文芸ブルータスに。
8誌が出版社の垣根を超えて、文芸誌を作ってしまったようです。豪華。

感想・レビュー・書評

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  • ネットで評判をちらちら聞いていたので、少し前に買い置きしていたもの。

    『BRUTUS』は本の特集を定期的に企画しているのだけれど、どこかちょっと自分の好みとは合わなくて、数年前に一度買ったきり。今回も、「どうだろう?」と思って目次をめくると、各文芸誌さんがお抱えの売れっ子作家さんの短編、もしくは連載の初回を提供し、小説以外にも作りこんだ記事がちりばめられている。メジャー文芸誌とのタイアップ企画というより、増刊号の趣き。気合の入りようが尋常でなく、思わず買ってしまった。

    若手・中堅の作家さんに格別のごひいきはいないので、こうして並べて読めるというのは、ズボラにとってはありがたい。あらためて読むと、売れている作家さんというのは、素直に「上手いなあ」と思うし、しばらく読まなかったら「うわっ、こんなふうに書くんだ!」と新しい視点を見せられてドキドキしてしまい、ページをめくる手が止まらない。有川浩さんは直球で人間の感情のツボをついてくるのが本当にお上手で、「引っかからねえぞ!」と思ってもうるっとやられてしまうし、朝井リョウさんは、表現に細やかさが加わって、順調に作家のキャリアを伸ばしてらっしゃる。マジでskyrocketingじゃん!

    鹿島田真希さん、堀江敏幸さん、絲山秋子さんの、愁いと感情のざらつきと不安定さや疎外感を描く文章の巧みさには、安定感がありながら、「どこかで読んだような…」というマンネリ感もなく、新鮮に感じた。この号の中では、正統派の「文芸」という感じで美しい。

    掲載小説のマイ・ベスト2は万城目学さんと舞城王太郎さん。万城目さんは中島敦の本歌取り(だと思う)で、「『ホルモ―』や『しゅららぼん』でなくても勝負できるじゃん!」とすごく楽しかったし、舞城王太郎さんの160km剛速球ど真ん中ストレートなボーイ・ミーツ・ガールにはハマった。舞城作品は基本、どれもトンデモカオス+ラブなストーリーなんだけど、これはトンデモカオス部分を抜いて、少し抑制された明晰な表現で正面突破してくる。いやあ、もう拍手喝采アンコールの嵐。でも、これで終わるからいいんだからねっ!続編はいらないよっ(笑)!

    小説だけでなく、周辺企画も楽しかった。文壇バー、作家の缶詰部屋、アメリカで最も恐れられる書評家のミチコ・カクタニといった小ネタコラムも面白いし、インターミッションに挟まれる対談が、作家・書評家・装丁家と、本にかかわるかたを全方位の人選で、文芸至上主義というより、本を愛する人たちをリスペクトしているようで幸せな気持ちになれた。ただ、対談の背景写真と本文のコントラストをもうちょっと何とかしてほしかった。目がチカチカします(笑)。

    文芸誌は好きなところだけ読めばいいとわかってはいるものの、むやみに完読癖があるせいで、大変面白かったものの、結構疲れました(いつも同じこと言ってる気がする:笑)。充実度からいうと☆5つなのですが、『海外文芸は翻訳者で選ぶ。』のリファレンスにあと5人ほど追加していただければ無敵だったと思うので、この☆の数となりました。ちょっとだけごめんなさい。

    • Pipo@ひねもす縁側さん
      こんにちは。

      各文芸誌ご担当者さんのあとがきも読みましたが、自分の雑誌を売り込むよりも、文芸に対する愛情をものすごく感じました。

      私は舞城さんの作品の根っこのところ(作品のベースに意外と厚みのあるところ、など)はすごく好きなので、久しぶりに楽しみました。『林檎』は「男子、これでいいのか?もうちょっと熱くいけよ!」とちょっとだけ思ってしまう(笑)ほどの地に足のつきようですが、やっぱりお上手だと思います。今回も芥川賞の候補になったということですし、トム・ジョーンズの翻訳も手がけられるようなので、楽しみです。
      2013/01/07
    • 花鳥風月さん
      Pipoさん

      芥川賞の候補出てたんですね。舞城さんがそろそろ報われてもいいような気がしますが、個人的には小野さんとかが注目されればいいなーと思ったりしてます。

      それにしても「トム・ジョーンズ」と聞いて、フィールディングの方しか浮かばない私は一体…(←岩波文庫大好き&現代ガイブン疎し)
      いくらなんでも舞城さんがフィールディングを訳すのはおかしかろう(脈絡なさすぎ)と思って、Google先生に聞いて納得しました。そういう名前の作家がいるんですね。勉強になりました。
      2013/01/08
    • Pipo@ひねもす縁側さん
      花鳥風月さん

      とりたてて芥川・直木賞ウォッチャーではなはずなのですが、最終候補作リストが発表されるたびに、ちょこちょこのぞいてしまいますね。小野さんの作品は私も好きです。『夜よりも大きい』とか。堀江さんよりもダークな感じですね(笑)。

      >トム・ジョーンズ
      逆に、すぐに新しいものに飛びつく私は、岩波が思いつかなくて(笑)。岸本佐知子さんの訳が有名ですが、ちょっと冷めて殺伐とした感覚が合ってると思います。実際、ジョーンズの作品が下敷きになってる(としか考えられない、と私が勝手に推測している)作品もありますし。
      2013/01/08
  • 特に有川浩「みとりねこ」、万城目 学「悟浄出立」が印象に残る。
    たまには文芸誌を読むのもいい。
    「海外文芸は翻訳者で選ぶ。」楽しく読めた。

  • 面白かった。久しぶりに活字ばかりの本を読んだ。
    そうだ、僕は本が好きだったんだ。
    今は時間が無くて、雑誌ばかり読んでるけど、ちゃんと小説が好きな気持ちは無くなってないと分かった。

  • 「みとりねこ」と「濡れ衣の話」がじんわりきた。年末のんびりしながら読みたかったので年末恒例みたいにしてほしー。

  • 個人的に読みたい作家さんが連なっている!読みたい!

  • んーー読みたい!

    http://magazineworld.jp/brutus/745/
    「文芸ブルータス」。たった一度きりの文芸誌、創刊です。
    たくさんの魅力的な小説がモノクロページにぎゅっと詰まった「文芸誌」。ある意味、ブルータスともっとも対照的な雑誌といえるのかもしれません。今回、その「文芸誌」を作ってみようと考えました。新潮、小説新潮、オール讀物、群像、小説すばる、文藝、yom yom、en-taxiといった日本を代表する文芸誌8誌の協力を得て、本邦初公開や単行本未収録作品など、人気作家の小説11篇を掲載。それ以外にも、新作が出たら読みたい作家32人を一挙紹介。文芸に関わる人たちによる5つの対談に、翻訳者や文学賞、文芸誌カタログなど、文芸誌になかなか手が出せなかった方々にも、これを機に文芸に親しんでもらえるような内容になっています。
    普段のブルータスとは全く違った、モノクロページ中心の豪華198ページ。ここで多くは語りません。まずは手に取って、それぞれの物語に夢中になってみてください。

  • 「みとりねこ」…泣きました。有川浩さんの他の作品も読みたいです。
    「文芸で越境する。」…堀江敏幸さんと都甲幸治さんの対談は、2ページ目の殆どの文章を引用したくなりました。翻訳への批判、しがちですが…。
    読んでみてよかったです。

  • さぁ、見てらっしゃい、寄ってらっしゃい。
    選り取り見取り彩り豊かな11人の作家陣がお贈りする文芸誌だよ。数多ある文芸誌から選りすぐりに選び出された境界線を飛び越えた壮観な創刊号だよ。
    言葉が連なられ、物語が綴られ、その創作物に自分自身では得られない新たな世界の広がりに、何を感じ、何を想い、何を心に残す。
    さぁ、さぁ、読んでらっしゃい、飛び込んでらっしゃい。

  • 「 . . . 中島敦や芥川龍之介の王朝もののような格調高い歴史短編を書いてみたいというのが憧れとしてあった」という万城目学のインタビュー記事をみて、本誌に載った『悟浄出立』と文芸誌に載った『趙雲西航』を読みたくなった。

  • やっと読んだ!

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