NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2012年 12月号 [雑誌]

制作 : ナショナル ジオグラフィック 
  • 日経ナショナルジオグラフィック社
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  • / ISBN・EAN: 4910068471222

感想・レビュー・書評

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  • ◆「静かなる森の巨人」
    米国シエラネバダ山脈にそびえるジャイアントセコイアの木。
    樹高は75メートル。根本の直径は8メートル!
    樹齢3200年という、想像を絶するような長生きさん(笑)
    私達が塵に還った後も、ずっとこの地を見守り続けるんだろうな。

    ◆「メタンは善か悪か」
    新エネルギーとして注目されているメタンガス。
    燃やせば割とクリーンなエネルギー源になるものの、
    燃やされずに大気中に放出されるメタンが増えているとのこと。
    それは地球温暖化を加速させる。

    水道の蛇口から流れ出る水にマッチを近づける写真にビックリ。
    大きな炎が上がっている。おばちゃん、笑ってる場合じゃないよ!
    今後は放出されるメタンをどう回収するかが問題になりそうですね。

    ◆「シャーマン 精霊に選ばれし者」
    なんだか、ドラクエにありそうなタイトルですが(笑)
    現世と目に見えない世界の橋渡しをするというシャーマン。
    モンゴルを中心に、その人数が多くなってきているという。

    何故今になって?と不思議に思ったのだけれど、
    世界的な社会不安が一因になっているのは確実だろうなと思う。

  • 2012年12月号の目次
    静かなる森の巨人

    米国シエラネバダ山脈にそびえるジャイアントセコイア。実測調査で、その驚くべき素顔が明らかになった。

    文=デビッド・クアメン 写真=マイケル・ニコルズ

     米国カリフォルニア州に横たわるシエラネバダ山脈。その南部、標高約2100メートルの高地に広がるセコイア国立公園の斜面に、1本の巨大なジャイアントセコイアがそびえている。「大統領」と名づけられたその木の全容を探ろうと、森林学研究の第一人者が実測調査を敢行。新たな事実が次々と明らかになった。
    編集者から

     本特集は、特製付録のロングポスターをわきに置いて読んでみてください。このポスターで10倍、そして、この写真の撮影秘話が掲載されている「取材現場」のページ(ウェブでは未掲載)で20倍楽しめますよ!(編集H.O)

    ガザ地区の密輸トンネル

    建築資材、家畜、パソコン……。パレスチナのガザ地区では、あらゆる物資がトンネル経由で密輸される。

    文=ジェームズ・ベリーニ 写真=パオロ・ペレグリン

     パレスチナ・ガザ地区では、ほとんどの国境検問所と空港、海域がイスラエルによって封鎖され、人々の出入国や物資の輸出入が厳しく制限されている。街は内戦やイスラエルによる攻撃で荒廃し、利用できる農地も限られていて、食料や物資の不足が深刻な状態となっている。

     この窮状に立ち向かうためにガザの人々が考案したのが、エジプトとの間に地下トンネルを掘り、それを使って物資を密輸する方法。現在、ガザ地区にはこうした「密輸トンネル」が数百本あると言われ、建築資材や食料、医薬品、衣服、ガソリン、パソコン、家畜、自動車など、ありとあらゆる物資の調達ルートとなっている。

     しかし、大半のトンネルは大人ひとりがやっと通れるほどの狭さで、いつ崩れてもおかしくないような粗末な造りだ。坑内では崩落事故や火災が起きるほか、イスラエル軍の空爆に遭うこともある。

     密輸トンネルとはどんなものなのか? そこで働く人々のつらい現実とは? ガザ地区の「危険に満ちた生命線」に潜入した。
     12月号が印刷されていた11月半ば、ガザ地区での武力衝突が激化しました。ハマスをはじめとするパレスチナ人武装勢力がイスラエルへロケット弾を撃ち込み、イスラエル軍は空と海からガザ地区を攻撃しました。イスラエルの攻撃目標は、ハマスの拠点やロケット弾など武器の保管場所、自治政府、メディア関連施設です。特集で取り上げたラファの密輸トンネルもイスラエルによる空爆の対象となりました。
    編集者から

     ガザ地区では、消費財の3分の2がエジプトからトンネル経由で密輸されるそうです。イスラエル軍による空爆で破壊された建物を再建したいと思っても、建築資材を密輸しなければならないという、何とも不条理な現実があります。日本では空爆のニュースはときどき報道されますが、人々の暮らしまではなかなか伝えられません。ガザ住民の窮状を伝える貴重なルポルタージュ。まずは、写真家集団マグナムフォトに所属するパオロ・ペレグリンの写真からご覧ください。(編集T.F)

    極楽鳥を追いかけて

    ユニークな姿と生態をもつ極楽鳥。その39種をすべて記録する前代未聞の調査に、二人の男が挑んだ。

    文=メル・ホワイト 写真=ティム・レイマン

     「極楽鳥」の名で知られるフウチョウ科の鳥たちは、ニューギニア島など限られた地域に生息する。食料が豊富で天敵の少ない楽園に暮らす彼らは、多彩な進化を遂げてきた。なかでも雄の華やかな姿と、彼らが繰り広げる求愛行動の奇抜さは、自然界でも例を見ない。

     雄たちの涙ぐましいまでの競争は、すべて雌の歓心を買うためのものだ。では、こうした求愛行動は、観客である雌たちの目にはどのように映っているのだろうか? ――こんな疑問を解き明かし、39種の極楽鳥をすべて記録しようという前代未聞の調査に、二人の男が挑んだ。
    編集者から

     写真家ティム・レイマンは、この調査でなんと約3万9000枚の写真を撮影。鳥類学者エドウィン・スコールズとともに現地に18回出かけ、51地点で2000時間に及ぶ観察調査を行いました。「極楽鳥39種コンプリート」に燃えた二人の執念、みごとです!

     ところで極楽鳥の雄たちの姿を見ていたら、なぜか『ベルばら』を連想してしまいました。鮮やかな極彩色の装いに、奇抜なデザインの飾り羽、コミカルな求愛のダンス――。ロココ趣味の全盛期、18世紀フランスの宮廷であでやかさを競った貴婦人たちに、どことなく似ている気がしてなりません。もっとも、男女(雌雄)は逆ですが……。(編集H.I)

    メタンは善か悪か

    石油や石炭に代わる新エネルギーとして注目のメタン。しかし、扱い方を間違えれば、温暖化を加速しかねない。米国で進むシェールガス開発の実態を追う。

    文=マリアンヌ・ラベル 写真=マーク・ティッセン

     石油や石炭に代わる新エネルギーとして注目のメタンガス。しかし、扱い方を間違えれば、温暖化を加速しかねない。水圧破砕法によるシェール層からの採掘、メタンハイドレートの開発は、地球にどのような影響を及ぼすのか。湖や沼から湧き上がるメタンは何を意味しているのか。米国の実態からその未来を探る。
    編集者から

     この記事を編集し終えてすぐ、ある新聞に「米産油量20年には世界一」という大きな見出しを見つけました。原油生産国といえばサウジアラビアなどを連想しますが、それが米国に取って代わるとは。その背景には、天然ガスと同様、「シェール層」からの採掘が可能になったことが挙げられていました。便益か環境保護か。マット・デイモンの新作映画もこの状況に一石を投じていると、米国では話題になっています。ぜひみなさんもチェックしてみてください。(編集H.O)

    海に沈んだドッガーランド

    北海で引き揚げられた謎の人骨や人工物。それは、海底に消えた人々の暮らしを伝えるものだった。

    文=ローラ・スピニー 写真=ロバート・クラーク

     北海の海底からは、ときに奇妙なものが引き揚げられる。人間のあごの骨、巨大な獣の牙、遠い昔に絶滅したサイの仲間の骨、磨かれた矢じり、模様が施された斧……。それらは遠い昔、「ドッガーランド」と呼ばれる大地に暮らしていた人々の痕跡だ。

     ブリテン島の東方沖には、かつては陸地が広がり、狩猟採集民が暮らしていた。だが8200年ほど前、海面上昇が進むとともに、人々は慣れ親しんだ土地を追われていった。

     気候変動に見舞われた中石器時代は、同じような状況に直面する私たち現代人が教訓にすべき時代でもある。当時の人々は、海面上昇にどう対処したのか。幻の大地「ドッガーランド」の謎を追う。
    編集者から

     現在の北海の底がかつては陸地で、しかも多くの人々が住んでいたというのは興味深いですが、そこが陸地だった当時の地形がかなり詳細にわかっているのも驚きでした。1万6000年前から現在にかけて変わっていく陸地の範囲を示した地図は、必見です。川や湖のあった場所もはっきり描かれています。また、現在では英国であまり見かけなくなったツルは、ドッガーランドの人々の貴重な栄養源だったそうです。確かめようもありませんが、ツルって一体どんな味がするんだろうと考えてしまいました。(編集M.N)

    シャーマン 精霊に選ばれし者

    精霊の声を聞き、人々の魂を癒やすシャーマン。今、モンゴルを中心にその数が増えつつある。

    文=デビッド・スターン 写真=キャロリン・ドレイク

     精霊の声を聞き、人々の心と体、そして魂を癒やす――「シャーマン」の役割を果たす人物は世界のあらゆる地域にいて、精霊や神々の世界と現世の橋渡しをしている。

     今、モンゴルや中央アジア、シベリアなどの地域で、シャーマンの数が増えている。あらゆる宗教や信仰が弾圧の対象となったソビエト連邦の時代が過ぎ去ったことで、古い伝統が息を吹き返したのだ。現代のシャーマニズムの担い手たちを取材した。
    編集者から

     地味でさえない表情の、心なしか俗っぽい雰囲気を漂わせるシャーマン、法務省勤務のエリートだったけど“シャーマン病”にかかって転身したシャーマン、抑圧された民族意識を回復するために奮闘する人類学者のシャーマン……。とにかく個性的なシャーマンが次々と登場します。それぞれの地域特有の文化や歴史を背景にして増えてきているという話ですが、信仰の形は違えども、幸せを祈る気持ちは人類共通なのだと改めて思わされる特集でした。(編集M.N)

  • 大きな木は魅力的。

  • ネットなどでジャイアントセコイア「プレジデント」の画像が話題になっていたので、書籍を購入。
    ジャイアントセコイアの特集はもちろん、パレスチナの地下壕の写真特集もおもしろい。
    よく撮ったと感心する。

  • 印象に残った記事は次の3つ

    ・ガザ地区の密輸トンネル
    重い話。
    イスラエルの経済封鎖により、人や物資の行き来を制限されたパレスチナ・ガザ地区。
    隣接するエジプトに通じる密輸用の地下トンネルが住民の暮らしを支えている。

    その多くが、いつ崩れてもおかしくないような粗末なトンネル。だが、それに頼らなければならない。生きるために。
    政治の都合で、割を食うのは、いつも庶民。

    ・極楽鳥を追いかけて
    世界に39種いる「極楽鳥」と呼ばれるフウチョウ科の鳥。
    その39種全てを写真に収めた”紳士録”

    大航海時代、フウチョウの剥製は足を切られた状態で本国に送られた、という。
    それを見たヨーロッパの人々は、「この鳥は木にとまらず、ずっと飛んでいるから、足がないのだ」と思い込んだらしい。

    本来なら「そんなバカな」と一笑に付すところだが、フウチョウの姿を見ると、そう思ってしまうのも無理はない、と納得してしまう。

    また、フウチョウの仲間は、ユニークな求愛ダンスでも知られる。
    しかも彼らは、自分のダンスがよく見えるように「舞台」を整えることまでするらしい。

    まさに「極楽」の名前がピッタリ、という感じの鳥。
    今回、重い話の多い中で、ホッと一息つける記事だった。

    ・メタンは善か悪か
    石油や石炭に代わるエネルギーとして注目されるメタン。
    新聞やテレビで時々、メタンハイドレートの話題がとりあげられることもあるので、知っている人も多いだろう。

    が、「負の面」が語られる事は少ない。
    メタンは燃やせば、比較的クリーンなエネルギー源だが、そのまま大気中に放出された場合、二酸化炭素以上に温暖化を加速させてしまう。

    米国では採掘の競争が過熱気味で環境への影響調査や汚染対策が不十分なまま、「石炭に比べれば環境負荷が小さい」(石油と比べたら?は不明)という美名の元、採掘が先行しているらしい。
    この構図、単語を入れ替えたら、どこかで聞いた話そのままのような気がするが、気のせいだろうか。

  • 海面が低かった頃、北海に広大な土地が広がり、そこに住んでいる人たちがいたなんて話は初めて知った。海面上昇で土地を追われるのは今に始まった話ではなかった訳だ。

    巨木のセコイアが樹齢三千年を超えた今でも生長しているというのに驚き。同じ生物として時間の尺度が全く違っているなぁ。人が三千年生きたとしたら、何を見ることになるだろうか。

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